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本を読む人が手にすることが出来るかもしれないもの。

 

 

僕のお年ごろで、僕のような読書習慣を持っている人間が、今更感満載であるが、時折、この手の書籍を手にとってしまう自分がいる。
読書することの意味、意義みたいなものを語ってくれている本書は、タイトルの通り、本を読む人が手に入れることが出来るであろうことを語ってくれている。
藤原和博さんは、校長先生という職業の経験者であることもあって、教育者としての強いメッセージを感じる。

さて、僕の場合は、単純に、読書が好きであるわけだから、まさか、今更、読書習慣があるから、成功できるとか、そんな迷信めいた物事に囚われているわけではない。
しかしながら、自分が理想としていた人生とは、すでに大きくかけ離れていることもあり、自分の習慣や、自分の生き方を正当化するような本を意図的に手に取っているのかもしれない。

このように振り返ると、なんだか、自分というものが、本当に小さく見えてくるのだけど、直感というか、本能みたいなもので、本を選ぶようにしているので、むしろ、読み終えた後に、このように考えてみて、自分というものが、どういう人間なのか、どういう状態にあるのか、客観的に見えてくるものがある。

 

【抜粋】
● 20世紀型の成長社会が象徴する「みんな一緒」という時代から、21世紀型の成熟社会が象徴する「それぞれ一人一人」という時代に変わった。

● 20世紀型の成長社会における典型的な日本人としての幸福論だった。こうした「共同幻想」を、みんなが一緒になって追い求めていた時、国家と企業にはそうした幸福論を保証する能力がないことがバレてしまった。それぞれ一人一人が自分自身の幸福論を編集し、自分オリジナルの幸福論を持たなければならない時代に突入したのである。

● 「それぞれ一人一人」の幸福をつかむための軸となる教養は、自分で獲得しなければならない。そのためには、読書が欠かせないというところに行き着く。

● 「人生のとらえ方」とは、いわば人生の幸福の実現のためにどういうテーマを持ち、どういうベクトルに向かって進んでいくかということ。

● 幸福という定義を自分で決め、現在の自分がどの地点にいて、どちらの方角を目指し、どこまで達成すればいいのかということまで、すべて自分で決めていかねばならない。 だれも助けてはくれない。これは、じつに恐ろしいこと。

● 宗教が機能している社会では、宗教が物語をつくり、幸福とは何かを教える。でも、日本のように宗教が機能不全の国家では、自分で自分の宗教、あるいは、その代替物としての幸福論を持たなければならない。だが、携帯メールはその場限りのつながりを与えてくれるだけで、幸福論の代わりにはならない。

● 共同幻想を追いかける「みんな一緒」の習慣に抗うには、よほどの覚悟がいる。

● 「ネットだとキーワードで調べたものしかヒットしないという面があるのに比べて、本は検索では結びつかないようなものも拾ってこられる。

● 読書を通じて知識のインプットを蓄積していかないと、自分の意見というものが出てこないという事実。

● ネットだけだと、どうしても掘り方が浅くなる。もうちょっと深い情報を得たいと思ったら、本なりその他もろもろの手段がありますから、それを通してより深い情報を得ることが必要なステージに必ずいくんです。

● まず「パチンコをするか、しないか」という点が第一段階だ。 もちろん、暇な時間を持て余していた学生時代に少々手を出していた程度であれば問題ない。しかし、社会人になっても日常的にやっているようでは、ギャンブル依存症か、その予備軍と見られてもしかたがないだろう。金銭的にもコミュニケーションレベルとしても、悪影響を及ぼすと見て間違いない。 パチンコをする人と、しない人の決定的な違いは、時間をマネジメントする発想があるかないかである。パチンコは非生産的な行為だ。平気で非生産的な行為に時間を浪費する人に、時間に対するマネジメント能力があるとは思えない。

● 16時間×365日で5840時間になる。たまに頑張って夜更かししたり、睡眠時間がもっと短かかったりする人もいるので、おおむね6000時間としよう。

● 30歳前後の人が健康で長生きすると仮定した場合、残りの人生はおよそ50年あると考えられる。50年に、1年の生活時間の6000時間を掛けると、その人の残りの生活時間は30万時間になる。 その限られた30万時間の間に、どのようなインプットをして、どのようなアウトプットをしていくのか。人生を生きるとは、つまりそういうことである。

● 本を読むという行為は、決して情報を得たいというためにやることではなくて、むしろ自分のなかからどのくらい引き出せるかという営みなのです。

● 私たちが日常生活のなかで受け取る情報量の7割以上は、視覚からの情報だという研究結果がある。テレビが視覚に訴えて現実に近いものを見せてあげれば、視聴者はクールに納得しやすいということである。

● 読書は、受動的にインプットするラジオとは異なり、能動的に情報を取りにいかなければならない。「アクティブ・ラーニング(主体的な学習)」に適したメディアなのだ。

● 想像力を磨くためには、読書が必要だということ。テレビの構成作家や演出家がこぞって読書家であることがそれを証明している。

● 自分のやりたいことを実現させるうえで大切な、読書によって身につく力がある。それは「集中力」と「バランス感覚」。

● バランス感覚とは、自分と地面(地球)、自分と家族、自分と他者など、世の中全体と自分との適切な距離感を保つことができる能力のことである。

● 両極端の視点を獲得するには、本を読み比べることが肝要。

● 人間が蓄積した知識、技術、経験のすべては、脳内のある部分に沈殿している。脳内である意識が強まると、それらがかき混ぜられて浮き上がってくる。

● 残りの2つの触媒である「遊び」と「芸術」を体験することではじめて、脳内にいくつもの回路ができ、沈殿している知識や技術や経験のかけらが豊かにつながっていくのだ。つながりができると発する電磁波がより強力になり、より多くの関連したヒトやモノを引き寄せるのだと、私は考えている。

● 幼児期に読み聞かせをやることに一定の効果があるのは疑いの余地がない。とくに幼児から小学校3年生くらいまでには、これ以上の道徳教育はないと思う。 私は「波動が入る」という言い方をしているが、本を通して母と子のコミュニケーションを深め、絆を強いものにするという視点に立てば、大きな意味がある。

● まずは人の話を素直によく聴くこと。相手の目を見て、うなずいたり、相づちを打ったりするだけでも相手は話しやすくなり、相手に対して自分のクレジットを高めることもできる。どんな人でも、クレジットの高い相手には、新しい情報や自分のアタマのなかにある、とっておきのネタを伝えたいと思うものだ。結果として、価値ある情報を手に入れやすくなる。

