潜在意識を使う習慣を身につけられているか


昨年末くらいだったろうか、Kindleセレクト25から選出。
自分の物の見方を、自分が考えている以上に、抜本的に変える必要があると感じていた時期に、手にとった一冊。
いかに自分の視点、視野、視座が固定されているのか、ということを、自分に言い聞かせて言い聞かせすぎることは無い、という気がして、多読を再開しようしたのも、この時期。

類書は、山ほどあっても、言葉の使い方、活用方法、自分のコンディション次第でも、受け止め方が変わるなあ、と実感。
例えば、スティーブ・ジョブズの有名なこの習慣も、潜在意識をうまく活用していた事例じゃないかな、と思う。

“”17歳のとき、こんな文章を読んだ。『毎日、今日こそが自分の最後の日だと思うようにすれば、いつの日か、自分が正しかったということを確信するだろう』この文章は、強烈な印象を私に与えた。

それ以来33年間、私は毎朝、鏡に向かって『もし今日が自分の最後の日だとすれば、今日しようと思っていることが、本当にしたいことだろうか?』と自問するようにしている。もしその答えが「ノー」だという日が何日も何日も続くようであれば、何かを変える必要があると思うわけだ。””

【抜粋】
● 無意識に自分が正しいという前提で、他者と関わり、他人を○×しやすい傾向があるのです。潜在意識にもアプローチできていないため、自分の思い込みに気づかず、経験・体験したことはすべて事実と思ってしまうので、コミュニケーションを取るたびにズレが広がり、人間関係は悪化。自己変化に目が向かないので、悪いことやイヤなことはすべて人のせい、環境のせいにしがち

● 一方で、人間関係をうまくつくれる人は、異なる意見や考え方を楽しめる自由な観点を持っています。人の話を前向きに聴く姿勢があり、「すべては自分次第」と物事を考えることができます。  潜在意識にアプローチして自分の判断基準を自覚できているため、成長スピードも速いのが特徴です。自分が経験・体験して思ったことが必ずしも事実とは限らないことを理解しているので、折に触れて自分の認識と相手の認識をすり合わせ、事実を確認する習慣もできています。

● 相手の話を聞いているつもりで、じつは思考がいろいろなところに飛んでしまっている。そんな状態を、「考えのお散歩」と呼んでいます。

● 同じ視点というのは、「相手の立場(観点)」「背後にあるイメージ(判断基準)」「ものの見方(認識)」をちゃんと理解して人と接するということ。

● 《「法則」:一般に学問・理論と呼ばれるもの》  パターンを発見し、それを実験などを通して証明でき、他者が同じことを試しても再現性があると科学として認められます。  このように、特定の分野で立証された智恵は「法則」と呼ばれるようになります。  ただし、植物学は経済学を扱わず、金融工学が分子生物学を扱わないように、ある特定の分野に対して通用する法則なので「部分的な法則」といいます。たくさんの「やり方」を覚えるより、たった1つの「法則」を学ぶほうが効率的なのです。

● 4つのステップ(理解→実践→感覚→習得)
《ステージ0 「考えグルグル」》  事実ではなく、自分の思い込みを前提に思考が堂々巡りしている状態。妄想や被害者意識が強くなり、意志疎通が難しいメンタル不全に近い意識状態です
《ステージ1 「観点固定」》  自分の経験・体験に基づいた考え方や価値観だけをベースにコミュニケーションを取っている状態。新社会人は普通この状態からスタートします
《ステージ2 「立場チェンジ」》  相手の背景にある考えや立場、状況などを理解して対話できる状態。自分の判断基準やアイデンティティーの形成過程を自覚して、そこにとらわれなくなると、自分の観点だけに固定されず、相手の立場に立つことができる。  リーダーや管理職など、人の上に立つ仕事をしている方には相手の立場に立つことのできるステージ2の方が多いです
《ステージ3 「マインドフルネス」》  目の前の事象に対して判断を加えず、「いまここ」を認識できている状態。  心に余裕があり、安定しているので、多様な価値観の相手を受け入れることができ、異なる価値観の人とも協力関係を築くことができます。  ほとんどの新社会人は、自分の経験・体験に基づいた考え方や価値観だけをベースにコミュニケーションを取る「観点固定」の状態ですが、成長するためには、その状態に自分がいると気づくことがとても重要です

● 仕事ができる人は、相手の立場に立てる(相手の観点に移動できる)人が多いと感じませんか?  相手の言葉の背景にある階層(感情やイメージ)を観ることのできる視点を持つことは、成功への近道でもあります。  自分の観点(ものの観方)に気がつかないで、勝手な思い込みのうえに思い込みを重ねて思考が堂々巡りを始めると、不安、不信がつのり、恐怖感が強まってきます

● 「マインドーム」とは、「マインド(心)」と「ホーム(家)」を合わせた観術の造語で、人間がそれぞれ持っている「判断基準」を指します

● それぞれの思い込みによって、目の前の事実の一部分だけを切り取り、自分に都合のいいように解釈して、「やっぱり思ったとおりだった!」と自分を納得させる。  これは、言ってしまえば「脳の手抜き」です

● ただし、出会ったばかりの頃に一度相手にレッテルを貼ってしまうと、相手の本来の姿をそのまま100%で見れなくなります。つまり、相手の表面に現れている1%の部分だけを見てコミュニケーションをしてしまうので、99%の潜在意識を深く理解することから遠ざかってしまうのです

● 私は不意に運転手さんから「お昼はどこで食べましたか?」と質問されました。  突然のことに「?」と思っていながらも答えると、さらに「お昼代はいくらぐらいでしたか?」と聞かれたのです。きっと、みなさんも自分がタクシーに乗って、運転手さんからいきなり「お昼に何を食べていくら使ったか」と聞かれたら「なんで?」と思いますよ

