学習する組織は、 未来を創り出す能力を 持続的に伸ばしている組織


 
 
 
 
昨年、最も繰り返し読み込んだ書籍のうちの1冊。「学習する組織 ― システム思考で未来を創造する」
 
おかげさまで、僕たちのチームは昨年、急激に、成長・拡大し、様々な問題が勃発。お恥ずかしながら、対峙する課題が劇的に変わったこともあって、右往左往する場面が多かったと反省しています。
 
そういう背景の中で、そもそも、自分は、自分たちは、どういう組織が創りたいのか?と何度も問うて来ました。会社経営をする役割を担っている者として、『持続的成長を実現させる組織』とは、どういう組織なのか、繰り返し、繰り返し、考えながら走り続けて来たんですね。
 
僕が持っている仮説としては、社員を筆頭に、会社に関わるステークホルダーの皆さんが、ハッピーになっていることと、終わりなき成長を続けることを、いかに両立させられる組織を創れるか、というところが命題でありました。
 
もちろん、成長を求めない会社さんもあると思いますが、僕たちの会社は『公私物心すべてにおいて、今日より豊かな明日をつくる。カンシャの心を忘れずに。』という経営理念を実現するために、『終わりなき成長にコミットし、100年企業を目指す!』というビジョンを掲げています。
 
アプローチとしては、上述の通り、「どのようにすれば成長させ続けられるのか?」という目的からの逆算でもあるのですが、結果として、社員が、組織が成長し続けている組織が、成長し続ける会社を創ることが多いという当たり前の仮説を持つに至りました。
 
 
では、どのようにすれば、社員が、組織が成長し続けるのでしょうか?そんな課題に答えてくれるのが、本書です。
 
 
 
 
”「たいていの人は、「学習」や「学習する組織」について語りかけられると、その目をどんよりと曇らせる。
 
この言葉はどちらかといえば、「教室に受身の姿勢で座り、耳を傾け、指示に従い、間違えないことで先生を喜ばせる」というイメージをすぐに呼び起こす。
 
実際、日常的な語法としての「学習」は「情報を取り込むこと」と同意語になった。「はい。昨日の研修でそのことについてはすべてを学習しました」というように。
 
だが、「情報を取り込むこと」と、「真に学習すること」とは遠い親戚程度の関係だ。
 
「サイクリングについてのすごくいい本を読んだところなんだ──サイクリングのことはばっちり学習したよ」という使い方はばかげている。”
 
 
というわけで、『学習する』という表現が、なんとも前向きな印象を得にくいので、題名そのものでも損をしてしまっている気もするのですが、もっと、こう、アクティブラーニングのようなイメージで、『学習する組織』というものを捉えてみてもらえると分かりやすいかもしれません。
 
 
日々、たくさんの社員が、というか、全ての社員が、確実に、着実に、多種多様な仕事をしていて、些細なことから、とてつもなく大きな出来事まで経験し続けているわけですよね。
 
 
その経験、体験を通じて、学習し続けているはずなのですが、ただ漫然と過ごしていては、その効果は、天と地の差が開いていくと思うわけです。冷静に考えてみれば、当然の原理原則のようなものかとは思うのですが、ようやく、こういう当たり前のことに気付き、解決策を模索しているという、まさに、僕自身が、仕事を通じて、学習しているなあ、と実感しているのです。
 
 
 
”真の学習は、「人間であるとはどういうことか」という意味の核心に踏み込むものだ。学習を通じて、私たちは自分自身を再形成する。学習を通じて、以前には決してできなかったことができるようになる。
 
学習を通じて、私たちは世界の認識を新たにし、世界と自分との関係をとらえ直す。学習を通じて、私たちは、自分の中にある創造する能力や、人生の生成プロセスの一部になる能力を伸ばす。
私たち一人ひとりの中に、この種の学習に対する深い渇望があるのだ。
 
人類学者のエドワード・ホールが言っているように、「人間はずば抜けて優れた学習をする有機体である。学習したいという意欲は性的欲求と同じくらい強いが、学習意欲のほうが早くに芽生え、長く持続する」
 
 
まあ、簡単に言うと、人間って、学ぶの大好きなんだよ!ということ。学習意欲って、半端ない欲求なんだよ、と。性欲とかと同列に並べられるくらいに、人間ってやつは、新しいことを学ぶことに渇望しているのだ、と。
 