● シミュレーションする力を体得するには、つねに先を予測して行動してみるクセをつけること。

● 情報編集力を自分のものとして身につけるには、「予期せぬ出合い」が重要だと考えている。それを日常的に体験できるのは「遊び」だ。遊びの定義について、自著のなかで対談した松岡正剛さんの言葉を借りると、次のようになる。 「遊びには『ルール』『ロール(役割)』『ツール(道具)』があって、それぞれを主客、つまり他者と自分が入れかわる可能性がありながら成立している。

● 遊びでは必ず不測の事態が起こるという。遊びを始める前に意図していたことも、ルールかロールかツールのどれかに思い通りにならないことが出てくると、まったく違う展開になるものだ。場合によっては、すべての面に不確定要素が発生することもある。

● 人は与えられた「称号」通りの人間になろうとするから、あなたが他人に前向きな「称号」を与えると、それ自体が世の中への貢献になるということ。「あなたのやっていることは、幕末の志士の誰々のようだ」とか「あなたは将来、こんなふうに大成するだろう」と、教え子や部下が勇気を持つような「たとえ」を使ってみる。

● 相手にその称号を与え続けるだけで、あなたはその人の人生にとってなくてはならない存在になるのです。そしてあなたの与える称号も、ほかの人にとっては物々交換の対象になるのだということを忘れてはいけません。

● 創造は、個人の内部に起こると考えるより、コミュニケーションを通じて「他者との間に宿る」と考えたほうがよいと指摘する。

● 「私たちの脳のアーキテクチャーは、どうやら、外界へいったん出力して、それを感覚として入力することなしでは情報のループが閉じないようにできている。

● 創造性の高い組織づくりを目指す会社には、構成員個人に対する、とってつけたような創造型リーダーシップ研修より、他者との日常的な対話技術を重視したコミュニケーション研修をやったほうが有効だということにも気づかせてくれる。私の古巣であるリクルートも、コミュニケーションの活性化を重視する会社だった。

● 「『友だち力』というのは、友だち関係の距離を自分でコントロールできる力です。それは友だちを作る力とは少し違う。時には、離れることもよしとします。『いなくたっていいじゃないか』ということも含めて、友だちとの距離をコントロールできる力ということです。「友だち何人できるかな」と言って作ろう作ろうとすれば疲れますし、自分の意思に反してグループに入らなければならなくなったり、そのことがきっかけで、第4章で取り上げた鹿川君事件のように仲間はずれにされ、いじめを受けたことを苦にして自殺してしまうといった悲劇を生むこともあります。

成果をあげるための習慣「正しい疑問を持つこと」

 

 

会社が、事業が、どんなに厳しい状況にあっても、
周りに悟られるような態度を取らないと、決心している。

だからこそ、普段から、背筋を伸ばし、
あまりにネガティブな思考に囚われ過ぎぬよう、
過剰に気をつけている。

しかし、だからこそ、その姿勢を保とうとする慣性が、
強く働き過ぎている時があるのではないか?と、疑い深くなることがある。

僕は、そのような「疑問」を持つこと、持ち続けることは、
成果にコミットしようとする、プロ意識を持つ者として、
当然のものであると考えていた。

ただ、その疑問が必ずしも正しいものではない、
ということも同時に意識しなければならないと思う。

様々な意見を鵜呑みにし過ぎてもいけないし、
様々な状況に右往左往し過ぎてもいけない。

他方で、
様々な意見を素直に受け入れるべき時もあるし、
様々な状況に順応し改善、改良するべき時もある。

これらの「バランス」を取ることは、
思いの外、容易ではなく、数多の経験を要するものではないかと考えている。

僕は、この本に出会って、
経験しなければ身につけることが出来ないかもしれない原則(経験則)のようなものを、
なんとなく、今の自分の心の中に、深く深く、噛みしめて受け入れることが出来た。

本は、読むタイミングによって、
本当に様々な表情を見せてくれる。
人との出会いも同じかもしれない。
いや、目の前で起こる、あらゆる物事は、所詮、自分次第で、どのようにでも解釈できるものだろう。

なにはともあれ、
類似形態の書籍と比べても、
非常にシンプルで本質的なことを分かりやすく伝えてくれる内容であった。

感謝。
【抜粋】

● 卓越したリーダーシップを発揮するのに、 すべての問いの答えを知っている必要はない。 むしろ決め手となるのは、 重要な問題に向き合う勇気を持つこと

● 自信を失って先が見通せない時期にどう対処するかで、潜在能力を発揮できるか否かが決まります。重要なのは、苦しい時期を避けることではありません。苦しい時期に物事を客観視し、分析し、立て直して前進するには、どうすればいいかを知っていることなのです。

● リーダーにとっては、闘いの九〇%は一歩離れて状況を把握し、時間をかけて本質に関わることに疑問を抱くことだ、と。というのも適切な疑問を抱くことで、洞察し、状況を立て直し、状況を前進させることができるから。

● 押さえるべきポイントは二つあります。「的を射るような疑問を抱くこと」、そして「定期的に物事から一歩距離を置いて疑問を抱く習慣を身につけること」です。

● 会社の土台となるもの、それがビジョンと優先事項です。明確なビジョンとそれを実現するために優先してやるべきことを定め、それを社内と主な関係者に広く周知しなければなりません。

● 会社がうまくいかないときは、ビジョンと優先事項が不明瞭だったことに原因があることが多いのです。

● まずは「この組織のビジョンは何か?」を考えてみてください。あなたは、将来何を成し遂げたいですか? 組織の売りは何ですか? あなたはなぜ貴重な時間をその組織で過ごしたいのですか?

● ビジョンがモチベーションとなって、毎朝、従業員はベッドから起きて会社に向かい、ベストを尽くしてくれるのです。ビジョンとは会社に託すあなたの夢です。時間をかけてビジョンを練り上げることが、抜きんでた会社の土台を築くための第一歩なのです。

● はっきりした目標があると、誰でも毎朝ベッドから飛び起きて、もうひと頑張りしようという気になるものです。その目標を達成すると、深い満足感が得られますし、いろんなメリットも期待できます。

● かつてはビジョンとして「社会的意義」や「顧客やコミュニティの役に立つこと」を掲げていた。だが、今ではビジョンの実現よりも、利益を上げろというプレッシャーの方が強いのではないか?