● 人間関係をつくっていくには、知って理解する(=「Know」)、実際にやってみる(=「Do」)、一連の流れを体感する(=「Feel」)、最終的に自分のものにする(=「I am」)というプロセスがあります

● 潜在意識を変化させるには、
▶ステップ1
①自分の言動や思考のパターンを観察する
②パターンの裏に潜む判断基準(マインドーム)を発見する
③その判断基準ができた背景(過去)を知る
▶ステップ2
④過去を事実と解析に分けて整理する
⑤事実は変化しないので、解析を変化させる
▶ステップ3
⑥新しいイメージ・アイデンティティーがつくる未来をイメージする
⑦日常で新しいイメージ・アイデンティティーを選択する

● 思い込みを変えるには、自分の認識を変える必要があります。  たとえば、目の前にあるものをありのままに見ることです。潜在意識を通して、あなたが世界をどのように見て、どんな関わり方をしているか。すべてあなたが自分で選択し、その通りの結果になっているわけです。「結果」だけではなく、「原因」にも目を向ける  自分自身の潜在意識が現実をつくりだしているわけですが、なかには自分でつくった覚えもないのに「なぜ私がこんな目に遭わなければならないのか」と感じることも多々あるかと思います。しかし、現象や結果にちゃんと原因があるように、理不尽に思える出来事も、じつは潜在意識のなかに、その原因があるのです。

● 表面上の言動だけを見ていると、「単なる、その人の考え」にしか見られないものが、潜在意識を開くと「それなりの理由」があることが見えてくるのです。  それにも関わらず、多くの人が自分のマインドームから出ずに、相手の表面だけを見て、自分の潜在的な価値観や判断基準とだけ照らし合わせて「許せない」という感情を持ってしまっています。

● 日常で新しいイメージ・アイデンティティーを選択する  最後にやる作業は「選択と決断」です。古いイメージとアイデンティティーがつくる最悪の未来にしたいのか、新しいイメージとアイデンティティーがもたらす幸せな未来にしたいのか、熟慮したうえで決断してください。

● 観点が違うと同じ人物であっても「選考の対象(会う価値がない人)」と「インタビュー対象(会う価値がある人)」というほどに、意味や価値が変化します。その対象に対する意味や価値を決めているのが「観点」なのです。どのような観点で対象を見るかで、相手のアイデンティティーや存在価値が変わります。

● あなたが提供している商品やサービスを必要としている人は必ずいますが、「売ること」を目的として出会うのではなく、その商品やサービスを通じて「どんな人を救いたいのか」に焦点を当てれば、より多くの人の共感を集め、同じ問題意識を持った仲間が集まるようになってくるでしょう。

● このように相手との距離を無理なく縮められる人に共通しているのは、自分が他者からどう認識されるかをちゃんとわかっている点です。自分と他者のアイデンティティーに対する認識がズレないように、相手の観点や判断基準と「認識画面」をイメージしながら行動しています。

● 普段から、自分のことを気にかけてくれて、仕事以外の話にも付き合ってくれたり、いろいろ親切にしてもらっている相手からの頼みごとであれば、仕事としてだけでなく「相手のために」という受け取り方をしてもらえます。  つまり、その「仕事が大事だから」というよりも、「相手が大事だから」頼まれごとを引き受けてもらえるわけです。

● 一流の建築家が決して尋ねないこと  人生でいちばん大きな買い物と言われるマイホームを建てるとき、一流の建築家が決してクライアントに聞かない質問があります。それは何でしょうか?  それは「どんな家に住みたいか」という質問です。  プロによると「お客様は、自分がどんな家に住みたいのかをじつは知らない。漠然としたイメージはあるけれど、設計図に落とし込めるほど詳細で具体的なイメージまで持っているクライアントはいない。だから、我々プロが質問を通して、相手が望んでいるライフスタイルを理解するところから始めるのです」ということでした。

● 潜在意識を開拓する時代  今の日本と世界を見渡すと、本格的な少子高齢化の影響を受けて国家財政は破綻の危機にあり、新しい産業を興して若者の雇用を創出しなければ、国として立ち行かなくなっているのが先進国に共通する課題

● なかでも心と体の健康に関連した医療・介護などにかかる国家予算の規模は毎年増える一方で、このままでは2020年までに日本は財政破綻をするのではないかという報道もありました

● 時給1500円で働くペッパーの登場で、ロボットやアンドロイドが人間の仕事を奪うのではないかという懸念の声もあがっています。車椅子の天才物理学者スティーヴン・ホーキング博士、テスラモーターズやSpaceXを起業したイーロン・マスク、そして、かのビル・ゲイツまでもが、人類はAI(人工知能)によって滅びると論じるようになってきています

● 2015年12月から社員の心の健康を保つためにストレスチェックの義務化が始まりますが、今から始まる「心の健康」市場を担うのは、本書の内容を活用される読者のみなさんにほかなりません。  日本ではマズローの欲求五段階の「認定欲求」のレベルにまで経済と文化が発展し、今は誰もが「愛されたい」「認められたい」と感じている時代です。  しかし、心の問題を科学的に扱い、さまざまな需要に対して答えられるだけのサービスは、まだ数多くありません

● これまで目に見えなかった潜在意識を可視化することで、「心の健康」産業の開拓が進んでゆけば、若者を中心に新たな雇用を創出でき、医療費の削減を通して財政破綻の危機を回避し、いじめや凶悪犯罪の少ない、明るい未来を子どもたちに残せます。  これからの時代に本当に必要な仕事は、「今の時代に生きる人たちをどれほど感動させ、いかに多くの愛と尊敬を得ることができるのか」がポイントになります

※世界が一瞬で変わる 潜在意識の使い方 石山 喜章 (著)


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