チームで人財の才能を発見し磨き上げること〜「学習力」と「実行力」を高める実践アプローチ〜


 

 
企業が持続的に成長していくためには、どうすれば良いのか?ある程度の成功を経験し、さらなる成長や未来を計画し始める歳に、何度も対峙する問いだろう。
 
そのような問いへの答えの1つとして、社員一人ひとりが協力し、相乗効果を生み出していくようなチーム力の強い状況を創る必要があると考えることも多いと思うが、かくいう僕たちも、そのようなことを話し合うことが多かった昨年。
 
本書は、「どういう条件が整えば、最高のチームになるのか」を追求するだけでなく、良いチームを創ることを目的化せず、複数の仕掛けが、折り重なって、初めて成果に繋げていけるということを、書き上げてくれている。
 
 
【本書で扱われる主なトピック】
 
●意見を言い合う、チャレンジする、協力しあう……「チームとしての当たり前」をなぜ実行できないのか?
●「心理的安全」を高めるリーダーシップ行動。
●「失敗から学ぶ」のは、なぜ難しいのか?
●学習しながら実行する VS 効率追求しながら実行する
●学習が止まると、組織の成長は終わる。
●優れた組織のリーダーは、毎日みずからにこう問いかける。●「われわれは何を学ぶことができるか。もっとうまくできることは何か」
 
 
 
””言うまでもないが、チームをつくることも、素晴らしく進歩した文化も、それだけで業績を改善させることはない。社員の新たな熱意とチーミング行動をパフォーマンス実績へ向けるためには、アイテルが注目している個人の成長と文化の変化を、明確に定められた目標やスキルと組み合わせる必要があるのだ。
 
なんらかの転換を図るときには必ず多くの問題と向上のチャンスがあるが、適度に明確な目標領域を一つに絞り、かかわっている人たちのモチベーションを何か測れるものへ向けるのがカギ〜””
 
社員の熱意が高いこと、その上でチームとして機能していること、その2つが重なり合って、パフォーマンスが高い状態を作り上げられていること。そのためにも、目標を明らかにすること、目標を絞っていること。
 
当たり前のことだが、どれだけの企業が、この当たり前のことを、やり切れているか?会社経営も、いかにスポーツやスポーツのように、シンプルなルールを用意していかないと。
 
 
””よいニュースは、学習しながら実行することは、およそどの産業においても必勝法になることである。
 
ルーチン業務の製造においてさえ、今日のベスト・プラクティスが明日のベスト・プラクティスであることはないのだから。
 
悪いニュースはそれがふつうとは言えない状態であることだ。そのように仕事をすると、結果を保証する指示が欲しいと思う気持ちと戦わなければならない。
 
あらゆるプロセスに改善される可能性があり、いくつかについてはすっかり入れ替える必要が出てくることも受け容れなければならない。””
 
 
個人が学びを積み上げていくことだけではなく、チームとして、組織として、学びを積み上げていくという仕組み、文化を創っていくことが、いかに大切化という示唆も与えてくれる。
 
 
””学習志向の文化は組織の貴重な資源である。しかしそうした文化を生み出すことはそれ自体が目的ではない。
 
学習する組織は、文化を変えようとすることではなく、従業員の新たな意識を仕事に集中させることによって生まれる、と私は言いたいのだ。
 
学習する文化は、新しい働き方──なおいっそう、相互依存し、ほかの人の仕事や必要性に気づき、向上しようとする働き方──を実践する副産物として現れるのであって、その逆ではない。””
 
あくまで、学習のための学習ではなく、より良い業績を作り上げるため、より良いチームを創るため、相互依存、相乗効果を生み出すためにも、必要なことなんだ、というところが、また肝要だとも感じます。
 
そして、より良い学習文化、より良いチームを創るために、僕たちが出来ることは、『人財の才能を発見し、磨き上げること』だろう。
 
 
””これからの最も成功するリーダーはおそらく、ほかの人たちの才能を伸ばせる人だ。””
 
 
2019年、””人々が安心して、意見を率直に述べ、互いから学び、試すことができる状況を整えると、生み出されるもの、達成できるものをぐっと広げられる””
 
こんな企業文化、経営システムを創っていけるよう精進したい。
 
 
 
 
第1部 チーミング
第1章 新しい働き方
第2章 学習とイノベーションと競争のためのチーミング
第2部 学習するための組織づくり
第3章 フレーミングの力
第4章 心理的に安全な場をつくる
第5章 上手に失敗して、早く成功する
第6章 境界を超えたチーミング
第3部 戦略実行しながら学習する
第7章 チーミングと学習を仕事に活かす
第8章 成功をもたらすリーダーシップ