LIFESPAN(ライフスパン)―老いなき世界



あっという間に2020年も終わりを迎えようとしています。11月にもなると1年の終わりを予感し、気付けば12月を迎え、慌ただしい1ヶ月を走り抜け、新たな1年の決意をする。やりたいことが山ほどあって、人生の尊さを感じることが増えました。年ですかねw


先日、ファイザーが、90%の予防効果があるというコロナワクチンを発表し、株式市場は狂喜していましたが、専門性の高い医療業界・バイオテクノロジーの世界は、極めて激しく指数関数的な進化を遂げているらしい、ということを本書LIFESPANからも学びました。


バイオテック最先端の世界で、どのようなことが行われてきたか(過去)、行われているのか(現在)、行われていくのか(未来)について。


白状しますと「直近の科学的視点で、●●な行動を取れば、健康寿命が延びやすいよ!」程度の情報を獲得できれば良いかな、程度の気持ちで読み進めていましたが、全くの期待はずれ、おもいっきり裏切ってくれました、良い意味で。

人類がより長寿になる、それも圧倒的に若々しく健康寿命を延ばせることは大前提、その上で、この世界が、この社会が、どのように変化していくか、僕たちはどのように生きていくべきか、について考えさせてくれる書籍でした。
もちろん妄信的に全てを鵜呑みにできるような情報ばかりではないのですが、それにしても、非常に興味深い思考実験をさせてもらえました。この週末は、偶然にも沖縄が誇るケラマブルーの世界を堪能しておりまして、この景色や自然を未来に遺していくことを、あれこれ考えさせてもらいました。



”私は約 25 年にわたって老化を研究し、何千本という科学論文を読んできた。そんな私にできるアドバイスが 1 つあるとすれば、「食事の量や回数を減らせ」である。長く健康を保ち、寿命を最大限に延ばしたいなら、それが今すぐ実行できて、しかも確実な方法だ。”


”1978 年には、 100 歳以上の住民が多いことで知られる沖縄で、生体エネルギーを研究する香川靖雄が 1 つの発見をした。沖縄の児童の摂取する総カロリー量が、本土の児童の 3 分の 2 に満たなかったのである。当時の沖縄では成人の総カロリー量も少なく、本土の成人より約 20% も低かった。沖縄の人々は長生きするだけでなく、健康寿命もまた長いことに香川は気づく。しかも、脳血管系疾患、悪性腫瘍、心臓病が非常に少なかった ”


”断食と運動を 組み合わせ たら、寿命は長くなるのだろうか? 間違いなくその通りだ。その 2 つをどちらもうまくこなせるなら、おめでとう、あなたの願いはじきに叶う。”


”ファインマンの言葉には、引用したくなる名言が非常に多いが、科学者がこの先もずっと座右の銘とすべきは次の言葉だろう。「何より大事なのは、けっして自分を欺かないことだ。そして、自分とは最も欺きやすい人間である」。”


”リプログラミングの安全性が高まって、予防目的でも使用できるようになると、倫理問題はより一層複雑になってくる。何歳でリプログラミングが行なわれるべきなのか。リプログラミングのスイッチを入れる抗生物質を処方されるには、まず何らかの病気を発症しなければだめなのか。主流の医師たちが支援を拒んだ場合、人々は海外を目指すことになるのか。この技術によって医療費が著しく削減されるなら、リプログラミングを義務化すべきなのか。”


”より長く健康な人生を子どもたちに与えてあげられるのなら、私たちにはそうする道義的責任があるのか。子どもの眼を治したり、脊髄の損傷を回復させたりするのにリプログラミングが役立つのなら、何も事故が起きないうちからリプログラミング遺伝子を体内に導入しておくべきなのだろうか。そうしておけば、いざというときにも救急車の中で抗生物質の点滴をするなどして、ただちにリプログラミングのスイッチを入れることができる。  ”


”疑問はまだある。敢えて老化することを選ぶ権利もすべての人に与えるべきなのか。それともその選択は、ほとんどのワクチンがそうであるように、個人と人類双方の利益を考えて判断されるべきものなのか。若返る選択をした人たちは、そうではない人たちのためにやはり医療費を支払わなくてはいけない? 人より早く家族の重荷になるのを承知のうえでリプログラミングを受けないのは、倫理にもとる行為になるのだろうか。”