● 一度迷走した企業は、リーダーがその会社ならではの能力と本質的価値に基づいて明確なビジョンを掲げるまで、混乱が続きます(取締役会から発破をかけられて、リーダーが動く場合もあります)。 言い換えれば、ここで必要なのは「自分たちは何者で、どこへ向かおうとしているのか」を確たる言葉で表現することなのです。

● 主なタスクを〈レベル1〉~〈レベル3〉に分類するといいでしょう。〈レベル1〉は、絶対にうまくやらなければならないタスク。〈レベル2〉は必須ではあるものの、最善を尽くす必要はないタスク。〈レベル3〉はやる方がいいものの、失敗しても、まったくやらなくても問題はないタスク。私はよく「全力」と「ほどほど」という言葉で使い分けます。あなたのタスクのなかで、全力レベル(つまり、完璧を目指すレベル)でやらなければならないタスクは何で、ほどほどレベル(つまり、やらなければならないが、クオリティは重要ではない)でやれるタスクは何ですか。

● 優先すべきタスクを三~五項目に絞り込むには、重要度に応じてタスクを三つのカテゴリーに分け、最終的に「ビジョンを実現するために、絶対に失敗できないタスクは何か?」に当てはまるタスクに集中することです。

● 「タスクを五つに絞り込めないんですか?」驚いた私は、思わず口走りました。私が彼の部下だったら、どの仕事に集中すべきか迷ったに違いありません。

● 伝えるだけでなく、しつこいぐらいに繰り返す ビジョンとその実現に必要な具体的な優先事項を決めたら、それをみんなに伝えなければなりません、それも一度ではなく何度も。

● 困難な時期こそ、コミュニケーションの頻度を増やす。

● ストレスの多い困難な時期にこそ、リーダーはビジョンと優先事項をしつこく伝えるべきなのです。将来の見通しが立たないときは、素直にそう伝えればいいのです。ただし、この困難な時期に従業員に何をしてほしいかは必ず伝えるようにしてください。

● あなたの従業員たちは、会社または部署のビジョンと優先事項をそらんじることができますか? みんなに訊いてみてください。すぐに言えないようなら、ビジョンと優先事項を伝える回数を五倍に増やすといいでしょう。

● 問題は何でしょうか? CEOは会社の優先事項でも何でもない業務に、不相応に力を入れていました。おまけに、先代から受け継いだ事業――赤字続きで再びもうかる見込みがない事業――に情熱を注いだことは、彼がビジネス・ロジックではなく感情に流されやすい人間だということを示唆しています。

● 繰り返します。迷ったときは、「このタスクは、他の社員でもできるか?」と自問することです。

● 時間管理で重要なのは、継続的に見直すこと、つまり定期的に疑問を持つことです。企業では、大きな投資判断は定期的に客観的な観点から検証されます。同じように、あなたの時間の投資方法についても冷静に検証してください。

● 優先項目を三~五つ程度紙に書くことです。仕事上の優先事項をいくつかと、それから自己啓発的な項目も一つか二つ加えます(たとえば、聞き役に徹する時間を増やすとか、部下の指導にあたる時間を増やす、など)。その紙をオフィスの壁にピンで留めて、毎日目につくようにします。誰かがオフィスに来て私に頼みごとをしてくるたびに、私はこの紙を見てから判断を下しましょう。

● 会社が成功するには、有能な人材を採用して育成し、会社に定着してもらうだけでなく、会社の目標を達成できるよう彼らを管理することが不可欠だからです。そのためには、コーチングと人事評価のプロセスを整える必要があります。

● フィードバックとは、優先事項への取り組みを強化し、組織のミッションの実現に向けて方向性を調整するための重要な手段なのです。

● コーチングとは何か? 「従業員の具体的な強みを二~三項目、それから具体的な弱みも二~三項目見つけだし、その人がその弱みを克服し、強みをもっと生かせるようトレーニングしたり、段階的な行動計画を立てたり、フォローアップを行なったりすること。

● 年度末査定で不意打ちをくらった部下は、そのような手のひら返しを深刻に受け止めます。働きやすい職場に欠かせない、信頼とコミュニケーションでできた関係は修復できないほどに壊れます。

● 傷ついた部下は組織への信頼を失い、やる気を失い、ヘッドハンターからの電話に嬉々として出るようになるかもしれません。最終的に、その部下が「不意を突いて」会社を去ってしまうことも珍しくありません。

● 「驚かせてはいけない」 私がいつも査定で気をつけているルールに、「驚かせてはいけない」というルールがあります。言い換えれば、部下にはじめて改善点を指摘したのが年度末査定だったとすれば、私がヘマをしたということです。

● コーチングを年に数回行ない、彼らの評価を率直に伝えると共に、彼らの強み、弱み、改善策などを話し合うようにしました。できるだけ頻繁に、かつ率直に話し合う方がいいでしょう。

● コーチングはリーダーにとって最も重要な仕事です。

● 彼らにはあなたのフィードバックが必要であり、もらう資格もあります。多くのタスクは誰かに依頼できますが、これは例外です。時間を作りましょう。

● 人と衝突したくない 組織で十分にコーチングが行なわれていない理由の一つは、相手と対決しなければならないからです。リーダーのなかには、部下をしっかり観察し、必要なデータを集め、弱点を明確に把握する人もいます。にもかかわらず、その弱点をきちんと伝えて、改善案を出すことができず、言わざるを得ない状況に陥るまで放置するのです。

● 過剰なコーチングが原因で会社を辞めた部下はほとんど見たことがありません――建設的な方法でコーチングを受けている限りは。他方で、ストレートに指摘してもらえず、上司への信頼を失ったがために会社をやめた部下は大勢見てきました。

● 彼らはどこへ行ったと思いますか? ほとんどの人は、きちんと指導を受けられて、成長できる新たな職場を探し出しました。もっと気楽な会社も、もっと手ぬるい会社も選びませんでした。彼らが転職した会社は、リーダーが率直に課題を突きつける会社でした。

● マネージャーは、時間をかけて部下に彼らの強みと弱みを教え、彼らがもっと成長するには、あるいは問題点を改善するにはどうすべきかを話し合い、定期的に進捗状況をモニタリングし、フォローアップすることが重要。

