素直に、謙虚に、自分の在り方、やり方を疑い直していく〜無理・無意味から職場を救うマネジメントの基礎理論〜


 

 
 
組織開発に対して興味を持ち始めて、最初に読み始めた書物だった気がする。こういう体系的、学術的な書籍は、けっこう敬遠するタイプなのだけど、これは、けっこう勉強になりまして、いや、かなり目からウロコで、繰り返し読み込みました。
 
 
””仕事は楽しい、という状態をつくる。つまり、 社員の内発的動機を高めると、社員は自ら頑張るようになり、長時間労働もいとわず、そのうえ辞めません。だからこそ、経営者や上司は、部下のやる気を大切にし、仕事が楽しくなるように、配慮しなければならないのです。””
 
 
当たり前じゃない?と思う人もいるかもしれませんが、自分の会社のメンバーの何%が、胸を張って『仕事は楽しい!』って言ってくれるだろうか?
 
 
””仕事そのものが楽しい人は、達成感や満足感に給料がついてくるような感覚を持っています。それに対して、お金のために仕事をしている人にとって、給料は労働の代償でしかありません。
 
持っている能力が同じだとすれば、どちらの働き方をしている人のほうが継続的な成果を出し続けられるかは明らかです。  
 
内発的動機を高く保てる人は、困難に直面してもそれを乗り越えることが達成感につながるので、粘り強く取り組みます。こうした人材が多くいる会社は、生産性も高くなります。
 
だからこそ経営者や上司は、人道的見地からというよりは、経営の基本として、働く人のやる気、マネジメント用語で言うところの「内発的動機」を高めていかなければならないのです。””
 
理論を学び、実践にしていくということを、2018年は、何度もトライした、トライ出来た。まだまだなんだけど、そういうステージに上がってきたと言うことも出来ると思います。
 
 
””モチベーションサイクルをつくることで、最終的には会社が儲かるという当たり前のことをマネジャーに理解徹底させていない ことです。
 
部下を育てることはマネジャーの役割ですが、会社は学校ではないので、それがゴールではありません。個人の高い能力と難関に立ち向かう気力の集積が会社を成長させるからこそ、マネジャーは部下個人のやる気を引き出し、仕事に意欲的に取り組んでもらう必要があるのです。
 
要は、「やる気」は手段であって目的ではないと、再認識してもらう必要があります。””
 
ターゲットは誰か?という当たり前のこと。マネジメントも、ターゲット別に施策が変わるべきですよね。当たり前なのですが、本当に納得しやすい言葉で、表現してくれている書籍です。
 
 
””実務場面できちんと制度化されているのは「評価~承認~報酬」の部分だけで、「機会~支援」については、自己申告やMBOなどの、目標設定的なことくらいしか決まっていないという企業がほとんどです。
 
その結果、上司が部下の「自主性を尊重する」と言いながら何もしていないといった状態が生まれてしまいます。どう機会を与えるか、どう支援するかについて、あまりにも制度が不足しているのです。””
 
あれゆる施策が、そうなんだろうけど、特に人事施策って、部分じゃ駄目なんだなあ、と、改めて痛感させてもらいました。
 
 
””「機会~支援~評価~承認~報酬」というモチベーションサイクルは、「満足要因の連鎖」とも言い換えることができます。その起点が「機会を与えること」です。  
 
うまい加減で部下の興味を引くような機会を用意できればよいサイクルが生まれますが、そのさじ加減が上司としてはわかりづらい。初めて部下を持ったような人であればなおさらです。”” 
 
””この「機会の与え方」について、明快に答えを出しているのが、エドウィン・ロックです。人はどのような目標を与えたときに、最大の成果を出すのか。研究の結果、1つの答えが導き出されました。
 
それは「できるかできないか、ギリギリの線」で目標を提示 したときだったのです。つまり、易しすぎても難しすぎてもだめ。「易しすぎ」には、他に逃げ道があることも含まれます(難題を回避しても、目標達成できる、ということはすなわち、易しい目標提示にほかなりません)。  
 
いわれてみれば当たり前かもしれませんが、上司としては悩むところでしょう。””
 
 
お恥ずかしい限りですが、2018年は、自己流のマネジメント、自己流のリーダーシップを見直し、改めて、素直に、謙虚に、自分の在り方、やり方を疑うことが出来た1年でした。2019年は、アンラーニングを徹底的に意識しながら、学び直し、徹底的に、仮説検証を行う『実践』の1年にしていきたいと思っています。
 
 

 

 

【目次】
◆第1章 なぜ企業は社員のやる気を大切にするのか
◆第2章 難しいのは機会の与え方と支援
◆第3章 組織をイキイキとさせる古典的理論
◆第4章 指令や判断の根源がコア・コンピタンス
◆第5章 見栄えのいいメソッドよりも錆びない基礎理論を