”希望は私たちすべてにある。人間は男女を問わず、 115 歳より長く生きられるのを私たちは知っている。過去にはいたし、これからだって現われる。たとえ 100 歳の誕生日までにしか届かないにしても、八十代と九十代を素晴らしい時代だったと振り返れる人生を送るのは夢ではない。”


”私たちは、病気の発見・診断・治療のやり方が根本から新しくなる世界に向かって進んでいるということだ。「まず症状ありき」という欠陥あるアプローチはまもなく変わろうとしている。私たちは症状の先回りをするのだ。ずっとずっと先まで。さらには、「なんとなく調子が悪い」の先も行く。明確な症状として現われる前に、遺伝子を調べることで判明する病気はたくさんある。きわめて近い将来には、事が起きる前に個人の DNA をスキャンしておくことが、歯を磨くのと同じくらい当たり前のものになるだろう。いつのまにか医師たちは、「もっと早く見つかっていれば」という言葉をあまりいわなくなっているのに気づく。ついには、そんな言葉をいっさい口にしなくなる日が来る。”


”高齢の有権者は高齢の政治家を支持する。現状を見ると、政治家たちは七十代や八十代で引退することを頑なに拒んでいるかのようだ。”


”高齢者が多少偏った考えに囚われていても、「昔はそうだったから」といって私たちはたいがい大目に見ている。そこには、我慢するのもどうせ長いことではないという思いも働いている気がする。ところが、六十代の有権者が、あと 20 年や 30 年ではなく 60 年か 70 年先まで投票を続けるとしたらどうだろうか。サーモンドのような男が、半世紀どころか 丸々 1 世紀 のあいだ議員の椅子から離れなかったら?”


”健康な 寿命を延ばすことができれば、社会の投資は何倍にもなって戻ってくる。労働力として貢献できる期間が長ければ長いほど、その見返りは大きい。だからといって、人が仕事をし続け なくてはいけない といっているわけではない。社会からの投資を返し終えたら、そして自活できるなら、気の済むまで好きなことをすればいいと思う。ただ、今よりずっと長く健康でいられる生物へと私たちが進化していくにつれて、どういう人が働くべきかという古い固定観念がたちまち改められていくのは間違いない。”


”労働市場はピザではない。切り取れるピースの数が決まっているわけではないのだ。誰もが 1 切れもらうことができる。それどころか、男女を問わず高齢者の労働参加が増えることは、社会保障制度の破綻という懸念を解消する特効薬になるかもしれない。制度を維持するための答えは、人々を 無理やり 長く働かせることではなく、働きたい者が働くのを 許す ことである。元気なまま数十年間長く仕事をし、それに伴う給与と敬意とメリットを得ることができるなら、そうしたいと願う人は大勢いる。しかも、意味ある仕事を通して、人生の目的を見出すことができるのならなおのことだ。”


”健康寿命が延びたときに社会がどんな恩恵を受けるかを考えるとき、この側面が注目されることはほとんどないかもしれない。しかし、これこそが最も大きなメリットとなる可能性を秘めている。時間が刻々と過ぎていくのがそれほど怖くなくなれば、 ことによると 私たちは急ぐのをやめ、深呼吸をするようになるのではないか。”


”私たちがどれだけ長く健康でいられるようになっても、地球の資源を消費し尽くして身を滅ぼしてしまったら元も子もない。すべきことは明確である。人の寿命が長くなるかならないかにかかわらず、消費量を減らし、革新をさらに推進し、自然の恵みとバランスのとれた関係を築くのだ。それ以外に私たちが生き延びる道はない。”


”私はこれを変えたい──ほかの何にも増して。自分の孫はもちろん、その子どもにも孫にも間違いなく会うのだと、すべての人が思えるようにしたい。いくつもの世代が共に暮らし、共に働き、共に決断を下す。私たちは 今の生に対して 責任を負うのだ。なぜなら、過去に下した決断が未来に影響を与えていくからである。私たちには、家族の、友人の、そして隣人の目をまっすぐに見て、彼らが生を享ける前に自分たちがどう生きてきたかを説明する務めがある。”