● 新入社員全員に「フィードバックをもらうのは、一〇〇%きみたちの仕事だ。自分の強みと弱みを把握し、弱みを克服するために行動計画を練りなさいと伝え、マネージャーたちにも「部下にフィードバックを与えるのは、一〇〇%きみたちの仕事だ。」と。

● 大切なことは、貴重なフィードバックを大量に隠し持っている部下に、あなたの方から働きかけてそれを聞き出すことです。それも早い段階で、かつ頻繁に聞き出さねばなりません。

● 集団ではなく一対一で話しかけること。一般社員は、人前で堂々とあなたを批判したりはしないものです。一対一の面談なら、あなたに心を開いてくれる可能性が高くなります。

● ああ、耳が痛い! そのような状況に遭遇したら、平静を保ち、その人に丁寧にお礼を言い、親しい友人や家族に電話してその批判が正しいかを訊ねましょう。電話を受けた相手は、大抵こう言うでしょう。「ああ、確かに。あなたってそういうところがあるよ」 こうしたやり取りの後は、真実を打ち明けてくれた勇気ある部下に話しかけてあげてください。お礼を言い、指摘された弱点を克服しようと努力していると伝えましょう。

● フィードバックを求めるのは、人気取りのためでも、パフォーマンスのためでもありません。あなたの業務の問題点を、早い段階から改善するためです。

● 建設的な批判も真摯に受け止め、学び、改善するために努力し続ければ、部下や同僚は自然にあなたをサポートしようという気持ちになるものです。

● 概して、成功している企業には学びの文化があり、肩書きに関係なくすべてのプロフェッショナルが向上しようと全力を尽くし、最終的には自らのポテンシャルを開花させていきます。

● 仕事中は直属の部下と積極的に関わるものの、職場から離れると個人的な付き合いを控えるようにしていました。リーダーが社交的に振る舞うことや、主要な部下たちと親しくなりすぎるのは良くないと考えていたのです。「昇進したければ、管理職はCEOと友だちにならなければならない」とまわりから誤解されるのを恐れていたのです。

● この会社は公平ですから。ここでは仕事の成果で社員を評価してくれます。CEOは、好き嫌いとかではなく、仕事ぶりで私を評価してくれるんです。この会社には精巧に練られた育成プロセスがあります。そのプロセスに従って課題を克服し、指導を受け、役割を全うすれば、自分の力を証明できるんです。

● ビジョンと優先事項について定期的に考えておくべきだったな。苦しいときこそ、そういうことを真剣に考えるべきだったんだ。

● 踏み込んではならない聖域はないと、伝えてください。それから「きみたちの提案をすべて採用するとは限らない。しかし私は、みんなの意見が知りたい。アドバイスを参考にして何らかの改革を行なうつもり・

● 組織のなかの誰よりも見られています――それも、全員の目から。オフィスのドアは開いているか? どこに座っているか? オフィスの内装はどうか?(誰のお金で内装を施したのか?)一日中オフィスに閉じこもっているか? 社内を歩きまわるか? 従業員たちと一緒におしゃべりしながらランチを取ることはあるか?不機嫌そうか? 笑っているか? 表情から、何を感じ、何を考えているか読み取れるか? ボディランゲージに傲慢さや優越感が表われているか? それとも従業員に敬意を払い、個人的に親しくなりたいと思っていそうか? エレベーターに乗ったときにどんな行動を取るか?うつむき加減でぽつんと立っているか、まわりの人たちと楽しそうに話すか? 部下と接するときよりも、目上の人と接するときの方が愛想がいいか?――要するに、相手の地位によって態度を変えるか?状況が悪くなると、責任逃れして他人のせいにするか? それとも、たとえ自分が悪くなくとも、責任を取ろうとするか? 掲げている目標通りに行動するか、それとも口先だけの人間か?食事は、社員食堂か役員用のダイニングルームか、どちらで取りますか?従業員に定めたルールとは違うルールに従って生活していませんか? だとしたら、その理由は何ですか? あなたに「特別扱い」が必要であり、自分にはその価値があると思うその根拠は何ですか?レストランでどう振る舞ったか、清掃作業員にどう話しかけたか、社内の従業員にどう接したか――きみがどういう人間かを知りたくて、みんながきみの行動をつぶさに観察するんだよ。要するに、きみは『最高位のお手本』になったんだ、と。

● 物事がうまくいかないときにどう振る舞うかで、人々はあなたを判断します。あなたはキレますか? 不機嫌になりますか? 責任逃れをしますか? チームの信頼を失おうがお構いなく、他人のせいにしますか? あなたに八つ当たりされるのを恐れて、誰もあなたに悪い情報を教えてくれませんか?

● プライベートでも仕事でも、貯金する、贅沢しない、定期的に日記をつける、ボランティア活動で気分転換をはかる、趣味に打ち込むなどでしたが、どれもが困難な時期に自分を保つのに役立ちました。それから「会社を去る心づもり」をしておくと気が楽になります。つまりこの仕事を辞めても生きていけると自覚するのです。そのためには、「仕事に対する他人の評価で、私の人生が決まるわけではない」と考えましょう。

● 「学ぶのをやめたとき、人は終わる」――これと同じ主旨の言い回しをこれまでに何度くらい耳にしてきましたか? この言葉を真剣に受け止めていますか? 生涯学び続ける覚悟はありますか? 是非とも生涯学び続けてください。卓越したリーダーになるためには絶対必要な資質です。

● 老若男女を問わず万人に私が強くお勧めするのは、お金を貯めること。

●通常のスケジュールのなかに、バッファを作る 週のうち何日かは夕食時間までに帰宅しましょう。

●自分のケアを優先する 体に支障がなければ、定期的に運動しましょう。

 

 

『反応してはならない』という警鐘に、逆に『反応し過ぎないように』

 

ここ数年、瞑想的なこと、仏陀的なことに、関心があって、
様々な実験をしてきたし、様々な書籍に触れてきた。
数多の言葉に触れてきたが、本書は、相当に分かりやすく、
非常に実践的なものだな、と感銘を受けた。

僕は、いわゆる資本主義的なものに、ズッポリ浸かりながら、
終わりのないマラソンを走り続けている気分に憂鬱を感じることもあり、
なんともまあ、満足感を持続させることが難しいと考えることが多々あった。