※マズローの欲求段階説で解説されるような低次元の欲求が満たされていない場合に、同レベルの欲求が求められているかはというのは、指摘されるところではあると思います。
 
 
 
”そして、これが「学習する組織」の基本的な意味である。つまり、未来を創り出す能力を持続的に伸ばしている組織ということだ。
 
このような組織にとっては、単に生き残るだけでは十分ではない。「生き残るための学習」──「適応学習」という名前で呼ばれることのほうが多い──は重要であるし、たしかに必要なものである。”
 
 
 
圧倒的に、共感したのは、ここです。
 
 
”学習する組織は、
未来を創り出す能力を
持続的に伸ばしている組織”
 
 
これだけ不確実性の高い時代には、何らか一定の知識を学習するだけでは、やはり心もとない。しかし、未来を創り出す能力を持続的に伸ばしていれば、そりゃあ、どんな市場環境になっても、成長させ続けられる可能性が高まるだろうな、と。
 
 
そして、「学習する組織」は、企業の成長のためだけではなく、社員(従業員)の幸福にも貢献していくと話を展開していきます。
 
 
詳しくは別の機会に譲りますが、「ティール組織」でも、語られている、現代の組織開発の最先端パラダイムの1つでもある「分散型組織」、ビジネス部門こそが、イノベーションを起こすということにも、言及なさっておりまます。
 
 
 
新しいタイプの組織──ビジネスの成功だけではなく従業員の幸福と成長のために尽くす、分権的で非階層的な組織──を築こうと努力している人も多かった。
 
中には、基本的価値観を自由と責任に置いた、思い切った企業理念を打ち立てていた人もいたし、革新的な組織設計を展開していた人もいた。どの人たちも、他のセクターには欠けていると私が感じていた、イノベーションへの決意と能力を共有していた。
 
私は次第に、開かれた社会の中でなぜビジネス部門にこそイノベーションが起こるのかを理解するようになった。
 
過去の考え方がビジネス・マインドにどのような支配力をもつ可能性があろうとも、民間セクターには、公共セクターや教育セクターにはない、そして往々にして非営利組織にも欠けている「実験する自由」があるのだ
 
また、ビジネス部門には明確な最終損益があるので、実験を客観的な基準によって評価することができる。少なくとも原則としてはそう言える。”
 
 
まだまだ紹介したい箇所が、山程あるのですが、長くなるので、今回は「経営にとって、もっともレバレッジが効きやすいリソースの1つである人財を、どのように活かしていくか?」という問いへに対して得られたヒントを纏めて、締めくくりたいと思います。
 
 
1,人間が渇望する学習意欲という強烈なエネルギーを活かすこと。性欲に負けない欲求レベルとのこと!ぜひ活用したいですねw
 
 
2,ビジネスのような定量的(客観的)なフィードバックが得やすい環境の中で、かつ、一人ひとりが自立・自走し易いシステムを創っておくようにする(例えば、分散型組織)こと!実験って愉しいですよね!
 
 
ともあれ、持続的成長を前提に経営していくのであれば、「未来を創り出す能力を持続的に伸ばしている」組織は、間違いなく追いかけないといけないと痛感させてくれる書籍でした。まだまだ学びがあったので、また後日に、アウトプットしていきたいと思います。
 
 
 
【目次】
 
第I部 いかに私たち自身の行動が私たちの現実を生み出すか……そして私たちはいかにそれを変えられるか
第1章 「われに支点を与えよ。さらば片手で世界を動かさん」
第2章 あなたの組織は学習障害を抱えていないか?
第3章 システムの呪縛か、私たち自身の考え方の呪縛か?
 
 
第II部 システム思考――「学習する組織」の要
第4章 システム思考の法則
第5章 意識の変容
第6章 「自然」の型―出来事を制御する型を特定する
第7章 自己限定的な成長か、自律的な成長か
 
 
第III部 核となるディシプリン――「学習する組織」の構築
第8章 自己マスタリー
第9章 メンタル・モデル第
10章 共有ビジョン
第11章 チーム学習
 
 
第IV部 実践からの振り返り
第12章 基盤
第13章 推進力
第14章 戦略
第15章 リーダーの新しい仕事
第16章 システム市民
第17章 「学習する組織」の最前線
 
 
第V部 結び
第18章 分かたれることのない全体