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戦略を、実行できる組織、できない組織。~組織の存続のために必要な「最重要目標にフォーカスする」~

ここ数年、リチャード・ルメルトの「良い戦略、悪い戦略」を繰り返し読み直す。

”良い戦略とは最も効果の上がるところに持てる力を集中投下することに尽きる。短期的には、手持ちのリソースを活かして問題に対処するとか、競争相手に対抗するといった戦略がとられることが多いだろう。そして長期的には、計画的なリソース配分や能力開発によって将来の問題や競争に備える戦略が重要になる。いずれにせよ良い戦略とは、自らの強みを発見し、賢く活用して、行動の効果を二倍、三倍に高めるアプローチにほかならない。~良い戦略は、知力やエネルギーや行動の集中によって威力を発揮する。ここぞという瞬間にここぞという対象に向かう集中が、幾何級数的に大きな効果をもたらすのである。これをテコ入れ効果(レバレッジ)と呼ぶ。”

そして、昨年11月、僕たちは、集中戦略と称して、あまりにも分散していた多数の事業やプロジェクトを苦渋の決断で撤退することを決めた。分かっている、分かっちゃいるのだけど、トライしてみればみるほど、言うは易く行うは難し、だと痛感する。筋の良い戦略を掲げた後、次に、その戦略を、どう実行するか?に挑み続ける必要がある。そこで出会ったのが本書である。

””人間は遺伝子的に一度に一つのことしか完璧にできない。これが第1の規律で働いている基本原則である。あなたはおそらく、自分はいくつもの仕事を同時に進められる、一度にたくさんのことができる、と思っていることだろう。しかし、最重要目標には最大限の努力を注がなくてはならないのだ。  アップル社のスティーブ・ジョブスは、やろうと思えば、もっと多くの製品を市場に出せただろう。しかしジョブスはいくつかの「最重要」製品に焦点を絞った。彼のフォーカスは伝説となった。彼が出した結果もまたしかり。人間の脳が一定の時間に集中できるのは一つの対象だけだということは、科学が証明している。どんなに頑張っても、車を運転しながら携帯電話をかけ、同時にハンバーガーを食べることはできない。最重要の企業目標をいくつも一度に操ることも、無理な話なの~””

””リーダーの悩み  ここで、大きな疑問が生じる。目標を絞り込むよりも増やすほうへとどうしても傾いてしまうのはなぜなのか? 絞り込む必要性は十分にわかっていながら、いざとなると絞り込めない。なぜなのか?  リーダーであるあなたはこう答えるかもしれない。改善しなければならないことはたくさんあるし、追求したいビジネスチャンスも毎日次々と生まれるからだ、と。それに加えて、他の人たち(そして彼らの計画)があなたの目標を増やす可能性もある。他の人というのが組織の上層部の人間だったらなおさらである。  しかし、これらの外的な力よりも頻繁にほとんどの問題の発端となっている原因がある。何を隠そう、それは「あなた」である。  あなただって悪意から問題を起こしているわけではないし、むしろ善意で頑張っているのだろう。しかし本当の意味で、自分の最大の敵は自分なので~””

あまりにも、ありふれた表現をすれば、緊急ではない重要なことに、どれだけフォーカス出来るか、仕組みを作ることにある。この仕組みが、どういうものであれば良いかを、丁寧に解説してくれている本書は、今の僕、僕たちには、とても示唆に富むシンプルなルールが沢山書かれていた。有り難い限り。

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Generative AIによる以下一部抜粋を受けた書評

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組織の存続のために必要な「最重要目標にフォーカスする」

Introduction

竜巻と戦略目標を混同するリーダーが多い現代において、「最重要目標にフォーカスする」という第一の規律は、組織の存続に不可欠なものである。竜巻は急を要する仕事であり、重要な目標と緊急の仕事が衝突すると、緊急の仕事が優先されることが多いため、最重要目標を絞り込むことが重要である。本記事では、最重要目標にフォーカスすることが組織にとってなぜ重要なのかを探りながら、第一の規律について詳しく見ていく。

竜巻と戦略目標はまったく別物である

竜巻は急を要する仕事であり、前進するために設定した目標と衝突することが多い。しかしながら、多くのリーダーは、竜巻と戦略目標を混同してしまっている。竜巻は組織の存続に必要なものであるが、戦略目標とはまったく別のものであり、時間、資源、労力、注意を奪い合う敵対関係にある。この闘いでどちらが勝つかは明白である。竜巻は常に存在し、あなた自身やあなたのチームのメンバーに常に影響を及ぼしている。最重要目標を絞り込むことが、竜巻と戦略目標を区別するための第一歩である。

最重要目標にフォーカスする

最重要目標にフォーカスすることで、チームのエネルギーを最も重要な目標に集中させることができる。やることを増やせば増やすほど成果は上がらない。頭の切れるリーダーであっても、良いアイデアがあれば手を出したくなるものである。しかし、良いアイデアはいつでもたくさんあるため、最初に最重要目標を絞り込むことが必要である。フォーカスは自然の原理であり、一本一本の太陽光線に火を起こすエネルギーはない。しかし虫眼鏡で一点に集めれば、ものの数秒で紙を燃やしてしまう。同様に、チームのエネルギーを最も重要な目標にフォーカスさせることで、達成することができる。

結論

最重要目標にフォーカスすることが、竜巻と戦略目標を区別するための第一歩であり、組織の存続に不可欠であることがわかった。竜巻は常に存在するため、最重要目標を絞り込むことでチームのエネルギーを集中させることができる。フォーカスは自然の原理であり、最重要目標にエネルギーを集中させることで、組織の存続に重要な役割を果たすことができる。リーダーは最重要目標を見極め、チームのエネルギーを集中させることで、組織を成功に導くことができる。

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一部抜粋

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””多くのリーダーは、竜巻と戦略目標をほとんど区別していない。どちらも組織の存続に必要だからである。しかし、竜巻と戦略目標はまったく別物である。それだけではない。時間、資源、労力、注意を奪い合う敵対関係にある。この闘いでどちらが勝つか、言うまでもないだろう。  竜巻は急を要する仕事である。あなたにも、あなたのチームのメンバーにも、四六時中のしかかっている。前進するために設定した目標は重要だが、緊急の仕事と重要な仕事が衝突すれば、毎回必ず緊急のほうに軍配が上がる。この構図に一旦気づくと、新しいことを実行しようとしているチームのいたるところで繰り広げられる緊急と重要の闘いが見えるだろ””

””第1の規律:最重要目標にフォーカスする  やることを増やすほど成果があがらないのは、ものの道理である。だれもが経験している避けられない明白な原則である。しかしほとんどのリーダーは、どこかでこの原則を忘れてしまっている。なぜだろう? 頭が切れ野心的なリーダーは、もう十分知っていることでも、手を出したくなるからだ。最高には到底及ばないが、そこそこ良いアイデアがあったとする。あなたはそのアイデアをきっぱり無視できるだろうか? 困ったことに、良いアイデアというのはいつでもたくさんある。あなたとチームが実行できるキャパシティにはとても収まりきらない。したがって最初の課題は、最重要目標を絞り込むことである。  フォーカスは自然の原理だ。一本一本の太陽光線に火を起こすエネルギーはない。しかし虫眼鏡で一点に集めれば、ものの数秒で紙を燃やしてしまう。同じことが人間にも当てはまる。チームのエネルギーを最も重要な目標にフォーカスさせれば、達成できないわけが

””第1の規律:最重要目標にフォーカスする」では、あなたはこれまでのセオリーに立ち向かわなければならない。チームがより多く のことを達成するために、リーダーはより少ない ことにフォーカスするのである。何もかもを一度に大幅に改善しようとしても、どだい無理なのである。第1の規律を導入するときは、本当に重要な目標を一つ(多くて二つ)を選ぶ。これを最重要目標(Wildly Important Goal:WIG)と名づけて、何よりも重要な目標であることをチームにはっきりと示す。その目標を達成できなかったら、他のどんな目標を達成したところで、たかが知れている。ほとんど何の効果もないと言ってもいいだろ

””第2の規律:先行指標に基づいて行動する  これはレバレッジの規律である。すべての行動が等しい力をもつわけではないという簡潔明瞭な原則に基づいている。目標達成に直結する活動もあれば、いくら頑張っても効果のない活動もある。目標に到達したいなら、インパクトの強い活動を特定し、それを実行する必要がある。  どのような戦略を推進するのであれ、その進捗と成功は、二種類の指標で測られる。遅行指標と先行指標である。   遅行指標 とは、最重要目標を追跡する測定基準であり、普段あなたが最も時間をかけて祈りを捧げている指標だ。売上高、利益、マーケットシェア、顧客満足度はすべて遅行指標である。これらの指標のデータを手にしたときには、そのデータをたたき出した活動はすでに過去のものとなっている。だから、あなたは祈ることしかできない。遅行指標が出てきたら、もはや手の施しようはない。それは過去の出来事なのだ。   先行指標 は、遅行指標とはまるで異なる。目標を達成するためにチームが実行しなければならない最もインパクトの強い活動の指標だからだ。先行指標は基本的に、遅行指標を成功に導く新たな活動を測定する。たとえば、ベーカリーの来店客全員に試供品を提供するというようなごく単純な活動も、ジェットエンジン設計の規格を守るといった複雑な活動も、先行指標になる。  適切な先行指標には、二つの基本的な特徴がある。目標達成を 予測できる こと、そしてチームのメンバーが 影響を及ぼせる ことで