アントレプレナーとして、ベンチャー経営者として、
「成長」「競争」「利益」を追いかけ続けている。

いわゆるビジョナリーな想いをもって、
世界に、社会に、貢献したいというような大義や大志には迷いがない。

しかし、そのようなビジョン、ミッションとは異なる、
自分の精神的支柱のようなものを、しっかりと据えていかなければならない、と、
強く考えてきた中で、本書で表現されるシンプルな言葉たちは、
気持ち良く、僕の血肉と化していった。

自分らしく生きるということは、どのようなことなのか。

『環境や刺激に「反応」しないようにすべき』みたいな警鐘に、
逆に、『「反応」し過ぎないようにする』ことが出来るようになるかもしれない。

まだまだ「道」を定めるには早過ぎるが、
少しずつ、自分らしく、生きていくための字固めを始めている気がする。
【抜粋】
● 勘違いされやすいのですが、反応しないことは、無理してガマンすることや、無視すること、無関心でいることではありません。悩みを増やしてしまうようなムダな反応を〝最初からしない〟こと。怒りや、不安や、「どうせ自分なんて」と暗い気分が出てきたら、すばやくリセット・解消することです。

● ブッダの教えとは「心のムダな反応を止めることで、いっさいの悩み・苦しみを抜ける方法」のことです。その内容は大きく二つ──①心の反応を見ること、②合理的に考えること。

● 漠然とした満たされなさ、「このままでいいのだろうか」という思いはあっても、「悩みの正体」がわからないから、なかなか解決できません。仕事でも、家族の中でも、くやしさや、怒りや、失望、落ち込み、不安といった思いを抱えても、解決できる「考え方」を知らないから、いつまでも満たされなさは続きます。

● ブッダの考え方は、私たちが日頃抱えている「悩み」を「理解する」ことから始まります。①「悩みがある」②「悩みには理由がある」③「悩みには解決策がある」と、順を追って「理解」していくことで、どんな悩みも確実に解決できるというのが、ブッダの合理的な考え方です。

● 「ある」ものは「ある」と、まず理解すること。わたしには満たされなさ・未解決の悩みがある、と自覚すること。 解決への希望は、そこから始まります。

● 〝求める心〟は、発生後〝七つの欲求〟に枝分かれします。現代心理学の知識を借りると、七つの欲求とは、①生存欲(生きたい)、②睡眠欲(眠りたい)、③食欲(食べたい)、④性欲(交わりたい)、⑤怠惰欲(ラクをしたい)、⑥感楽欲(音やビジュアルなど感覚の快楽を味わいたい)、そして、⑦承認欲(認められたい)です。

● 現代の私たちにとって最も切実なテーマは〝承認欲〟──「認められたい(認めてほしい)」という欲求です。これは人間だけにある欲求で、動物にはないのだそうです。

● こうした思いを作っているのは、「自分を認めてほしい」──注目してほしい・愛してほしい・評価してほしい──という承認欲です。この欲求で外の世界に反応すると、「周りは期待に応えてくれない人間ばかり」だから、不満や物足りなさを感じます。人間も世の中も「なっていない!」と憤慨したりします。

● 「承認欲」は、人の目が気になってしまう性格や、嫉妬心、比較して優劣や勝ち負けにこだわってしまう心理など、さまざまな悩みの原因になっています。 「この反応の理由は承認欲だ」と理解しないと、つい反応して、人の目を気にして、嫉妬に駆られ、較べたり、競争したりして、舞い上がったり、落ち込んだりと、動揺しまくりの人生を繰り返すことになります。

● 承認欲という「反応の原因」がわかれば、ずいぶんラクになります。「でも、あの人(家族・世間)に認められたところで、それが一体なんなのだ?」と、超クールに考えられるようにもなります(ほんとに、それが一体何だというのでしょう)

● もしあなたが、これ以上悩みを増やしたくない、充実感を大事にしたいと願うなら、テキトーな反応、妄想を減らすことです。そのために「カラダの感覚を意識する」ことを習慣にしてください。

● 人は三つの執着によって苦しむ。①求めるものを得たいという執着(だがかなわない)。②手にしたものがいつまでも続くようにという執着(やがて必ず失われる)。③苦痛となっている物事をなくしたいという執着である(だが思い通りにはなくならない)。 では、これらの苦しみが止むとは、どういう状態なのだろうか。それは、苦しい現実そのものではなく、苦しみの原因である〝執着〟が完全に止んだ状態なのだ。

● 仕事なら、「利益が上がる」「働きやすい環境につながる」「業務が円滑に進む」ような判断が、正しいことになります。大事なのは「役に立つか」という視点です。

● 人間というのは、一部しか見ていない──そもそも立っている場所も、見ているものもまったく違う──にもかかわらず、すべてを理解した気になって、「自分は正しい」と思い込んでいる。

● 正しく理解する者は、「自分が正しい」と思うこと(慢)がない。 だから、苦しみを生み出す「執着の巣窟」(わだかまり)に引き込まれることはない。 ──スッタニパータ〈あるバラモンとの対話〉

● 「人は人。自分は自分」という明確な境界線を引くのです。 この考え方ほど、大事なことはありません。世の中にはたしかに、判断好きな人がいます。しかし、自分も同じことをする必要は、ありませんよね。 自分の心は、自分で選ぶこと、決めること──つねに自由に、独立して考えなさい

● 「つい反応してしまう」状況にあってこそ、あえて大きく息を吸って、吐いて、覚悟を決めて、相手を「ただ理解する」ように努めましょう。そして、心のもう半分を、自分の内側の反応を見ることに使うのです。

● 驚かれるかもしれませんが、心理学の一説には、心は一日に「七万個」もの想念を思い浮かべるのだそうです。「約一・二秒で一個の思い」です。心というのは、それくらい目まぐるしく回転しつづけているのです。これは「心は無常である」ことの一つの例です。

● もう一つ大切なことは、「相手と理解し合う」ことを最終ゴールにすえることです。 人と関わるときに大事なのは、「反応しないこと」だと学びました。しかしこれは、相手に無関心でいるとか、「我慢する」ことではありません。

● 苦しめ合うために、関わっているのではない。 理解し合うために、お互いの幸せのために、関わっているのだ。

● 「比較」が、承認欲に始まる妄想にすぎないとすれば、早めに足を洗うことが正解です。本当は、もっと他にやるべきことがあるからです。 「承認欲」を満たしたいなら、そのための「正しい努力」をしましょう。三つの条件があります。 ①認められたい気持ちをモチベーションにして、今の仕事・生活を「改善」していく。 ②どんなときも「自分のモノゴトに集中」する。 ③「自分で納得できる」ことを指針(基準)とする。

