その決断が正解であるかどうかよりも、その決断を正解にしていく~1兆ドルコーチ~


 

 

なんというか、もっともっと40歳な自分は、きっと大人らしくて、背筋がピンと伸びていて、苦悩や挫折から程遠い時間を過ごしているものなのでは?と、20代の頃に思っていた、なんとなく。

しかし、もうすぐ齢40を迎える自分は、日々沢山の判断に迫られる中で、迷い、混乱し、困惑し、自信をなくすことも多い。

人生は選択の結果である、とはよく言われるが、振り返ってみると、あまりに多く分岐点があって、結局のところ、何が正解だったかなんて判断のしようがないということに気づく。

腹が座ったというか、真理に近づいたのだろうか。最近は、ようやく道が拓けてきたように思う。

自分が下した決断が正解であるかどうかよりも、その決断を正解にしていこう、正解にできるように尽力しようと、余計なことを考えることが減ってきた。

とはいえ、悩ましい判断は、これからも幾度となく訪れるはずなのである。

ある時、Aを選択しようが、Bを選択しようが、どちらも正解になり得るし、不正解になり得る。もちろん、重要な意思決定は、徹底的に多方面から考え抜くけれど、決意決断した後は、その選択を、ただただ正解にさせることに執着していけるようにしよう、そう考えるようになった。

そんなことを考えている今日この頃、コーチやメンターという存在は、本当に有り難く、尊いものになるのではないか。自分にも必要だし、自分の仲間たち、チームのメンバーたちにとっても、きっと決断を後押ししてくれるような存在は、とても心強いものになるだろう、なんてことを考えさせられました。

 

<以下、抜粋・コメントです>

 

”どんな会社の成功を支えるのも、人だ。マネジャーのいちばん大事な仕事は、部下が仕事で実力を発揮し、成長し、発展できるように手を貸すことだ。われわれには成功を望み、大きなことを成し遂げる力を持ち、やる気に満ちて仕事に来る、とびきり優秀な人材がいる。優秀な人材は、持てるエネルギーを解放し、増幅できる環境でこそ成功する。マネジャーは「支援」「敬意」「信頼」を通じて、その環境を生み出すべきだ。”

人が、最もパフォーマンスを発揮するためには、本当にセキュアな環境が必要であると実感する。

 

”これは重要なことだ。信頼とは、つねに意見が合うということではない。むしろ、信頼している相手には異を唱えやすいのだ。この二人のほかにも、ビルと仕事をした人たちから同じような話を数え切れないほど聞いた——ビルは信頼できる。彼の成功の原点はここにある。 ビルが本能的に理解していたことは、多くの学術研究によって裏づけられている——信頼はただ大切というだけでなく、実り多い人間関係を築くために、 何よりも先に 生み出さなくてはならないものだ。”

セキュアな環境に最も必要な1つが、チームメンバー同士の信頼関係にあると思うけれど、働く場所がバラバラになって、オンラインで、リモートで、テレワークで、いやはや簡単には強い信頼を築きにくくなっている。

 

”ビルが求めたコーチャブルな資質とは、「正直さ」と「謙虚さ」、「あきらめず努力を 厭わない姿勢」、「つねに学ぼうとする意欲」である。 なぜ正直さと謙虚さが必要かといえば、コーチングの関係を成功させるには、ビジネス上の関係で一般に求められるよりも、 はるかに 赤裸々に自分の弱さをさらけだす必要があるからだ。”

”正直で謙虚な人材を見きわめる コーチャブルな資質とは、正直さと謙虚さ、 あきらめず努力を厭わない姿勢、つねに学ぼうとする意欲である。”

常に学び続けようという好奇心によって、不必要なプライドみたいなものに、雁字搦めにならなくて済む気もする。正直に、謙虚に、在り続けることは、言うほど易しくないけれど。

 

”「誰かの言動に腹が立ってイライラしたら、いつも一歩下がって、彼らがうまくやっていることやよい面を無理にでも考えるようにしている。必ず何かしら見つかるから、人前にいるときはそれをほめる。建設的なフィードバックはできるだけ早く与えるよう心がけているけれど、相手が安全だと感じているときだけにする。自分は安全で支えられていると相手が感じていることを確認してから、『ところで』と言ってフィードバックを与える。この方法はビルに学んだ。彼はいつも相手の力になる方法でこれを行っていた」”

”ビルは質問をし、耳を傾け、尻を蹴飛ばしてから、ほとんどの場合、何をすべきかを指図 しなかった。ビルは、マネジャーはこうしろああしろと頭ごなしに言うもんじゃないと考えていた。何をするかを指図するな、なぜそれをやるべきかという物語を語れ。”

大切ですね。

 

”で、次のように指摘してくれた。 「私たちは親身になるべきか、厳しくすべきかのジレンマに陥ることが多い。社会科学者はリーダーシップについても、子育てについてと同じ結論に達している。つまり、それが誤った二分法だということだ。本当は親身になり つつ、厳しく挑戦を促すべきだ。高い基準と期待を示し、それに到達できるよう励ましを与える。いわば愛のムチだ。『人当たりの悪いギバー』は、表向きは無愛想で扱いにくいが、内心は相手のためを心から思っている。誰もが聞きたくないが誰もが聞く必要のある、批判的なフィードバックをあえて与える人たちだ」”

愛ですね。

 

”チャールズ・ダーウィンの著書『人間の由来』の一節だろう。「成員の多くが高い愛着心と忠誠心、服従心、勇気、思いやりを持ち、つねに助け合い、全員のために自分を犠牲にする覚悟がある部族は、ほかの多くの部族に対して勝利を収める。これが 自然淘汰 で ある」”

愛の力が強いチームは、進化していける、と。

 

”「人を大切にするには、人に関心を持たなくてはならない」。これは私たちがビルとの会話で何度か聞いた言葉だ。何かの古い名言のようだが、そうではない。少なくともネット検索では見つからなかった。よって私たちはここに著作権を主張する——「人を大切にするには、人に関心を持たなくてはならない」!”

愛の反対は憎しみではなく、無関心である、と。

 

”彼は愛情や思いやり、気づかい、やさしさの文化をつくりあげた。仕事以外の生活を持つ、まるごとの存在として人々を心から気にかけ、熱狂的な応援団長になり、コミュニティをつくり、できるかぎり人の頼みを聞き入れ、力を貸し、創業者や起業家のために心のなかの特別な場所を空けておくことによって、その文化を生み出した。 偉大なチームを偉大たらしめているものの一つは、愛である。”