””第3の規律:行動を促すスコアボードをつける  スコアをつけるとプレーは変わる。嘘だと思うなら、バスケットボールで遊んでいる十代の子たちを見てみるといい。スコアをつけはじめると、ゲームはがぜん熱を帯びてくる。しかしここで、冒頭の一文「スコアをつけるとプレーは変わる」に「自分で」を加え、「自分でスコアをつけるとプレーは変わる」にすると、さらにはっきりするだろう。そう、スコアをつけるのは自分自身でなければならない。  第3の規律は、意欲的に取り組むための規律である。気持ちの入っている人は最高のパフォーマンスをするものだ。そしてスコアを知り、勝っているのか負けているかがわかれば、自然と気持ちは入る。当たり前の話だ。カーテン越しにボウリングをするとしよう。最初は面白がってやるかもしれないが、勢いよく倒れるピンが見えなければ、いくらボウリングの好きな人でもすぐに飽きる。  第1の規律で焦点を定め(WIGと遅行指標)、第2の規律で、目標に至る軌道に乗るための重要な先行指標を決める。これで試合に勝つ要素は揃った。次のステップは、選手の積極的な行動を促す簡潔なスコアボードに試合の推移を記録することで

””第4の規律:アカウンタビリティのリズムを生み出す  第4の規律で戦略実行を現実のものにする。第1から第3の規律までは、試合に勝つ態勢を整えるプロセスであり、第4の規律を適用してようやく、試合開始となる。第4の規律は、アカウンタビリティ(報告責任)の原則に基づいている。お互いに報告する責任を負い、その責任を一貫して果たさなければ、目標は竜巻に吹き飛ばされてしまう。  アカウンタビリティのリズムとは、最重要目標に取り組むチームが定期的に、かつ頻繁にミーティングをもつことを意味する。ミーティングは少なくとも週一回、長くても二〇~三〇分程度が理想的だ。メンバーは、竜巻の中でどのような結果を出しているかを短い時間で報告し

””第4の規律の秘訣は、定期的なリズムを維持すること、そしてそれぞれのメンバーがみずから約束をすることである。チームのメンバーはすべきことを指示されるものと思っている。指示してほしいとさえ思っている。指示待ちが普通なのだ。しかし、すべきことを自分で決めて約束すれば、責任感は増す。上から命じられるより、自分で考えて決めたことのほうが身を入れて取り組むものである。自分が何をするのか、上司だけでなくチームのメンバー全員の前で述べるのだから、それは個人の信用に関わる問題になる。決められた業務をこなす枠を超え、チームに対して約束をすることなので

””一言でいえば、第1の規律は、より少ない目標により多くのエネルギーを注ぐことだ。目標は多ければいいというものではない。生産要素をどんどん投入していくと、投入一単位当たりの収穫がだんだん減っていく 収穫 逓減 の法則は、目標の数にも言える。重力の法則のように自明の理なのである。  竜巻の要求の他に目標が二つ、多くても三つまでなら、チームはそれらにフォーカスし、まず間違いなく全部達成できるだろう。しかし目標が四つ以上一〇個以下だと、我々の経験からして、せいぜい一つか二つしか達成できない。後退してしまうのだ。日常業務の竜巻に一一個以上、はては二〇個の目標が加わったら、焦点は消えてなくなる。チームのメンバーは、あまりに多くの目標にわけがわからなくなり、耳を傾けるのをやめてしまう。実行などとうてい望め

””あなたがチームに負担をかけすぎる理由の一つは、リーダーであるあなた自身が野心的でクリエイティブであることだ。まさしく組織の中で出世していくタイプである。問題なのは、クリエイティブで野心的な人間は、常にもっと多くやろうとすることだ。もっと少なくしよう、などとは考えもしない。あなたもそうなら、実行の第1の規律を破ってしまうのはまず間違いない。  チームに過剰な目標をもたせてしまう一つの理由は、危険の分散である。あれもこれも手を出せば、どれか一つはうまくいくだろうと期待するのだ。さらに言えば、たとえ失敗しても、チームの努力が足りなかったと批判されないようにするためだ。多いほど良くないことは知っていても、多いほうが頑張っているように見えるし、上司の受けもよいだろうと思ってしまう。目標の数が減れば、個々の結果に対する責任が重くなる。それが嫌なのだ。自分の成功を努力の質ではなく量に頼るので

””しかしながら、目標を絞り込むときにリーダーが直面する最大の問題は、実はもっとずっと単純だ。良いアイデアを無視できないのである。4Dxでは、良いアイデアどころか最高のアイデアさえ採用しない場合もある。少なくとも当面は無視しなければならないことがある。良いアイデアを無視するなど、リーダーの直感に反する最たるものだろう。しかし、何もかも受け入れていては、焦点はぼやけ、消失してしまう。  しかも困ったことに、良いアイデアというのは一度に全部陳列されるわけではない。ほどよく小出しにされるから、つい手に取ってしまう。一… エクスポートの制限に達したため、一部のハイライトが非表示になっているか、省略されています。

””スティーブン・R・コヴィーはこう言っている。「最も優先すべきことが何なのか、しっかりと決めておかなければならない。そして気持ちよく、笑顔で、素直に、それ以外のことに対してノーと言う勇気をもつ必要がある。ためらうことなくノーと言えるようになる秘訣は、自分の中でもっと強い、燃えるような大きなイエスをもつことである」  チームの焦点を絞るために、良いアイデアに「ノー」と言うことの大切さがわかれば、フォーカスを妨げる二つの罠の一つ、良いアイデアの魅力は避けられる。しかし二つめの罠、竜巻は手ごわい。竜巻の中にあるものをWIGに投じなければならないのだ。竜巻に立ち向かいながら、最重要目標に全精力を傾けなければなら

””最重要目標を決めるときの問いかけは、「何が最も重要か?」ではない。最初に問うべきは、「他のすべての業務が現在の水準を維持するとして、変化することで最大のインパクトを与えられる一つの分野は何か?」 である。この問いで考え方が変わり、状況を一変させる焦点を見極められる。  一つか二つの最重要目標を決めてしまったら、チームがそれ以外のことをないがしろにするのではないかと心配したくなるかもしれない。しかしチームの労力の八〇%は竜巻を維持することに使えるのだから、そんな心配は無用だ。他の仕事が後退するのではないかと不安になるのをやめたら、WIGに向かって前進していける。第1の規律の言葉どおり、最重要目標にフォーカスできるので

””しかし使命を深く考えているうちに、WIGが少しずつ見えてきた。彼らがそれまで考えてもみなかったものだった。「障害者の生活を維持できるような仕事を当社以外の企業で見つける手助けをする」ことである。地域の障害者全員をここで雇うことは無理でも、何千人もの障害者に小売の仕事のトレーニングを提供する余裕ならある。障害者がより良い仕事を見つける手助けをすれば、彼らの自立を促進できる。こうして、「持続可能な仕事に就く障害者を増やす」ことが新しいミッションになった。  このWIGで組織は一変した。使命を実現するための業績を維持しながら、これまでに何千人もの障害者、社会的弱者が自立し、自尊心をもつ手助けをしたので

””ルール一:一度に四つ以上の目標にフォーカスできるチームは存在しない  このルールはエンジンの回転速度を調整するガバナーのように機能する。実行の4つの規律に深く入っていくと、組織全体に何十ものWIG、ことによると何百ものWIGが見つかる可能性がある。しかし、一人のリーダー、一つのチーム、あるいは個人に過剰な負担をかけてはならない。彼らは竜巻の絶え間ない要求を処理しているのである。このルールを頭に入れて、あと三つのルールを

””ルール二:選択した局地戦は、総合的な戦いに勝利をもたらすものでなければならない  軍事衝突でも、飢餓や癌、貧困を撲滅する戦いでも、局地戦と総合的な戦いの間には明確な関係性がある。ある局地戦に臨む理由は、総合的な戦いに勝つこと以外にはない。組織の下位で取り組むWIGの役目は、組織の上位のWIGを達成する助けになること以外にはない。下位WIGが上位WIGと一致するだけでは不十分だし、助けになる程度でも足りない。組織の下位のWIGは、上位のWIGの成功を確実にしなければならないの

””上位WIGが決まったら、次に何を問うかが重要である。「この総合的な戦いに勝つためにできることは何か?」という問いは、多くのリーダーが犯す間違いだ。出てくる答えは長々とした「すべきことリスト」である。そうではなく、「この総合的な戦いに勝つために必要な最小限の局地戦は何か?」 と問う。この質問に答えれば、上位WIGを達成するために必要な下位のWIGは何か、いくつ必要なのかが決まる。総合的な戦いに勝つための局地戦を選びはじめると、戦略が明確化し、同時に単純化して

””ルール三:上位役職者は拒否権を使えるが、命令はできない  組織のトップだけで戦略を策定し、部下のリーダーやチームに手渡すような方法をとっていたら、最高度の実行力はいつまでたってもおぼつかない。戦略の実行に必要な従業員の強いコミットメントは、従業員自身が参加しなければ生まれないのだ。上位役職者が最上位のWIGを決めるのは妥当だとしても、下位WIGはそれぞれのチームに決めさせなくてはならない。チームのリーダーの知識を活かせるだけでなく、従業員が目標を自分のものとしてとらえ、積極的に関わる意識も強くなる。要するに、自分で選んだ目標が組織の最も重要な目標を後押しするなら、自然と身が入るのだ。上位役職者は、各チームが選んだ局地戦が総合的な戦いの勝利に結びつかないと判断したときにだけ、拒否権を発動すれば

””ルール四:すべてのWIGに「いつまでにXからYにする」のフォーマットでフィニッシュラインを決める  各レベルのWIGに測定可能な結果を含め、その結果を達成する期限を定めなくてはならない。たとえば売上高にフォーカスしたWIGなら、「一二月三一日までに新製品の年間売上高の伸び率を一五%から二一%にする」となる。「いつまでにXからYに」のフォーマットには、現在の地点、行きたい地点、そこに到達する期限が示されるわけである。簡単なフォーマットに見えるが、多くのリーダーは戦略のコンセプトを「いつまでにXからYにする」のフィニッシュラインに置き換えるのが苦手なようだ。しかしこれができれば、リーダーもチームもこれ以上ないほどはっきりとした目標を手に