● あなたが出家でもするつもりがないかぎり、承認欲は大切にしてよいと思います。「ライバルに負けたくない」「勝ってプライドを守りたい」「評価してもらえるような成果を上げたい」「もっと能力を磨きたい」──それが活動のエネルギーになってくれるなら、大いに頑張ろうではありませんか。

● ただ生活を楽しみたいというなら、問題ありません。でも、「自分には大切な目標がある」「どうしても結果を出したいことがある」というなら、なるべく「反応に逃げない」ことをルールにしましょう。「手を伸ばしたいのをぐっと我慢する」のです。

● 嫉妬から自由になるというのは、まずは、相手に目を向けている状態から「降りる」ことです。相手は見ない。「相手は関係ない」と考えて、怒りからも降りる。さらに、「他人と同じ成果を手に入れたい(他人と同じになりたい)」という妄想からも降りることです。 そうやって、嫉妬という感情から、まず完全に降りてしまいます。

● 足元を見て、できることを積み重ねる。改善を重ねていく──こういう努力は、自分の内側だけを見て、今立っている場所からスタートすればよいので、とてもラクだし、自然です。もはや嫉妬とは無縁になります。努力する自分自身の道のりを、謙虚に楽しみながら生きていけます。

● 貢献という動機に立てば、「では、この場所で自分にできる役割は何だろう?」と最初に考えることになります。そのときに、本当の〝自分にぴったり合った人生〟がスタートするのです。

● 究極のところ、人間の動機は「貢献」です。どんな人も、「お役に立てればよし」なのです。貢献という動機に立って、できることをして、暮らしが立って、ほんの小さな喜びや楽しい出来事が日々に見つかったら、もうそれで十分ではありませんか。

● 人は何かを求めて生きている。だが、求めることには、二種類あるのではないか。つまり、間違ったものを求めることと、正しいものを求めることだ。 間違ったものを求めるというのは、老いと病と死という〝喪失〟を逃れられない人間でありながら、いつまでも老いず、病まず、死なないことを求めることではないか。 正しいものを求めるというのは、この間違いに気づいて、〝喪失〟を乗り越えた、人間的な苦悩から離れた生き方を求めることではないか。 今の私は──間違ったものを求めて生きているにすぎない。 ──ゴータマ若き日の苦悩 アングッタラ・ニカー

● 「納得」を人生の方向性にすえるなら、あとは時間をかけて、近づいていけばよくなります。日々の仕事や家事も、「自身が納得できること」を基準にすれば、外の世界に振り回されることは減っていくでしょう。

● もちろん、ままならない現実、わかり合えない人間は、これからも現れてくるでしょう。しかし、そういうときこそ、いたずらに反応せず、ぐっと目を閉じて、心を見つめて、「正しい心がけ」に戻りましょう。そうすれば、「納得」が残ります。

● 心によりどころを持つこと。正しい方向性を見すえること。生きていく上で何よりも大切なのは、こうした〝道〟──生き方──を確立することです。

● 「この道を歩んでいけばいい。きっと納得にたどり着ける」と、人生を信頼できるようになります。

● 「この生き方に間違いはない。いざというときは、この心がけに帰ろう」戻るべき心の場所、よりどころさえ見つかったなら、あとは「時間の問題」です。今日をよく生きることだけ大切にしていれば、きっと「最高の納得」へとたどり着けることでしょう

 

 

マーケティングは期待され、愛され、求められるものでなければならない。~エピック・コンテンツマーケティング 顧客を呼び込む最強コンテンツの教科書~

 

 

コンテンツマーケティング、インバウンドマーケティングを本格的に再始動させるために手にとった本。
思ったより重厚な内容。コンテンツマーケティングの基本が網羅されている。
実際に書かれているような内容を、「実行」することがいかに大変か、マーケティング担当者は辟易するだろう。このような基本知識を手に入れ、実際に、1つ1つ、実直に、行動を積み重ねることが出来る人財が、チームが、会社が、持続的な成功を手にしているのではないかと思う。
この知識を得た段階から、実行し、成果を叩き出すまでの間には、とんでもない距離が存在する。

 

【抜粋】

●どうすれば少なくとも顧客にとって役に立つ存在になれるか──いまのところはその点を彼らに示すことにしている。理想を言えば、われわれはただ将来の顧客を教え導くだけではなく、彼らを楽しませたいと願っている

●顧客はあなたたちのことも、あなたたちの製品やサービスのことも気にかけてない。関心があるのは自分自身のことだけ

● コンテンツマーケティングの正式な定義。コンテンツマーケティングとは、有益で説得力のあるコンテンツを制作・配信することによって、明確に定義・認識されたターゲット・オーディエンスを引き寄せ、獲得し、エンゲージメントを作り出すためのマーケティングおよびビジネス手法を指す。その目的は、収益につながる顧客の行動の促進である

●コンテンツマーケティングは、有益な体験を作り出すことに主眼を置いた戦略だ。人類は、有益なコンテンツを共有することによって互いの役に立ち、コミュニティを豊かにし、リーダーを決めてきた。コンテンツこそが人々を結び付け、すぐさま共有され、そして何よりあなたの製品やサービスがかゆいところに手が届く、と顧客に気付かせることができる

●コンテンツマーケティング── 一般的な定義 コンテンツマーケティングとは、メディアを借りるのではなく、自前のメディアを持つことだ。継続的にコンテンツを制作あるいはキュレートすることで顧客を引き寄せ、引き留め、結果として消費者行動を変化・促進させるマーケティング手法を指す。顧客や潜在顧客の行動に変化をもたらす力を持たないかぎりはコンテンツは単なるコンテンツにすぎない。

●マーケティングは期待され、愛され、求められるものでなければならない。それこそわれわれが生きる新しい世界

● コンテンツマーケティング戦略はソーシャルメディア戦略の先を行くものだ──過去においても、現在でも、そしてこれからもずっと。

● コンテンツマーケティングは目新しいものではない。ブランドは世紀を超えて壮大なストーリーを語ってきた。だが、それを正しく進めることがいまほど重要だったことはない。

