本音でぶつかることで新たな視座を手に入れる。


堀江さんの考え方やスタンスには、賛否両論あり、そもそも、凡庸な人間が、堀江さんと同じように振る舞ったところで、やっぱり傍若無人と捉えられるだろう。穿った見方をすれば、堀江さんのような努力、才能ある人間だからこそ、許される、許容されるようなことも多い。

しかし、そんなこと言っていたら、変わらないよ、というのが本書。

堀江さん自身のアイデアというより、世の中に、そういう輩が多く、つまり、本音で生きたいのに生きられていない人が多いので、このような本を書いたら、きっとヒットしますよ!みたいな提案があって生まれたであろう書籍。

確かに、この手の本を手に取っている時点で、自分の軸が定まっていない半人前っていうレッテルが張られても仕方がない節がある。分かっちゃいるけど、なかなか行動に移せない、そんな人達のための啓発本。

そして、何より笑ってしまうのが、本書の書き出し部分で、本人から、こんな本音が、御丁寧に付け加えられている点。

“”【堀江貴文の本音】 でもやっぱり、「本音を言えない」「やりたいことができない」と考えている人って「キモッ」って思うところもある。言いたいことは言えばいいし、やりたかったらやればいい。本当にやりたかったり切羽詰まっていたりしたら、もう動いているはずなので、こんな本を読んでいる場合ではないだろう。この本は言葉が過ぎているところもあるし、余計なお世話と思われるかもしれない。まあ、パッと読んで、気づいて、この本は捨ててしまう、くらいが、やっぱり一番いいと思う。””

肝に銘じたい。

 

【抜粋】

● どんな時も「相手に尽くす」ことが重要だと思っているが、それは「馴れ合い」とは違う。馴れ合うために与えるのではなく、目的を持った者同士が目的を達成するために与え合うのだ。

● 「お互いの価値観が異なっていることがわかる」というのは、とても大事なことだ。なんとなくわかったふりをして終わるのと、たとえ自分の価値観と違っていても、しっかり相手の意見を聞くのとでは、どちらが「相手のことを知る」ことになるだろうか。

● 対談だけでなく、ソーシャルメディアでも積極的に人とぶつかり合おうとしている。それは、その人が嫌いだからだとか、人格を否定するためではない。違う意見を持った者同士がぶつかることで、新しい発見があるからだ。

● お金は、信用という複雑な存在を、単純な数値に落とし込んだツールである。信用の一側面ではあるものの、信用そのものではない。何度も言うが、大事なのは信用であって、お金ではないのだ。

● だから、まず貯めるべきはお金ではなく、信用ということになる。人から何か頼まれたら、期待に応えるように尽くす。金欠の知り合いに、飯をおごる。そうした行為の積み重ねが信用を築いていく(しかも、そもそも起業に関する金銭的ハードルは、今では大分下がっている!)。

● プライドをなくそうとすると、慣性がついて、どんどんプライドがなくなる方向に進む。  一方で、プライドの高さに慣性がついて、どんどん、どんどん高くなる人もいる。そうして、すごく気難しいおじいさんや、おばあさんになっていく。

● 人間なんて誰でも一緒。ちっちゃいプライドで、身動きがとれなくなってしまう。本当に「あなたのことなんて、誰も見ていない」のだから、気にせず、言いたいことを言って、やりたいことをやればいい。  プライドを低くすれば、すべてうまくいくのだ。

● 飛びついた結果がどうなるのかなどわからないが、確実にいえることがある。ノリのよい奴には、あちこちから声がかかるようになり、加速度的にいろんな経験ができるようになっていくのだ。

● 情報をインプットし、アウトプットし、「考えること」を繰り返す。ボーッとするのではなく、自分の時間を思考で埋めていくと、ある瞬間に解決策やアイデアがふっと浮かぶようになる。自分の脳を情報と思考で埋めれば、どうでもいいことで悩んでいる暇などなくなってしまうはずだ。

● 僕は人間関係についても新陳代謝を強く心がけている。  毎月新しい知り合いを一人作ろうとか、年齢も性別もバックグラウンドも違う人と仲良くしようとか。  僕もそうだが、たいていの人は、ついつい同じ人とつるんでしまう。安定した人間関係を築いて、その関係をずっと続けていこうとする。

● 今までとはまったく違うタイプの知り合いを毎月一人でも作るようにすればいい。今まで会ったことのない人と知り合いになれば、そこにまた新しい何かが生まれる。

● 新しい出会いの場には必ず行くと「決めて」いる。決めたんだから、行く。これは新しいことをする時に共通するが、決めれば「やる」ものだ。  面倒くさいという気持ちが起こったとしてもそんなものは無視すればいい。場所に出向いて、自己紹介をして……というプロセスを進めていくうちに、いつの間にか面倒くさいという気持ちも忘れてしまっている。

● 僕は昔から、与えられた以上の価値を必ず相手に与えるようにしている。仕事でいえば、無茶に思える依頼であっても、知恵を絞って取り組み、相手の期待以上のものを仕上げてきた。


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