””一〇個もの「できれば達成したい」目標から、一つか二つの「何としても達成しなければならない」目標に変わると、チームの士気は劇的に上がる。メンバーの頭の中に「試合開始!」のスイッチがあるかのようだ。あなたがそのスイッチを押せるなら、最高の実行力の土台はできているも同然だ。ケネディ大統領は、一〇年以内に人間を月に送り帰還させると公言し、そのスイッチを押したので

””最重要目標(WIG)にフォーカスするには、「7つの習慣」の「時間管理のマトリックス」(第三の習慣)を活用することが効果的だ。第Ⅰ領域は緊急で重要な事柄であり、有無を言わずに取り組まなければならない。第Ⅲ領域は緊急だが重要でない領域、第Ⅳ領域は緊急でもなく重要でもない領域であり、知らずにはまってしまう事柄だ。問題は重要でありながら緊急でない第Ⅱ領域の事柄であり、WIGはこの領域にある。ほうっておけば、人は緊急で重要な第Ⅰ領域に振り回されてしまい、やがて疲れ果てて「燃え尽きて」

””遅行指標は目標が達成できたかどうかを教え、先行指標は目標を達成できそうかどうかを教える。遅行指標に対してできることはほとんどない。しかし先行指標のほうは、自分の力でどうにでもできる。  たとえば、あなたは自分の車が路上で故障する頻度(遅行指標)を決めることはできないが、車を整備に出す頻度(先行指標)なら、あなたが自分でどうにでもできる。この先行指標をきちんと管理し、実行すれば、路上でエンストする事態を避けられる可能性が高くなるのである。  最重要目標を定めたら、その目標を数カ月後に達成するために必要な具体的な作業のすべてをリストアップし、詳細な計画をたてるのが当然だと思うだろう。だれでも直感的にはそう思う。しかし第2の規律では、そのようなことはし

””では、正しいテコを選ぶにはどうしたらよいだろうか?  過去に達成したことのない目標を達成するためには、過去にやったことのないことをしなければならない。周りを見渡してみよう。その目標あるいはそれに類似する目標を達成した人がいるだろうか? 彼らの行動はどこが違っていただろうか? 予測できる障害を仔細に分析し、乗り越える方法を考える。イマジネーションを駆使しよう。これまであなたが思っていなかったことで、状況を一変できそうな活動は何だろう?  次に、 WIGの達成に最大のインパクトを与えると思う活動を選ぶ。ここでのポイントは八〇/二〇ルールである。あなたがすることの二〇%は、残る八〇%よりもWIGにテコの作用が働く。その二〇%は何だろ

””この事例で学べる教訓は、先行指標のデータのほとんどは遅行指標データよりも取得しにくいが、代償を払ってでも先行指標を追跡しなければならないということだ。先行指標の取得に苦労しているチームは、これまでもずいぶん見てきた。テコの作用が強く働く先行指標にフォーカスしようとしても、「このデータをとるのは大変だ! 忙しくてそれどころじゃない」と言う。WIGに真剣に取り組むなら、先行指標を追跡する方法を考え出さなくてはならない。データがなければ、先行指標のパフォーマンスを前進させることはできない。先行指標がなければ、テコの効果はない。  WIGが本当に最も重要な目標なら、テコは絶対に必要

””スコアをつけると、プレーが変わる。先行指標と遅行指標を頭で理解しているだけのチームと、実際にスコアを知っているチームとでは、雲泥の差がある。先行指標と遅行指標の推移をビジュアルなスコアボードに記録し定期的に更新しなければ、指標はたちまち竜巻に吹き飛ばされ、消えてなくなる。要するに、スコアがわからなければ、人はやる気をなくす。逆に勝っているのかどうか一目でわかれば、試合に身が入るの

””強いチームは、自分たちが勝っているのか負けているのか常にわかっている。知らなくてはならない。そうでなければ、試合に勝つために何をすればいいのかわからないからだ。行動を促すスコアボードは、現在の状態とあるべき状態をチームに教える。それは、問題を解決し、決定を下すために不可欠な情報である。  だから、行動を促すスコアボードがなければ、チームは強くなれない。力が分散し、集中力が続かず、いつもの状態に逆戻りして

””第3の規律で確立したいのは、コーチのスコアボードとはまったく異なる「選手のスコアボード」である。あなたのチームの選手に、勝ちを取りにいく強い気持ちをもたせるためのスコアボードで

””一.シンプルか?  選手のスコアボードはシンプルでなければならない。フットボールの試合のスコアボードを考えてみよう。基本的には六種類のデータしか表示され

””二.すぐに見られるか?  スコアボードはチームのメンバー全員に見えなければならない。フットボールの試合のスコアボードは巨大だ。フィールドのどこからでも一目でどちらのチームが勝っているかわかるように、大きな数字で表示される。チームのスコアボードがコンピューターに収まっていたり、あなたのオフィスのドアの内側に掛かっていたりしたら、メンバーの視界に入らず、したがって頭の中から抜け落ちる。チームはいつも竜巻と闘っている。それは手ごわい相手だ。スコアボードが見えなければ、WIGと先行指標は、日常業務の慌ただしさの中で、数日とは言わないまでも数週間で忘れられてしまうだろ

””三.先行指標と遅行指標が示されているか?  先行指標と遅行指標の両方を示すことが大切だ。これでスコアボードは生きたものになる。先行指標はチームが影響を及ぼせる活動であり、遅行指標はチームが求める結果だ。両方の指標を常に見ていなければ、チームはすぐに興味をなくしてしまう。先行指標と遅行指標の両方が見えていれば、賭けの状況がわかる。自分たちが今やっていること(先行指標)、その結果として得ていること(遅行指標)が見えるわけで

””四.勝っているかどうか一目でわかるか?  勝っているのか負けているのか、瞬時にわからなければならない。スコアボードを見た瞬間に勝っているのかどうかわからなければ、それは試合のスコアボードではなく、ただのデータだ。そんなことは当たり前だと片づける前に、あなたが次回提出するレポート、グラフ、スコアカードあるいはスコアボードをチェックしてほしい。週間の財務データを示すスプレッドシートを見てほしい。勝っているか負けているか、 瞬時に言える だろうか? 他の人たちはどうだろう? これを五秒ルールと名づけよう。勝っているか負けているかを五秒以内に言えないなら、そのスコアボードは不合格

””先行指標と遅行指標を頭で理解しているだけのチームと、今後行うことと実行した結果を明確にしているチームとでは雲泥の差がある。先行指標と遅行指標の推移をビジュアルなスコアボードに記録し定期的に更新しなければ、モチベーションは低くなってしまう。要するに、スコアがわからなければ、人はやる気をなくす。逆に勝っているのかどうか一目でわかれば、試合に身が入るのだ。  スコアボードとはビジュアル化に他ならない。まず「こういうものをつくろう」「こんなふうにつくろう」「こんな仕上げを施そう」という具合に設計図をビジュアル化して(第一の創造)、その後、設計図に従って実行することになる(第二の創造)。スコアボードをつくる(ビジュアル化する)ことが第一の創造であり、それを実行することが第二の創造と

””WIGセッションの中身はその都度異なるが、議題はどのセッションでも必ず同じにする。セッションの議題は次の三つである。   一.報告:前週のコミットメントについて報告  「当社に低いスコアをつけたお客様三人を訪問すると約束しました。訪問したところ……」  「見込み客三人から現地訪問の予約をとると約束しました。四人の予約をとりました!」  「副社長に会いましたが、承認はもらえませんでした。というのは……」   二.スコアボードを確認する:うまくいったこと、いかなかったことから学ぶ  「遅行指標は緑色ですが、先行指標の一つが黄色に落ちているのが問題です。何があったかというと……」  「先行指標は上昇傾向にあるのですが、遅行指標がまだ動いていません。今週はスコアを動かすために倍の労力をかけることで合意しています」  「WIGの達成に近づいていますが、今週、お客様からいただいたアドバイスを実践しまして、先行指標をさらに伸ばしました!」   三.計画:障害を取り除き、新たにコミットメントをする  「その問題については、私が何とかできます。力になってくれそうな人を知っています……」  「先行指標に影響している在庫の問題は、何としてでも来週までに解決します」  「この数字についてはボブと話し合い、来週までには少なくとも三つの改善案をまとめておき

””WIGセッションのリーダーは、メンバーの約束の中身が適切であるかどうかに責任をもつが、重要なのは、メンバー自身が約束をすることである。このことは声を大にして言いたい。すべきことをリーダーが指示していたら、メンバーはほとんど何も学ばない。逆に、WIGを達成するために必要なことを常にメンバーがリーダーに話せれば、彼らだけでなくリーダーも、実行力を身につけていく。  チームのメンバーがすべきことを自分から約束するのは、リーダーであるあなたの直感に反しているかもしれない。何をすべきかをあなた自身がよく見えているときは、つい指示したくなるだろうし、チームのメンバーも指示を受けるものと思っているかもしれない。しかしリーダーが最終的に求めるものは、チームのメンバー一人ひとりが、約束に責任をもって取り組み、果たすことである。メンバーがインパクトの高い約束を見つけるのに苦労していれば、リーダーが助け舟を出してもかまわないが、アイデアは必ずメンバー自身から出させ、リーダーが指示してはいけ

””リーダーの役割は、細かな作業を指示することではない。メンバーがWIGに対して積極的にコミットメントして、WIGを達成するために自らリーダーシップを発揮するように導くことだ。そして、アカウンタビリティを通してメンバーの主体性を引き出しエンパワーメントすることも、リーダーの大きな役割と

””WIGを見つける質問  WIGを見つけるときには、次の三つの質問が役立つ。  一.「このチームのパフォーマンスのどの部分を改善すれば(他の部分は維持することを前提にして)、組織全体のWIGの達成に最も貢献できるか?」(「チームにできる最も重要なことは何か?」よりも効果的な質問である)  二.「チームのどの強みにテコ入れすれば、組織全体のWIGの達成に貢献できるか?」(この質問に答えれば、チームがすでに成功していて、なおかつパフォーマンスをさらに高いレベルに引き上げられる分野が明確になる)  三.「組織全体のWIGの達成に最も貢献するために、チームのパフォーマンスが低いどの分野を改善すればよいか?」(この質問に答えれば、改善しなければ組織全体のWIGの達成に悪影響を与えるローパフォーマンスの分野が明確に

【ご挨拶】2022年振り返り+本ベスト10

2023年、明けました!