●Googleのアルゴリズム(Googleが検索エンジンランキングを決めるやり方のこと)の大規模な更新──ペンギンアップデートおよびパンダアップデートと呼ばれる更新──から見てとれるのは、同社がコンテンツシェアリングをいよいよ重視するようになっているということだ。コンテンツが信頼できるソースにシェアされていることが検索で見つけてもらうカギだ、とGoogleは告げているのだ。だから、いくら検索エンジンに見つけてもらいたいからといって、策を弄してシステムの裏をかくという手(いわゆるブラックハットSEO)はもはやほとんど通用しないのだ。確固たるコンテンツマーケティング戦略を持たないかぎりは。

●ブランドが出版を行う場合(非メディア企業であるインテルやデュポンであれ、ローカルな冷暖房会社であれ)も、目指すところはメディア企業となんら変わりはない。オーディエンス──あなたのコンテンツを気に入って、購読を申し込む人々──を確保することだ。それが次の課題──そのターゲットからいかにして収益をあげるかを探る──へとつながっていく

●「今日成功するためには、コンテンツを用いてオーディエンスの関心を絶えず引くようにする必要がある──最初の出会いから、顧客の全生涯にわたって継続的に。要するに、マーケティングの仕事はもはや顧客を作り出すことではなく、(ピーター・ドラッカーの言葉を言い換えるなら)われわれのブランドのファンを作り出すことなのだ

●顧客は一日に5,000を超えるマーケティングメッセージにさらされている。あなたのメッセージは突破口を開き、インパクトをあたえている

● 非メディア企業の場合、コンテンツ制作はコンテンツそのものから利益を得るためにではなく、顧客を引き付け、引き留める──そしてもっと売れるようにする、あるいはもっと売るための機会を増やす──ためになされる。コンテンツは企業をサポートするが、ビジネスモデルではない。つまり、非メディア企業では、コンテンツから直接に収益をあげることを求められていない。

●好むと好まざるとにかかわらず、今日では誰もがメディア企業なのである。自らのオーディエンスと直接対話する機会は平等にあたえられている。その特権をどう利用するのか、選択しだいで結果は大きく異なってくる

●多くの出版社が「購読料」という形で読者から直接収入を得ているが、ほとんどのメディア企業は広告やスポンサーシップに依存している。彼らは2種類の主人──読者と金づる──に仕えていて、時折(近頃ではしばしば)コンテンツが犠牲になる。 それに引き換え、ブランドは2種類のオーディエンスと向き合う必要がない。読者とお金の源はまったく一緒だからだ。もしすばらしい、最高なコンテンツを絶え間なく、長いあいだ供給しつづけたなら、彼らはきっと新しい顧客、あるいはリピーターとなってその努力に報いてくれるだろう

● コンテンツ作りのビジネスモデルはメディア企業でも非メディア企業でもほとんど同じ。どのようにお金が入ってくるかだけが違う。その点では非メディア企業のほうが有利

●経費と投資対効果(ROI)、あるいは、目標対効果(ROO)

●「どなたにも合います」的なセールスコピーではなく、顧客にとって関連性の高いコンテンツで関心を引くこと。

●モノローグではなく、双方向の対話である(顧客に向かって叫ぶのではなく、語りかける)。

●コンテンツは人材獲得にとっても有益 競争の激しい業界では、優秀な人材を獲得することは優先事項の最たるものである。人事部と連携すること。会社が新メンバーを迎えたら、その新人が入社を決意した理由をシェアするよう人事担当者に働きかけてもらうのだ。そしてその情報を社内の各チームで共有する。コンテンツ作りの努力が人材獲得に影響を及ぼしていることが証明できればあなたが、そしてコンテンツ作りの努力が会社にとって欠かせないものであることを示すことができる。

●会社のことがマスコミに取り上げられると職場の雰囲気が明るくなる。うちの従業員にはその雑誌の読者が多いとわかっているしね」と言ったんだ。このときの教訓がわたしには忘れられない。そして、コンテンツマーケティングはこれとまったく同じ成果をあげるのに役立つ。

●コンテンツは信頼を育む 。雑誌ファストカンパニーに掲載された記事の中で、マーケティング界のリーダーであるドン・ペパーズは、競争優位のカギとなるのは「積極的に信頼できる存在であろうとすること」と説得力を持って論じている。

●コンテンツマーケティングにおける価値の移動が、従来型マーケターのモデルとは逆に、組織から個人へという方向となる理由もまさにそこにある。言い換えると、信頼がゴールであるなら、企業は「売り込まないことで売る」よう努めるべきなのである。

●マーケターはコンテンツマーケティングを考えすぎるところがあると言っていたと聞いたことがあります。複雑な計画を山ほど立てるよりも、とりあえずスタートさせて、やりながらコツをつかんでいくべき。

●生きていくうえでもっとも必要なことは共感することではないでしょうか。単なる「プール屋さん」だった頃、わたしが顧客の家のドアをノックすると、その家の奥さんが出てきてハグしてくれたものです。奥さんは数年来の知り合いのように呼びかけ、わたしの子供たちのことを尋ねてくれました。個人のストーリーを共有することで壁は取り払えるものです。わたしたちは、マーケターとしてソーシャルメディアの話をしますが、まだまだアンチソーシャルでいたいと思っています。事実、わたしはここにいます。テーブルの中央に置かれたポテトチップスそのもの。ソーシャルでいるためにここにいる

●どうすればあなた自身のストーリーを見つけられるか、エピック・コンテンツを開発するプロセスをどうすればより深く理解できるか、どうすればあなたの組織をコンテンツマーケティング・ファクトリーに変えて、適切な顧客を魅了できるかに焦点を当てている

●自分らしさを表明すること コンテンツマーケティング戦略とそのプランはビジネスの目的とオーディエンスの情報ニーズを結び付けるときに自分らしさを示す必要がある。

●顧客はもはや製品やサービスは買わない。「抱えている問題の解決法を買う」のである。だから、ザッポスのような企業は、とても差別化されている

●ストーリーテラー戦略は、コンテンツのオーディエンスを教育し、楽しませ、興味を引き、さらに衝撃をあたえる。なぜならストーリーテラーのコンテンツは、製品やサービスの説明をはるかに超えて、なぜその組織が存在しているのかというところまで行きつく

● ストーリーテラー戦略は、顧客以外の人々に興奮と興味を抱かせ、既存顧客からエバンジェリストを生み出し、そしてあらゆる方法でブランドとオーディエンスがエンゲージするために注力する

