「人を育てる」ではなく「人は育つ」〜すごい共感マネジメント〜


 
 
 
対立を避けずに、むしろ対立を活かして、不信頼を予防し、信頼を積み上げていくには、どうしたら良いだろう?という問いを持っている時に出会った書籍。
 
 
『共感』って、無意識的に出来ることも沢山あるけど、意識的、意図的に、『共感』を創っていくことも求められるなあ、と。
かと言って、『共感』を強いるのも気持ちが悪いし、意図的に『共感』を創りに行き過ぎるのも気持ちが悪い。
 
 
””現在でも「人を育てる」という気持ちではなく、「人が育つ」ことを信じて寄り添うという姿勢を貫いてきました。  
 
人を育てることができるという考えは思い上がりに過ぎず、人は自らの意思でしか成長しないと考えているからです。  
 
たとえば、植物である「ひまわり」の場合だとこうなります。  
 
土の中にひまわりの種を植え、水を与え、日当たりの良い場所に置くことは私にはできます。しかし、ひまわりの種から芽を引っ張り出すことは私にはできません。  
 
私にできることは、芽が出やすい環境を整え、サポートすることです。””
 
 
このように、マネジメントにおいて語られる文脈も近い構造にある。「人を育てる」ではなく「人は育つ」と。「共感させる」ではなく「共感する」と
 
 
””リーダーは、部下を評価したり評論するために存在しているのではありません。部下と共に戦い、導き、エネルギーを与える存在であり、最も身近で尊敬される存在でなければいけません。  
 
そのために大事なことが「共感力」──すなわち部下と本気で向き合い、部下の成長を本気で応援することによって、感謝され応援される関係──がリーダーに求められるマインドであると私は考えています。””
 
ついつい、自分の立場で物事を考えてしまうというのは、人間の性ですし、まあ、自然な慣性だと思うのですが、だからこそ、その慣性に抗っていかなければならないと考えさせられます。
 
 
 
少なくとも、独りよがりにならず、会社のしたいこと、自分のしたいことを押し付けるのではなく、部下や同僚のしたいことに寄り添い、互いのしたいことを重ね合わせていくことが肝要だと思うのです。それこそが、共感なんじゃないか、と。
 
 
””目標を達成するためには、小さな階段を1つずつ上り続けることが非常に重要になってきます。どんな成功者でも、一直線に見える成功への道のりは、肉眼では見えないぐらい小さな階段を毎日着実に上ることを愚直に繰り返した結果です。で
 
すから、「史上最高の売上高」という結果目標を達成するためには、「そのために毎日自分は何をするのか?」という行動目標が必要で、この行動目標が非常に重要になってきます。  
 
中でも行動目標によって、最大の敵である「自分の内なる声」に打ち克つ心が養われます。 目標達成を目指す過程では心技体の「心」が大切です。その心を強く育てるのが行動目標であり、継続できた期間の長さに比例して、心が強く育ちます。””
 
小さな一歩を積み上げていくことは、他人から見れば、大したことないわけなんですが、その一歩一歩は、時として、本人にとっては、とっても苦しい一歩かもしれないんですよね。
 
そういう一歩一歩に寄り添い、共感して貰えた時、自分の小さな一歩を見てくれている人がいると思えた時、凄い嬉しいし、そうしてくれた人に、強い信頼を感じるのではないかと思うんです。
 
 
””それは、「自分の可能性を自分以上に信じてくれる人がいることが、壁を乗り越える原動力になる」ということです。  
 
ずっと人と比べられてきたまま大人になった人が多い現代、自分の可能性を信じられない人はとても多いです。その経験から、私は人と人を決して比較しませんし、誰よりも関わった人たちの将来の可能性を本気で信じています。「私はあなた以上に、あなたの可能性を信じているよ」と話し、将来を疑う言葉や可能性の芽を摘むNGワード「どうせムリ」など決して言いません。  
 
奇跡的な成長を遂げる人の周りには、必ずその人の可能性を信じて疑わない人がいます。 幼い頃に可能性を信じてもらえた私は、信じる力の絶大な威力を使って大切な人たちを信じています。””
 
とても難しいことでもあるのですが、人間の可能性を信じること、自分以外の誰かの可能性を信じることは、自分の可能性を信じることにも繋がると思うんです。
 
 
自分のことさえ信じることは難しいわけですが、自分のためにも、仲間のためにも、人間の可能性を信じながら生きていくというのは、本当に大切なことであると思います。
 
 
””日々の仕事の中で、人に依存するのではなく自己責任で物事を考え、理想の自分に向かってとことん取り組むことで、強さとしなやかさが身についてきます。他人のせい、環境のせいにすることなく、自分の可能性を信じてとことん取り組む姿勢で日々を過ごすことが大切です。””
 
身も蓋もないようですが、究極的には、他責にせず、他人に寄り添い、自責スタンスを持っていければ、共感を得やすいのではないかな、と。ちょっと強いタイトルの書籍ではありますが、より良いチームを創るために、大切なスタンスを学べる書籍でありました。
 
 
 
目次
0 強い組織を作るリーダーとしての心構え
1 感謝を伝える
2 可能性を信じる
3 誤った行為を叱る
4 感情を共有する
5 チーム心を養う