皆様が健やかなる新年をお迎えになりますよう 心よりお祈り申し上げます!

2022年は「億千万の胸騒ぎとトキメキを創るをテーマにしていました。

しかしながら、振り返ってみると、前向きな胸騒ぎやトキメキよりも、後ろ向きな胸騒ぎとドキドキな日々が続き、とても心労の絶えない1年であったと思います。年始早々スタートダッシュで勢いに乗って走り続けてきたものの、夏前くらいから、予期せぬ出来事が多発し、機会を創る以上に、危機対応に追われ、悩まされる時間が多かったです。

他方、前向きに考えれば、過去の意志決定によって招いた多様な課題たちを、顕に出来た1年だったと捉えることも出来ます。もっともっと、早く、高く、飛躍していこうとしている時に、突如として露呈し、泥濘みに足を取られるよりも、このタイミングで、諸問題に出逢い、対処し始めることが出来たのは、運が良く、有り難いことだったと痛感しています。諦めずに、多方面にわたって、一所懸命に、関わり続けて下さって皆に、心より感謝したいです。

確かに、僕には、僕たちには、まだまだ見えないもの、見ていないもの、見ようとしていないものが沢山ありました。それに気づけたことが良かった。意図的に、盲信的に、見ないようにすること(集中すること)は大事なことですが、同時に、意図しなければ見えないものがあること(放置すると足元をすくわれるような課題)にも真摯になりたいと考えています。

自分や自社に対しては、「高い能力を持っているんだ」と確信し、エフィカシー(自己効用感)を強く持ちながらも、同時に、自分や自社のやり方や考え方に対しては、常に謙虚になり、自信と謙虚さのバランスを取る。一見すると矛盾する「自信と謙虚さ」を両立させていけるようにしていきます。

また、日々経営に没頭している中、限られた家族時間では、娘さんの純粋無垢姿に癒やされ、好奇心旺盛な様に元氣を貰いまくっています。人を心の底から愛する気持ちを改めて学んでいる気がしています。

そして、2022年末の締めくくりに、久方ぶりのソウルに。僕自身は、2007年~2012年まで、およそ5年ほど暮らしていた思い出深い土地。10年ほど経った今、走馬灯のように思いでが蘇ってきて、本当に感動的な時間となりました。過去に感謝し、未来に希望を持ち、今に夢中になって生きています。

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さて、2023年のテーマは、『ボンバイエ!』にしようと思います。

2022年敬愛するアントニオ猪木さんが亡くなりました。また、昨年に続き、年末の経営合宿で、クリエイティブパートナーのMさんが仕掛けるように投げ込んできたこの名曲によって着想を得ましたw

『ボンバイエ!』、その心は、「元氣溌剌、恥をかくほど馬鹿になって、道を創っていく」であります。「ボンバイエ」とは、コンゴのリンガラ語で「奴をやっちまえ!」という意味合いらしいです。自分的解釈として「上っ面の恐れ≒奴」を退治して、恥ずかしげもなく夢みたいな大言壮語を掲げ、チャレンジを続けていく、そういう1年としたいと考えました。

猪木先生が大切にしてきた元氣、やっぱり元氣は大事だよなあ、と。

圧倒的に湧き上がる元氣、漲る元氣に、徹底的に拘り抜く。いつでも120%の元氣を滾らせている人間でありたい。そして、その元氣を、鬱陶しい、暑苦しい、お節介だ、と言われるくらいに、周りに振り蒔いていきたい。誰もが可能性を信じ合える社会を創ることに、少しでも貢献していくためにも、人間の可能性を、元氣を、練り上げ、振り蒔いていく。

そして、その元氣で、エネルギーで、とことん馬鹿になって、とことん恥をかいて、裸になって、新たな自分に、新たな可能性に出逢う。小さな成功に胡座をかいたダサい大人にならない。子供たちが憧れてしまうようなオッチャンになって未来にバトンを繋いでいく。社会性も、経済性も、精神性も、同時に満たす、僕たちらしい成功に拘っていく。

馬鹿になって、恥をかいている時、その挑戦の道すがら、成果も成功も見えない、その道すがら、ふと冷静になって怖くて逃げ出しそうになってしまうことがあったとしても、危ぶむなかれ、踏み出したその一足が、道となる。未来に、その挑戦が、その爪痕が、道となって、誇れるような、そういうチャレンジをしていきたいと考えています。

元氣溌剌

健康で生き生きしていて、活力を盛んに。

とことん元氣に拘る

元氣が一番、元氣があれば何でもできる!

心も身体も、破茶滅茶なほどに、元氣になる

元氣になって、周りに元氣を振りまく、お節介だと思われるくらいがちょうど良い

馬鹿になる

とことん馬鹿になる

恥をかく

とことん恥をかく

かいてかいて恥かいて

心を裸にして本当の自分と出会う

本当の自分も笑ってしまうくらいに馬鹿になる

道を創る

この道を行けばどうなるものか。

危ぶむなかれ、危ぶめば道はなし。

踏み出せばその一足がみちとなり、その一足が道となる。

迷わず行けよ、行けばわかるさ。

今年も、色々な思い出を創っていきましょう!

本年も宜しくお願い致します!!!

雲井俊太郎

以下、恒例の2022年に読んだ本ベスト10を紹介します。引き続き、色々な本たちと出会っていきたいと思います。

10位、コトラーのマーケティング5.0 デジタル・テクノロジー時代の革新戦略

全体を通じて、特に真新しい情報が得られたというわけではなく、既知の情報が多かったのですが、「知っていること」と、「できること」には、本当に大きな隔たりがあるなと、痛感させてもらった書籍となりました。

9位、人口大逆転 高齢化、インフレの再来、不平等の縮小

変化は機会である。それに備える十分な時間もある。ところが、多くの人びとが人口構造の変化を機会とするどころか、事実としてさえ受け入れていない。その結果、少数の通念を捨てて現実を受け入れる者、新しい現実を自ら進んで探す者は、長期にわたり果実を手にする。競争相手が人口構造の変化を受け入れるのは、変化が顕在化した頃だからだ。

8位、限りある時間の使い方 

本書にある通り、あれもこれもと、選択肢を増やすこと、「選択肢を確保する」こと、の誘惑に負け続けた結果とも言えるかもしれません。所詮は、結果論であり、あれもこれもと、仕込んだ種が、しっかり芽を出し、果実を実らせていたならば、これらの意志決定は、評価されるものでしょう(もちろん、あれもこれも仕掛けて成功していても、あれこれ仕掛けず、そのリソースを集中させていたら、もっと大きな成功を収めていた可能性も残っているのですが)

7位、POWERS OF TWO 二人で一人の天才

”クリエイティブな人は、驚くほど柔軟性を大切にする。彼ら自身が驚くほど柔軟性が高いからだ。心理学者のミハイ・チクセントミハイと研究室の学生は1990~95年に、 91 人の優れたイノベーションの担い手を調べた。「彼らの性格がほかの人と違う点を一言で表現するなら、『複雑』であることだ」と、チクセントミハイは著書『クリエイティヴィティ』で書いている。「彼らは大半の人からかけ離れた思考や行動を持つ。そのとき彼らは『個人』ではなく、1人でありながら『多数』であるという極端な矛盾を抱えている”

6位、マッピング思考―人には見えていないことが見えてくる「メタ論理トレーニング」

””人は信じたいことをなんとしてでも信じたがる。人は信じたくないことに目をつぶる。自分だけは例外だと考えたがる。そして、それに気がつかない。””

5位、DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール

””まず、 なぜ経験が大切かを、改めてあなたに理解してもらいたい。そして、一刻も早く経験への投資を始めるべきであることを心に刻んでほしい。 人生は経験の合計だ。 あなたが誰であるかは、毎日、毎週、毎月、毎年、さらには一生に一度の経験の合計によって決まる。 最後に振り返ったとき、その合計された経験の豊かさが、どれだけ充実した人生を送ったかを測る物差しになる。 だからこそ、この人生でどんな経験をしたいのかを真剣に考え、それを実現させるために計画を立てるべきだ。そうしなければ、社会が敷いたレールのうえをただ進むだけの人生になってしまう。””

4位、インテグラル理論 多様で複雑な世界を読み解く新次元の成長モデル

””どれだけ醒めた目 ──冷たい目ではなく── で自己および社会を冷静に捉え、最大限の幅と深さを伴った形で、自分にできる試みをいかに実践していくか 。””

3位、脳は世界をどう見ているのか 知能の謎を解く「1000の脳」理論

””私の目から見ると、私たちは難しい選択に直面している。古い脳か新しい脳、どちらに味方するかの選択だ。もっと具体的には、いまの私たちをつくり上げたプロセス、すなわち自然選択、生存競争、そして利己的な遺伝子の欲求によって、自分たちの未来が決定されるのを望むのか? それとも、世界を理解したいという欲求と知能によって、未来が決定されるのを望むのか? 主要な原動力が知識の創造と普及である未来か、主要な原動力が遺伝子の複製と伝播である未来か、選択するチャンスがある。  ””

