アルゴリズムの正体を見極めて生きていく。~僕らはそれに抵抗できない~


 

 

僕たちの身の回りに存在する多くのサービスは、その消費者にとって、なくてはならないもの、すなわち、ハマるもの、依存するものであるように仕掛けられている。

“”テクノロジーは便利で、速くて、あらゆることを自動で叶える。 だが同時に大きな代償も運んでくる。人間は、ある行動が1回限りなのか、それとも2回、もしくは100回繰り返すべきことなのか、そもそも一度も手を出さないほうがいいのか、反射的な費用便益計算を積み重ねて決めている。メリットがコストを上回るなら、同じ行為を繰り返さずにいるのは難しい。特にそれが神経学的にジャストなツボを押さえているとなれば、せずにいることのほうが不可能だ。 フェイスブックやインスタグラムにつく「いいね!」は、そうしたツボの1つになる。ワールド・オブ・ウォークラフトでミッションを遂行するのも、自分のツイートが数百というツイッターユーザーにシェアされていくのを見るのも、同様のこと。SNS、ゲーム、その他のインタラクティブな体験の創出・改良を仕掛ける側は、実に巧みにユーザーのツボをくすぐる。””

言われるまでもなく、意識し、意図的に遠ざけている人もいれば、人によっては依存することなく、程よい距離を置いて、そのサービスを利用しているかもしれない。

しかしながら、近い未来、あまりにも多くのデータが吸い上げられ、そのデータを活用されたサービス(アルゴリズム)によって、人間は、そのサービスから離れることが出来なくなるはずだろう。

何も疑わずに生きていくと、僕たちは、ますます、抵抗できなくなっていく。

だからこそ、そのアルゴリズムの構造を理解し、依存しないように気をつけることや、逆に、その仕組みを活用し、人生をより良い方向に持っていけるようにチャレンジしていきたいと考えている。

“”依存性のある体験がすべて自分の首を絞めてくるわけではない。理屈としては、依存症にさせる仕掛けをうまく活用すれば、健康的な食事をとる、定期的に運動する、老後のために貯金をする、慈善団体に寄付をする、一生懸命に勉強するといった行動を習慣づけることもできるはずだ。悪癖に ハマっている かどうかではなく、正しい行動に ハマっていない ことに着目するべき場面もあるのではないか。行動アーキテクチャの考え方は、そうした切り口からも役に立つ。悪い行動を減らす手段になるだけでなく、正しい行動を増やす手段として活用することもできるのだ。””