未来に希望を持つために~人類10万年史~


 

今、最も興味のある領域に対して、非常に明快な1つの方向性を提示してくれた骨太な一冊。

 

 

想像を超える速度で進化するテクノロジーは人間を幸福にするのか? 人類の歴史を紐解けば、未来に対して悲観的であることは珍しくない。 例えば、今朝、下記のようなニュースがバズメディアに取り上げられていた。

 

【引用】笑い飛ばせない……AIロボットが「人類を滅亡させる」と発言

 

AI

 

『I will destroy humans !』

 

ありがちではあるが、非常に現代的で、現代に生きる僕達は、 このようなニュースを見聞きし、臆病にならざるおえない。 しかしながら、結果として、 人類は、そのような悲観的予測を悉く翻してきた。 ところが、悲観主義者をただ無下に扱き下ろすようなことはしない。

 

筆者は、未来に牧歌的であるべき、 というような無責任な楽観論者ではなく、 数多の課題や問題はあれど、挑戦し続けることを前提に、 未来に対して「あえて」楽観主義であろう!と括る。 生物学や進化、歴史、社会、経済などじつに多様な観点に立って著された本書の説得力は強く、するどい。未来に希望を持ちにくいと悲観的になっている方に、おすすめの一冊。もちろん楽観主義者にも。

 

【抜粋】

 

● テクノロジーにとって交換は、進化にとっての生殖に匹敵する。交換は斬新さを生む。

 

● 交易を実現させるのは人間の優しさという良き性質なのか、それとも、利己心という悪しき性質なのか。かつて、「アダム・スミス問題」と呼ばれるドイツの哲学的難問があった。それによれば、アダム・スミスの二冊の著作のあいだには矛盾があるという。スミスは、一冊では、人間は本能的な思いやりと善良さを与えられていると書きながら、もう一冊では、人間はおもに利己心に衝き動かされていると述べているのだ。「人間はどれだけ利己的であると思われていようと、その本性に何らかの道徳基準が備わっているのは明らかであり、そのおかげで私たちは他者の境遇に関心を抱き、また、他者の幸福が自らに欠かせなくなっている。他者の幸福からは、それを目の当たりにするという喜び以外には何一つ引き出せないにせよ」とスミスは『道徳感情論』に書いている。

 

● イノベーターの仕事とは「共有」することなのだ。彼らがすることのなかでいちばん重要な行為は共有することで、それがなければ、イノベーションは彼らにも他の人にも何ももたらさない。そしておよそ一八〇〇年からひときわたやすくなり、近年に劇的にたやすくなったものがあるとすれば、それは共有という行為だ。旅行と通信によって情報がより早く、より遠くまで広がるようになった。新聞や技術雑誌、電信によってアイデアは噂話と同じくらい早く広まる。

 

現代社会の真価は途方もないスケールの「つながり」にある。世界中のアイデアが相手かまわず生殖している。

 

● ほとんどすべてのテクノロジーは雑種なのだ。

 

● 本書では「人間とほかの動物の違いに取り組む」と宣言し、「人間が自らの生き方をこれほど激しく変え続けられる原因はどこにあるのだろう?」と問い、生物学や進化、歴史、社会、経済などじつに多様な観点に立って著したのが、この『繁栄』だ。

 

● 歴史は円ではなく螺旋を描いて繰り返しており、善または悪に振れる底知れぬ能力を備えてはいるものの、その歴史を刻んでいるのは変わらぬ性質を持つ人間だということではないだろうか。さまざまな挫折がこれからも起きるであろうし、各人はみな同じような進化した不変の性質を持っているにもかかわらず、人類はその文化を拡げ、豊かにし続けていくだろう。二一世紀は生きるのにすばらしい時代となる。  あえて楽観主義者でいようではないか。

 

 

 


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