2位、WHO NOT HOW (フーノットハウ) 「どうやるか」ではなく「誰とやるか」

””この本は、人生をかけて途方もないことをやり遂げたい人のための本だ。 人生で、より大きく、より良い成果を着実に出していきたければ、必要なのは「どうやるか」ではなくて「誰とやるか」だ。 短時間で効果的に成果を出したいのなら、適切な「誰か」を見つけて任せてしまおう。 目指すものが大きくなればなるほど、なかなか思いどおりにならない「どうやるか」をさっさと見限らなければならない。適任の「誰か」を見つけられれば、あなたが望む成果を出すことが、彼らにとってはびっくりするほど簡単だということを思い知るだろう。自分の凝り固まった思い込みに気付けるはずだ。””

1位、THINK AGAIN 発想を変える、思い込みを手放す

””この問題の一端は、思考の 怠惰 にある。人は概して「認知的倹約家」なのだという専門家もいる。私たちが既存の考え方に執着することが多いのは、そのほうが考え直すよりもずっと楽だからだ。 だが、それだけではない。再考を 躊躇 する原因は、私たちの心のもっと奥深いところにもある。再考すべきかもしれないと自問することで、目の前の世界が予測不可能になってしまう。再考するためには、これまでの事実が変わったかもしれないこと、以前は正しいと信じていたことが現在では間違っているかもしれないことを認めなければならない。信じているものを見つめ直すことで、私たちのアイデンティティが 脅かされる――つまり、自分の一部が欠けたような喪失感を覚える可能性もある””

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2023年、AI経営寄付講座(社会人向け)に申込みました。

第1回 2023年1月26日 
Opening Session: 経営をAIでアップデートせよ 

第2回 2023年2月2日
AI経営 for CXO 

第3回 2023年2月9日
AIテクノロジーの現在地と未来

第4回 2023年2月16日
AI経営のケーススタディ:ヘルスケア篇

第5回 2023年3月2日
AI経営のケーススタディ:ゲーム・デジタルツイン篇 

第6回 2023年3月9日
AI経営のケーススタディ:保険篇 

第7回 2023年3月16日
Closing Session:Design for Future

今の僕(たち)にとっては、「経営をAIでアップデート」していくことの解像度が極めて低く、巷で言われるところの、表層的なDX化にトライすることが精一杯なレベルではないかと思います。1年を振り返ってみて、とても謙虚な気持ちになりながらも、現状の延長線上にない、新たな価値を生み出していくために、大きなチャレンジをしたいと考えている中で、顧客のために、社員のために、社会のために、今まで以上に、高い収益性、高い社会貢献性、そして高い精神性の知恵の輪を解いていきたいと決意しました。

2023年、「選択しないという選択」をしながら、あれこれ手を出すことなく、非凡な成果を生み出せるよう、人と技術の無限のチカラを信じ、まずは、一人でも多くの人たちが「可能性を感じ合える」会社を創っていきたいと思います。ボンバイエ!

P.S.

2021年2020年2019年2018年2017年2016年のベスト本は、こちらからどうぞ。

少数の通念を捨てて現実を受け入れる者、新しい現実を自ら進んで探す者は、長期にわたり果実を手にする。~人口大逆転 高齢化、インフレの再来、不平等の縮小~

2022/6/29頃。

暗黙的にタブー視されていることは、時代ごと、地域ごと、文化ごとに、少なからず存在している。人口過剰と人口減少に関する議論も、その類の1つではないでしょうか。

地球全体で見れば、急増した人間の数が、これ以上増えることが好ましくないことは明らかであるにも関わらず、国家を主体(主語)とした場合、人口の現状は、国力の低下を意味することが多く、人口減少は悪で、どうすれば人口を増やせるか?という議論ばかりが目に付きます。

どうやって地球全体の人口爆発(人口急増)という課題を解決するかを議論する中で、人口を減らすという考え(論争)は、社会的にも政治的にも許されにくい。たとえば激しく非難された中国の一人っ子政策は、あまりにも人道的ではないと倫理的に捉えられることが、ほとんどではないでしょうか。

理由はどうあれ、意図的に人口減少を目指すことについて検討されることはめったにない。それどころか現在の日本のように、国の人口が減っているとそれは経済危機と見なされ、日本の人口減少が世界のロールモデルとして語られることはほとんどない。

本書は、かくして、人口が激減する、この時代において、ほぼ間違いなく(論理的に)インフレが起きると解いている。結果的に、不平等を埋めることに繋がるという視点も欠かせない。

また新たな視点として、日本のような特殊的労働市場ゆえに、日本人は、世界でも最も、仕事に対して、会社に対して、コミットメント、エンゲージメントが低いのではないか、と仮説を立てることが出来ました(日本人のリーダーシップやマネジメントに課題がある可能性を棚上げすべきではありませんが)

しかしながら、実際に、多くの日本人は、解雇される機会が極めて少ないため、失業経験がない・失業リスクがないことで、働けている有難みがないのではないか?したがって、日本人の民主性、個性に問題、課題があるのではなく、この制度に依拠した結果になっている可能性があるのではないかと仮定することが出来ました。

ただし、そもそも論として(逆説的に考えると)、日本人ゆえに、この制度(解雇がしにくいという世界でも稀有な制度)が存在しているという見方もがあるため、制度の問題として片付けることは出来ないかもしれませんが。もし、労働市場の流動性が高まるようなことになれば、日本人は、より働くことに対する有難みが生まれ、会社へのエンゲージメントが高まり、かつ、リスキリングはもちろん、学び続ける習慣をつけるのではないか、とも捉えることが出来るかと思いました。

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さて、いずれにせよ、これからの世界は、暫くインフレが続くことは、ほぼ間違いなさそうです。ドラッカー先生が仰る未来についての考え方を思い出しました。

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 「人口、年齢、雇用、教育、所得など人口構造にかかわる変化ほど明白なものはない。見誤りようがない。予測が容易である。リードタイムまで明らかである」(『イノベーションと起業家精神』)

 企業人、経済学者、政治家は、人口構造の重要性を口にする。ところが彼らは、自らの意思決定においては、人口構造に注意する必要はないとしているかのようだとドラッカーは指摘する。

 人口構造こそ、初めに分析し検討すべき要因である。国内外の政治経済で、先進国における少子高齢化と途上国における人口増大ほど決定的な要因はない。

 人口構造の変化そのものは予測不可能かもしれない。だが人口構造の変化には、リードタイムがある。

 変化は機会である。それに備える十分な時間もある。

 ところが、多くの人びとが人口構造の変化を機会とするどころか、事実としてさえ受け入れていない。その結果、少数の通念を捨てて現実を受け入れる者、新しい現実を自ら進んで探す者は、長期にわたり果実を手にする。競争相手が人口構造の変化を受け入れるのは、変化が顕在化した頃だからだ。

 「人口構造の変化が実りあるイノベーションの機会となるのは、既存の企業や社会的機関の多くが、それを無視するからである。人口構造の変化は起こらないもの、あるいは急速には起こらないものとの仮定にしがみついているからである」(『イノベーションと起業家精神』)

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実際に、問題が顕在化してから、人間は右往左往するもので。これは、本当に興味深く、悩ましい事実として受け入れ、対策していくべきことで、最たる事例として、人口動態の劇的な変化、この人口大逆転時代の中心地帯で生きている、40代前後より若い日本人にとっては、極めて大きな影響を受けるという厳しい現実から、目をそらしてはならないと、改めて痛感しました。

加えて、この問題は日本固有の問題でもなく。出生率の低下(=少子化)と寿命の上昇(=高齢化)で、日本の人口構成は勤労世代中心から老年世代中心へと劇的に変化しているが、中国や韓国などアジア諸国でも近い将来そうなることが、ほぼ間違いない未来として予測されている。こうした人口構成の大きな変化=「大逆転」をグローバル世界の文脈で分析する本書は、今後数十年に金利が上昇し、インフレ圧力が高まると予言している。

””2000年代以降の日本は、中国などの労働力が利用可能となって、また、グローバル化の進展で世界経済も活性化し、インフレが抑制された幸運な時期であったものの、今後は中国などでも人口の大逆転が生じるから、幸運な時代は終わり、世界全体でデフレ傾向からインフレ傾向への転換、金利の上昇とマイナス成長は避けられない。中国が高齢化して経済が停滞し始めると、日本経済はさらに厳しくなると示されている。””

””今後中国を含むアジア諸国では、急速な高齢化が進み、労働力が不足するようになると、先進国への輸出物価は上昇する。また、高齢者は生産をしないが、消費はするから、輸出に回せる商品が減ってグローバル化に歯止めがかかるのだ。””

二十一世紀に入って、日本の生産年齢人口(十五〜六十四歳)は大幅に減ったが、労働力人口は、女性や高齢者の労働参加で、逆に増えていることも原因としている。ただ、労働力率上昇にも限界があるから、日本も早晩インフレ経済に転換する可能性は高く、唯一考えられるデフレ要因は、AI(人工知能)やロボットが急速に労働者を代替することだ、と諭す。それがなければ、著者の予測通り世界はインフレ社会に大転換するだろう、と。

楽観的に考えれば、テクノロジーのチカラで、ある程度のインフレ圧力に対抗していく未来も考えられなくはないが、まさか、2022年に経験した円安圧力と潮流にあって、いとも簡単に、社会構造が劇的に変化してしまうようなことが、一朝一夕に出現してしまう可能性を悲観的に想像しておかざるを得ないのではないだろうか。

””なぜ、海外直接投資がもっと注目されないのか?  非常に説得力あるナラティブにもかかわらず、少なくとも日本を人口構成の観点から分析する時には、海外直接投資のストーリーは独立したトレンドとして取り扱われてきた。なぜか? 単純な推測だが、部分的には二つの理由が考えられる。  第一に、国内のデータが、レバレッジの解消と人口構成の変化という矛盾のないナラティブと整合性が高いので誰も疑問を差しはさもうとしないからで~””

””第二に、海外展開が日本の企業部門における会計上の利益に貢献しているようには見えないからである。Kang and Piao(2015)によれば、海外展開で得られた利益のほんの一部のみが日本に送金され、多くはさらなる海外展開の拡大のために海外で再投資されている。なぜ利益は本国に送金されないのか? 日本企業の目的の一つが安価な労働力を利用し海外市場を拡大することであれば、海外で稼いだ利益をさらなる拡大のために留保することが求められるのは当たり前のことだろう。海外での設備能力と雇用の驚くべき増加は、そのことが実際に起こったことを示している。さらに、日本の配当控除政策によって、企業は海外利益を本国に送金するインセンティブを持たない(「経済産業省白書2011」)。事業の海外展開は魅力があり何十年にもわたって積極的に追求されてきたが、日本企業は海外で得た利益を本国に送金しようとはしなかっ~””

””日本企業が自らを守るために戦略的に、そして目的を持って生産性の向上をめざして行動するのに伴って、企業の生産活動と雇用は日本の国内および海外の両方に新たに割り当てられた。こうした努力は、失われた 10 年からの脱出を可能にしただけでなく、世界のほとんどの先進国を上回る実績となる労働者一人当たり生産性を実現した要因として、認識される必要がある。  この間、日本企業は国内の特殊な労働市場規範のもとで活動しなければならず、労働力の減少にもかかわらず賃金上昇が生じないという現象に帰結し~””

””フィリップス曲線:なぜ、日本では減少する労働力が賃金上昇につながらなかったのか? 「不況期に失業が増加する欧米と違って、日本では失業はあまり増加しなかったが、代わりに賃金が大きく下落した」──黒田日銀総裁の2014年講演  この淡々とした簡潔な陳述の背景には非常に複雑な事情が隠れている。その複雑な事情が、ほとんどの分析が整合的な説明ができない経済的事実を解明する手がかりを与えてくれる。それは、労働力の減少がなぜ賃金上昇を引き起こさなかったのか、という疑問で~””

””世界が安価で効率的な労働供給で溢れかえっていた時、日本の労働力はすでに減少していた。そのため、製造業を中心とした日本の貿易財部門は生産拠点を海外、特に中国に移転した。これは、製造業の雇用が賃金の高い内部の仕事(insider jobs)から賃金の安い外部の仕事(outsider jobs)へとシフトしたことを意味し~

””一つの簡単なエピソードが事情をよく表している。日本の資産バブル崩壊後の最悪期(1993年)および世界金融危機の最悪期においても、日本の失業率はせいぜい5・5%までしか上昇しなかった。他のいかなる時期においても、日本の失業率が3%を超えて上昇したことはない。労働市場の調整スピードも驚くべき速さであった。GDP成長率は1989年の6%から1994年にはマイナス2%まで下落した。失業率は1990年の2%から1995年には3%まで上昇した。失業率がちょうど5・4%で最高点に達したのは2003年であった。それとは対照的に、米国では自ら生み出した住宅市場危機に際して失業率は不名誉にも 10%まで上昇した。労働市場から得られる明確な教訓は、日本経済において経済調整の対象とならない部分があるとすれば、それは雇用だということである。すなわち、フィリップス曲線は他の先進国よりもフラットであり、また日本では 常に フラットであり続けた、ということで~””

””日本の労働慣習の起源  第二次世界大戦が日本の労働市場を変えた。それまでは、上位の数名の従業員のみが長期雇用契約の恩恵を受けていた。その慣行は雇用を確保し忠誠心を高めるために、戦争中も維持されていた。戦後、その慣行が労働者の士気と忠誠心に与える効果を雇用者はすぐに認識し、直ちに標準的慣行となった。時間がたつにつれて、こうした慣行は広がっていき、長期雇用のみならず企業内教育、内部労働市場での昇進、年功序列に基づく賃金や昇進給付なども含まれるようになっ~””

””解雇を伴わない調整  日本の雇用は多くの労働者を解雇することによって素早く調整できないので、労働市場の調整は雇用構造の変化と、労働時間および賃金に対する容赦のない下方圧力によって行われた(図9・7参照)。日本的慣行である長期雇用、内部労働市場、さらに年功序列に基づく賃金などは、全体としてこの傾向を強め~””

””日本の 55 ~ 64 歳人口の労働参加率は過去数年間に加速度的に上昇してきており、現在 75%にまで達している。この数値を超えているのは、ニュージーランド、スウェーデン、アイスランドの3カ国のみである。   65 歳前の年齢集団で労働参加率が上昇しているのは日本だけではない。この一般的なトレンドには少なくとも二つの理由がある。第一に、寿命の延びに伴い事前に見込んだ貯蓄では不十分であることに多くの人々が気づいたことである。第二に、年金給付の減少(政府の財政負担を軽減するために)が一般化してきていることで~””

””4 なぜ欧米諸国は日本の後に続かないのか?  要するに、日本で起こったことはほとんどすべて、高齢化が進む欧米諸国には当てはまらないのである。  第一に、これから 30 年間に起こる世界の状況は、過去 30 年間とはまったく異なるものになる。世界は過去 30 年間の人口構成の追い風のもとで豊富な労働力に恵まれてきたが、これからの 30 年間は人口構成の逆風の中でもがくことになる。簡単にいえば、日本は国内の労働力が減少していた時にグローバルな脱出口を持っていたが、そのような選択肢は、世界の全製造業の集合体が同時に高齢化を迎える時代には存在し~””

””第二に、日本型の労働市場慣行は欧米諸国には応用できない。例えば、ユーロ圏には解雇に伴う深刻な経済コストが存在するが、日本のような社会的制約に直面する欧米諸国は一つも存在しない。その結果、欧米諸国では雇用が労働市場における主な調整弁である。それによって、賃金と労働時間により大きな調整の役割を要求する圧力が緩和されているので~””

””第三に、先進国においては、過去 20 年間に労働参加率がすでに上昇してきている。もっとも労働参加率は日本よりも低く、近づくにはまだ時間がかかるだろう。ほとんどの先進国において、労働参加率は年金給付水準に逆比例している。年金給付水準の高い国の労働参加率は低いので、そこで労働参加率を引き上げるためには年金給付を急速に削減する必要がある。年金給付額と労働参加率をさまざまに組み合わせることによって、日本を上回る変化への高い適応性を持つ先進国も将来には現れるであろ~””

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【目次】

第1章 イントロダクション

第2章 中国:歴史的動員の終焉

第3章 人口構成の大逆転と将来の成長に対する影響

第4章 依存、認知症、そしてやってくる介護危機

第5章 インフレの再来

第6章 人口大逆転における(実質)金利の決定

第7章 不平等とポピュリズムの台頭

第8章 フィリップス曲線

第9章 「それはなぜ日本で起こっていないのか?」:修正論者による日本の変容の歴史

第10章 世界的な高齢化を相殺できるのは何か? インドとアフリカ、労働参加、そして自動化

第11章 債務の罠:回避することはできるのか?

第12章 デット・ファイナンスからエクイティ・ファイナンスへの方向転換

第13章 将来の政策課題:高齢化と課税、金融・財政政策の衝突

第14章 主流派の見方に抗して

追記:新型コロナウイルス後に加速してやってくる理想的ではない未来

訳者あとがき

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しないことを決める~限りある時間の使い方(Four Thousand Weeks: Time Management for Mortals)~

2022/9/10頃。

2022年は、しないことを決めることが出来た1年でした。

会社の成長とともに選択肢が増えたこともあって、あれこれもと多様なチャレンジをしてきました。都度、僕たちなりの合理性に基づき、最適な意志決定をしてきたはずなのですが、想定通りに、新規事業は成功することなく、収入は想定以下、支出は想定以上である時期が続きました。経営として、過去の意志決定が誤りであったと認めるべきであると判断し、リーダー、マネージャー陣を集め、正直に、その背景や実情について説明し、理解を求めました。そして、達成したいことをできる限りシンプルにして、そのシンプルな目標に、皆で集中していこうと、コミットしましました。

本書にある通り、あれもこれもと、選択肢を増やすこと、「選択肢を確保する」こと、の誘惑に負け続けた結果とも言えるかもしれません。所詮は、結果論であり、あれもこれもと、仕込んだ種が、しっかり芽を出し、果実を実らせていたならば、これらの意志決定は、評価されるものでしょう(もちろん、あれもこれも仕掛けて成功していても、あれこれ仕掛けず、そのリソースを集中させていたら、もっと大きな成功を収めていた可能性も残っているのですが)

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””「選択肢を確保する」という誘惑に負けないことだ。選択肢を増やすというのは、要するに困難な決断から逃げることにほかならない。「そのせいでチャンスを逃してしまったら?」と、ためらう気持ちもあるだろう。でも考えてみれば、何らかのチャンスを逃すことは──いや、ほとんどすべてのチャンスを逃すことは──当たり前の現実だ。そうでなければ、そもそも決断に価値はない。  何かに時間を使うと決めたとき、僕たちはその他のあらゆる可能性を犠牲にしている。その時間にできたはずのことは山ほどあるけれど、それでも僕たちは、断固として、やるべきことを選ぶのだ。””

””人は1日のうちに何百もの小さな選択をする。そのたびに、できるかもしれなかった無数の可能性を永遠に切り捨てている。「decide(決める)」の語源となったラテン語のdecidereは、何かを「切り離す」という意味だ。選択肢を捨てるニュアンスだが、同時に「殺人」や「自殺」のような言葉とも近い関係にある。  限りある人生を生きるということは──それがどんなに最高の人生であっても──絶え間なく可能性に別れを告げる過程なのだ。””

””一つひとつの決断は、目移りするほど素敵な可能性のメニューから何かを選べるチャンスなのだ。そう考えるなら、「選べなかった選択肢を奪われた」という被害者意識を持つ必要はまったくない。  メニューから何かひとつしか選べないことは、けっして敗北なんかじゃない。決められた時間のなかで「あれ」ではなく「これ」をする、という前向きなコミットメントだ。自分にとって大事なことを、主体的に選びとる行為だ。 「ほかにも価値のある何かを選べたかもしれない」という事実こそが、目の前の選択に意味を与えるのだ。これは人生のあらゆる場面に当てはまる。たとえば結婚に意味があるのは、その他の(ひょっとすると同じくらい魅力的な)相手をすべて断念して、目の前の相手にコミットするからだ。  この真実を理解したとき、人は不思議な爽快さを感じる。「失う不安」のかわりに、「捨てる喜び」を手に入れることができる。  選べなかった選択肢を惜しむ必要はない。そんなものは、もともと自分のものではなかったのだ。あなたが何を選ぶとしても──家族を養うためにお金を稼ぐ、小説を書く、子どもをお風呂に入れる、ハイキングに出かけて地平線に沈む淡い冬の太陽を眺める──、それはけっしてまちがいではない。本当はなかったかもしれない貴重な時間の過ごし方を、自分自身で選び取った結果なのだから。””

本書は、「人生はたった4000週間、限られた時間をどう過ごすか!?」と問うてくれてるわけですが、上述の通り、会社経営においても、自分の人生経営においても、「選ばないということを選ぶ」ことが、とても大事であるということを教えてくれます。そして、その選ばない、何もしない、ということが、簡単ではないことも教えてくれるわけです。

””自分の4000週間を有意義に過ごすためには、「何もしない」能力が欠かせない。何もしないことに耐えられない場合、単に「何かしないと気がすまない」という理由で、まちがった時間の使い方を選んでしまいがちだ。 ””

ゆえに、僕たちは、限られた人生を、限れれた時間を、限られたリソースを使いこなすために、選ばない、何もしない練習が必要であると、それは、欲求を抑える練習とも言い換えることが出来るようです。宣伝方法が、いまいち(過剰)だったので、おすすめ本とするほどでもないかとは思いましたが、2022年、「選択しないという選択」によって、会社経営の方向性に、あまりにも大きな影響を与えることになったので、選定してみました。あれこれも、手を出してしまいがちな方に、おすすめの書籍の1つ。

””「失う不安」のかわりに、「捨てる喜び」を手に入れることができる。  選べなかった選択肢を惜しむ必要はない。そんなものは、もともと自分のものではなかったのだ。あなたが何を選ぶとしても──家族を養うためにお金を稼ぐ、小説を書く、子どもをお風呂に入れる、ハイキングに出かけて地平線に沈む淡い冬の太陽を眺める──、それはけっしてまちがいではない。  本当はなかったかもしれない貴重な時間の過ごし方を、自分自身で選びとった結果なのだ””

””それでも、哲学者たちの思想には、日々の生活を変えてくれるような発見が詰まっている。たとえば、限られた時間ですべてをやろうとするのではなく(そんなことは不可能だ)、やらないことをいかに選ぶか。どうやって心安らかに物事をやらない か。結局のところ、作家グレッグ・クレッチが言うように、僕たちは上手に先延ばしするスキルを学ぶべきなのだ 1。  人生は先延ばしの連続だ。やりたいことを全部できるわけがないのだから、誰もが大量の先延ばしアイテムを残して死ぬことになる。  大事なのは先延ばしをなくすことではなく、何を先延ばしにするかを賢く選択することだ。  本当にやりたいことができるように、その他をあえて放置する。何らかのタイムマネジメント術が役に立つかどうかを知りたいなら、「やらないこと」を正しく選ぶのに役立つかどうかを見れば

””「人生でやりたいことのトップ 25 をリストアップし、それをもっとも重要なものから重要でないものへと順番に並べてみなさい。そのうち上位の5つに時間を使うといい」  そこまでは、よくあるアドバイスだ。でも残り 20 項目について、バフェットは意外なことを言った。「残りの 20 項目は、捨てなさい」と。  優先順位が中くらいのタスクは、邪魔になるだけだ。いつかやろうなどと思わないで、ばっさりと切り捨てたほうがいい。それらは人生のなかでさほど重要では~」””

””空想のなかでは、どんな選択肢も捨てる必要はない。仕事で大成功しながら、家事や育児も完璧にこなし、日々マラソンのトレーニングに打ち込み、長時間の瞑想をし、地域のボランティア活動に参加する。想像するだけなら、それは可能だ。でも実際にそのうちの何かをやろうとすると、すぐにトレードオフに直面する。何かで成功するためには、別のことに費やす時間を減らさなくてはならないからだ。ベルクソンは言う。 「無限の可能性でふくれ上がった未来の観念は、未来そのものよりもいっそう豊かであり、そしてこれこそ、所有よりも希望に、現実よりも夢に、よりいっそうの魅力が見いだされる理由である 」  現実世界でのあらゆる選択は、できるかもしれなかった無数の生き方を失うことに直結する。厳しいけれど、それが現実だ。現実逃避をやめて、喪失を受け入れることができれば、有害な先延ばしに陥らなくてすむ。出口のない優柔不断から抜けだすことができる。  何かを失うのは、当然のことだ。  だから、もう心配するのはやめて、手放そう””

””世の中のさまざまな慣習も、実はこの洞察にもとづいてつくられていることが多い。結婚だってそうだ。「幸せなときも困難なときも」一緒にいることを誓うのは、うまくいかなくても逃げださないと約束することで、より満足度の高い関係性を手に入れるためだ。その他の無数の可能性(どこかにいる理想の人)をあえて捨てたほうが、目の前の相手にコミットできて、結果的に幸せな生活を送ることができるのだ。  思いきってひとつを選び、無限に広がっていた可能性を封印する。これは前章で述べた「捨てる喜び」にも通じるやり方だ。多数の選択肢を捨てるからこそ、選びとったものに価値が生まれる。  仕事を辞めるにしても、子どもを持つにしても、家を買うにしても同じだ。迷っているうちは不安でいっぱいかもしれないが、思いきって決めてしまえば、不安は消えてなくなる。  進むべき方向はただひとつ、自分が選びとった未来に向かって前進するだけ””

””「いったん注意が途切れると、苦痛は耐えがたいものになります」とヤングは言う。彼は冷水をかぶるたびに、今ここで感じていることに意識を集中させた。そうすると、冷たさを感じても、苦痛にのみ込まれずにすむのだった。  やがて、それこそが冷水の儀式の目的であることがわかってきた。気を抜かずにいれば報酬が与えられ(苦痛が減り)、気が散ると罰が与えられる(苦痛が増す)。伝統的な仏教の言い方とは違うかもしれないが、これは集中力を鍛えるためにデザインされた「巨大なバイオフィードバック装置」なのだ。  修行生活を終えたあと、ヤングは自分の意識が変化していることに気づいた。今ここに集中する技術を身につけたおかげで、日常のさまざまな場面で感じる苦痛が明らかに減っていた。以前なら考えるだけで 憂鬱 になっていた雑用にも、前向きに取り組める。  問題は活動そのものではなく、自分の心の中の抵抗にあったのだ。  抵抗をやめて、目の前の感覚に注意を向けると、不快感は静かに消えていった。のちに彼は高野山の住職からシンゼン・ヤングという新たな名を与えられ、今では瞑想の指導者として活躍して~””

””禅の教えによると、人の苦しみはすべて、現実を認めたくないという気持ちから生じるのだという 7。「こんなはずではなかった」「どうして思い通りにいかないんだ」という気持ちこそが、苦しみの根源なのだ。  自分は万能ではない。ただの無力な人間で、それはどうしようもない。  その事実を受け入れたとき、苦しみはふいに軽くなり、地に足のついた解放感が得られるだろう。「現実は思い通りにならない」ということを本当に理解したとき、現実のさまざまな制約は、いつのまにか苦にならなくなっているはず””

””セティヤの言う「非目標性の活動」という概念が、ショーペンハウアーが見落としていた可能性を示唆してくれる。そこには苦痛でも退屈でもない道がありうるのだ。  何らかの達成を目標とするのではなく、ただ活動そのものを楽しむこと。僕たちはそんな活動をもっと日々の生活に取り入れたほうが

””そもそも「問題」とは何か? 一般化して定義するなら、それは自分が取り組むべき何かだ。そして取り組むべきことが何もなくなったとしたら、人生はまったく味気ないものになるだろう。 「すべての問題を解決済みにする」という達成不可能な目標を諦めよう。そうすれば、人生とは一つひとつの問題に取り組み、それぞれに必要な時間をかけるプロセスであるという事実に気づくはず~””

2022年9月12日 月曜日【読了】

第1章 なぜ、いつも時間に追われるのか

第2章 効率化ツールが逆効果になる理由

第3章 「時間がある」という前提を疑う

第4章 可能性を狭めると、自由になれる

第5章 注意力を自分の手に取り戻す

第6章 本当の敵は自分の内側にいる

第7章 時間と戦っても勝ち目はない

第8章 人生には「今」しか存在しない

第9章 失われた余暇を取り戻す

第10章 忙しさへの依存を手放す

第11章 留まることで見えてくるもの

第12章 時間をシェアすると豊かになれる

第13章 ちっぽけな自分を受け入れる

第14章 暗闇のなかで一歩を踏みだす

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挑戦を先送りするな。~DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール~

2022/4/12頃。

18~22歳前後まで、人生の意義を問い続ける哲学少年だった自分は、ヴィクトール・フランクルが言う通り、「人生は問うものではなく、問われるものだ」と、哲学的な問いに物思いに耽ることをやめ、ベンチャー、スタートアップの虚構的ドリームの中で、必死に藻掻いて、生きてきました。

””「私たち人間がなすべきことは、生きる意味はあるのかと「人生を問う」ことではなくて、人生のさまざまな状況に直面しながら、その都度、「人生から問われていること」に全力で応えていくこと」””

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七転び八起きしながらも、おかげさまで、それなりの実績や成果に繋がりつつある今も、特に無理をしすぎることなく、肩のチカラを抜きながら、日々を一所懸命に生きています。(四十歳にして惑わず、というわけにはいかず、惑いっぱなしであった日々は、遠く過ぎ去り、いつしか「自然体」で過ごせることが増えたように思います。)

なんて感じで、「落ち着いている(落ち着いた)感」が出てきたと自己認識していたのですが、、、何ともつまらない大人に成り下がっているような葛藤感がありました。こういう考え方って発達段階ではなく、なんというか自分らしくないのではないか、と考えることが多かったわけです。他方で、本書を読んで、たった1度きりの人生なのだから、もっとバカみたいに、破天荒に、変態的に、生きていこうじゃないかと考える契機になったような気がします。

””まず、 なぜ経験が大切かを、改めてあなたに理解してもらいたい。そして、一刻も早く経験への投資を始めるべきであることを心に刻んでほしい。 人生は経験の合計だ。 あなたが誰であるかは、毎日、毎週、毎月、毎年、さらには一生に一度の経験の合計によって決まる。 最後に振り返ったとき、その合計された経験の豊かさが、どれだけ充実した人生を送ったかを測る物差しになる。 だからこそ、この人生でどんな経験をしたいのかを真剣に考え、それを実現させるために計画を立てるべきだ。そうしなければ、社会が敷いたレールのうえをただ進むだけの人生になってしまう。いつかは目的地(死) にたどり着くが、その道のりは自分自身が選びとったものでは

””人は誰でも、常に思い出を通して人生の出来事を再体験できる。 私はこのプレゼントで、父の思い出が鮮やかに蘇ることを願った。 幸い、父はとても気に入ってくれた。椅子に座り、画面に映し出される映像を見ながら、笑い、泣き、思い出に 耽っていた。老いた父には、もう人生の新たな経験は望めない。それでも栄光のフットボール部時代の動画から、大きな喜びを引き出すことはできた。人生最高のプレゼントだと褒めてくれたくらいだ。 私はそのとき、 人生の最後に残るのは思い出 だと改めて感じ~””

””先ほど、経験にポイントを与え、棒グラフにした。ここに、元の経験を思い出すたびに得られる喜びのポイントを加算してみよう。 記憶の配当によって絶えず積み重ねられていくポイントを加えていけば、銀行預金が複利によって雪だるま式に増えていくように、元の棒の高さを超えることだってある。 特に、経験の思い出を誰かと分かち合うときがそうだ。自分が経験したことを、誰かに話す。その経験をネタにして笑い合い、絆を深め、アドバイスする。 すると、そのこと自体が経験になる。あるビジネスが別のビジネスを生むのと同じ

””もちろん、老後の備えは必要だ。 だが、老後で何より価値が高まるのは思い出だ。 だから私はあなたに、できるだけ早く経験に十分な投資をしてほしいと考えている。 記憶の配当について考え始めると、「善は急げ」だということがよくわかるようになる。経験への投資が早ければ早いほど、記憶の配当はたくさん手に入る。 20 代に何かを経験すれば、 30 代で経験したのに比べて長い期間、記憶の配当を得られ続ける。リターンの合計が元の経験を上回ることさえある。逆に、死の間際で何かを経験しても、もらえる記憶の配当は少なくなる。 だから、 とにかく早い段階で経験に投資すべきだ。そうすれば、年齢を重ねるほどに驚くほど多くのリターンが得~””

「思い出(経験)は複利である」という考え方は、目からウロコでした。

””最大の後悔は、「勇気を出して、もっと自分に忠実に生きればよかった」 であった。他人が望む人生ではなく、自分の心の 赴くままに夢を追い求めればよかった、と。 人々は、自分の夢を実現できなったことを後悔していた。自分の心の声に耳を傾けず、誰かに用意された人生を生きていると、人生の最後に大きな後悔を抱くのかもしれ

””「私が看取った男性はみな、仕事優先の人生を生きてきたことを深く後悔していた」とウェアはつづっている(女性にも仕事をしすぎたことを後悔する人はいたが、患者の多くは高齢者であり、まだ女性が外で働くのが珍しい時代を生きてきた人たちだ)。 さらに、働きすぎは後悔しても、一生懸命に子育てしたことを後悔する人はいなかった。多くの人は、働きすぎた結果、子どもやパートナーと一緒に時間を過ごせなかったことを後悔していたの

””人は終わりを意識すると、その時間を最大限に活用しようとする意欲が高まる ということだ。 見知らぬ土地を観光するとき、私たちはこれと同じような体験をする。滞在期間が1週間だとしたら、最終日までのあいだにできるだけたくさんの名所を訪れ、ツアーやアクティビティにも積極的に参加しようとする。 遠くに住む友人に会いに出かけたときも同じだ。一緒にいられる時間は限られているから、その貴重なひとときを最大限に味わいたいと思う。 だが、自宅にいるときはそんなふうに行動はしない。私たちは、いつもの日常がこれからも続いていくのを当然だと考え、積極的に誰かと会ったり、どこかに出かけたりはしない。それはある意味で当然だ。誰もが忙しく毎日を過ごしているのだし、毎日を旅行中のような気分で過ごすのは非現実的だ。 私たちは、地元の博物館やビーチにはいつでも行けると思っているし、友人ともいつでも会えると思っている。その結果、夜は自宅でテレビを見て過ごし、週末も特に何をするわけでもなく無駄にしてしまう。 人は豊富で無限にあると感じられる何かに対しては、その価値を低く見積もりがちだ。だが現実には、 人生の各段階で使える時間はそれほど多くはない。もちろん無制限でも

””健康への投資も忘れないようにしよう。これまで健康に気をつけてこなかったのなら、今こそそれを改めるべきだ。前述したように、健康次第でさまざまな経験を楽しむ能力は大きく変わる。 時間と金をかけて健康の増進・維持に努めよう。本格的なスポーツジムに通ってもいいし(できれば、毎回行くのが楽しみになるようなジムを選ぼう)、パーソナルトレーナーを雇う、フィットネスビデオに合わせて自宅で運動するなどさまざまな方法が考えられる。 私の姉のティアも、このアドバイスに従っている。 57 歳の今も家族経営のビジネスをしている彼女は、最近は仕事のスタイルを変え、以前のように1日9時間や 10 時間も椅子に座るようなことはなくなった。 加齢にともなう筋力の低下を防ぐために、週に数回の筋トレも行い、定期的に水泳やフィットネスバイクをするなど、精力的に運動をして

””もし過去に戻れるならば、私は「挑戦するのを先送りすべきではない」とアドバイスするだろう。 リタイア生活を始めても、積極的に活動できる期間は限られている。だから、今、思い切って大胆な挑戦をすべきだ。「やりたいことがあるけど、老後まで待つつもりだ」という考えは、たいてい失敗に終わる(すでに老後に入ってしまっているのなら、限りある持ち時間を最大限に活用してほしい)。 リスクを簡単にとれる時期を生かし切れていない人は多い。 その理由は、デメリットに目を向けすぎているから

””少しでもあなたの背中を押すために、最後に大胆に行動するための3つのポイントだけ伝えておこう。 1つ目は、あなたがどれくらいリスクを取ろうが、どんな大胆な行動に出ようが、一般的にそれは 人生の早い段階が良い ということだ。繰り返しになるが、若い頃のほうが失敗のダメージは少なく、成功して得られるメリットは大きくなる。 2つ目は、 行動を取らないことへのリスクを過小評価すべきではない ということだ。大胆な行動を取らず、同じ場所に留まれば、安全に思えるだろう。だが、それによって何かを失っている可能性にも目を向けるべきだ。 安全な道は歩めるかもしれないが、行動して得られるはずだった経験値を失っている可能性もある。たとえば行動によって1万ポイントの経験値を得られたのに、リスクを避けたために7000ポイントしか得られていないかもしれない。その場合、人生の満足度が 30%減ることに

””3つ目は、「リスクの大きさ」と「不安」は区別すべきだ ということだ。人は不安に襲われていると、実際のリスクを過度に大きく見なしてしまう。 大胆な行動を想像するとすぐに不安を覚えてしまう人は、まずは考え得る最悪のシナリオを頭に浮かべてみよう。次に、その最悪のシナリオを乗り越えるためのあらゆる安全策を検討してみよう。たとえば、失業保険や家族からの支援、民間保険などを利用できないかと考えてみる。 すると、リスクを取ることで起こり得る最悪のシナリオも、想像したほど悪くはないと気づけるかもしれない。もしそうなら、リスクを取ることのプラス面にも目を向けやすくなるだろ

””覚えておいてほしい。 人生で一番大切なのは、思い出をつくることだ。 さあ、今すぐに始めよう。先延ばしする理由などないのだ””

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ルール①「今しかできないこと」に投資する

ルール② 若い頃にはした金を貯めない

ルール③ 生きているうちにカネを使い果たす

ルール④ 残された日数を知り、ゼロで死ぬ準備をする

ルール⑤ 相続・寄付は死ぬ前に行う

ルール⑥「健康、時間、お金」のバランスを最適化する

ルール⑦「タイムバケット」にやりたいことを詰め込む

ルール⑧ 来るべきときが来たら、資産を取り崩す

ルール⑨ 若いときにはガレージから飛び降りる

2022年9月頃【読了】