●数多くのストーリーテラー戦略が存在するが、おそらくコカ・コーラの戦略は、ベストであろう。コカ・コーラは、必ず「ハピネスを広める」という目標を掲げてストーリーを制作している

● あなたはどの位置にいたいのかを考えることが重要である。エピックなコンテンツの制作を通じて見つけてもらい、需要を満たす戦略であるコンテンツ認知のステージで十分な場合もある。しかし実質の収益の機会と成長は、ストーリーテラーのステージにあるため、全企業がその達成に努めるべき

● 自分のことばかり話している──覚えておこう。顧客はあなたのことなど気にしていない。よくそのことを忘れて、どれだけ自分の製品がすばらしいかを説明してしまうのだが、誰も気にはしていない。あなた自身のことや製品のことを語れば語るほど、コンテンツは広まらず誰も引き付けない。

● 失敗を恐れている──コンテンツをきっかけとして、少しだけ実験的な試みをすることでコンテンツマーケティングの可能性や新しく価値のある顧客のストーリーが明らかになる。

●ハードルをかなり低く設定している──コンテンツマーケティングは、あなたの業界で最高のものであるべきである。──あなたの専門領域では、競合相手よりも優れており、メディア企業や出版社よりも優れたものになるべきである

●快適な領域から踏み出さない──セス・ゴーディンは著書『「新しい働き方」ができる人の時代』の中で、快適な領域から一歩も踏み出す気がないのなら、いつまでも変わらない運命にあると述べている。たまには、コンテンツでまったく予想もつかないことをしてみよう

●問い合わせ先や購入ボタンなどの行動喚起がない──コンテンツのひとつひとつが、次のアクションにつながる問い合わせ先や何かを持つべきである。そうでない場合、少なくとも、コンテンツを開発した本当の目的を認識しておくことである

●特定のチャネルに集中しすぎる──eニュースレターやFacebookだけの観点から考えることをやめよう。顧客のために解決すべき問題について考えること。そして、顧客が信頼できる情報を探し求めている場所ならどこでも、さまざまな方法で解決策を伝えるべき

● バックアップ・プランを立てている──試しては繰り返すしかないのだ。バックアップ・プランのことは忘れること。バックアップ・プラン(ペイパークリック広告への出稿や何かのスポンサーになるなど)は、始めるまえから失敗を認めているようなものである

●コンテンツの責任者がいない──組織の中の誰か(おそらくあなた)が、コンテンツマーケティング・プランの統括責任をとらなければならない

●幹部の同意がない──エグゼクティブの同意が得られていない組織は、得られている企業に比べてコンテンツマーケティングで失敗する確率は300パーセント高くなる。

●業界に身を捧げていない──顧客がいる場所ならどこでも、オンラインでも、印刷物でも、じかにでも、そこに寄り添う必要がある

●専門家に見えない──専門領域でリードする専門家になる必要がある。ビジネスに有益で、到達可能なコンテンツ領域を選択すること

●コンテンツの配信時間に一貫性がない──コンテンツマーケティングとは、顧客との約束事である。もし新聞を取っているなら、朝刊のことを考えてみるといい。朝届いていないときの憤りはどれほどか? コンテンツマーケティングでも同じマインドセットが必要である。コンテンツは一貫して、時間どおりに展開すること。コンテンツマーケティングの編集カレンダーを作成しよう

● 検索のことを十分考えていない──まず間違いなく、ウェブサイトへのトラフィックで最大の割合を占めるのは、検索エンジンからの流入だろう。検索されることを配慮してコンテンツを制作すれば、顧客がどのように問題点を話しているかに集中できる。あなたも見つけてもらえるはず

● コンテンツマーケティングのゴールは、顧客をなんらかの方法で「動かす」ことだ。われわれマーケターは、顧客によい影響を与え、顧客を引き付け、顧客の生活や会話に関与しつづけるためになんでもする必要がある

●ニーズを満たす──コンテンツには、何か顧客の満たされていないニーズや疑問に対する答えがなければならない。あなたが提供できる製品やサービス以上に、何かしらの方法で顧客に有用である必要がある

●定期的な発行を守る──出版社が成功している大きな特徴として、定期的な発行を守っていることがあげられる。月刊誌をとっていてもeメールでのデイリーニュースレターを購読していても、コンテンツは必ず時間どおりに、期待どおりに届けられる必要がある。実に多くの企業がここでつまずいている。どれほどコンテンツマーケティングに没頭していようとも、決まったときに届けなければならない

●人間味を持つ──あなたが報道機関でないことのよさは、あなた自身であることをはばむものは何もないということだ。あなたの声は何か(どんな発言ができるのか)を見つけ、それをシェアする。もし、あなたの企業のストーリーがユーモアであふれているのなら、その面白い話をシェアしよう。少し皮肉っぽくなったとしても、それはそれでかまわない

●視点を持つ──百科事典のコンテンツではない。歴史学のレポートを提出するわけでもない。あなたやあなたの企業が専門家として位置付けられる事柄について、意見を述べることを恐れてはいけない。

●売り込みを避ける──CMIのわたしたちが、単に自分自身のことだけでコンテンツを制作したときは、通常の啓発目的のコンテンツのページビューやソーシャルシェアのわずか25パーセントしか獲得できない。つまり、自分自身のことを語れば語るほど、人はそのコンテンツに価値を見出さなくなる

●その領域の第一人者になる──始めたばかりの頃はそこまで到達できないかもしれないが、コンテンツの究極的な目標は、その領域の第一人者になることだ。これは、あなたのコンテンツの専門領域で提供しているものが、見つけられ、入手できるものの中でとびきり上等なものでなければならないことを意味する。顧客の時間をあなたのコンテンツで使わせたいと思うなら、驚くほど価値のあるものを提供しなければならない

●リアルタイム・コンテンツ──あなたのコンテンツは、最新のトレンドや新しいストーリーをうまく利用しているだろうか

● 事実に基づくコンテンツ──あなたがどのような視点をとるにせよ、制作するコンテンツは事実に基づいていなければならない

● ビジュアルコンテンツ──2011年後期、コンテンツマーケティングのプラットフォームであるSkywordは、顧客のコンテンツをすべて分析した。その結果、画像入りのブログ記事は、画像なしの記事より91パーセントも効果をあげていることがわかった

● キュレーションされたコンテンツ──キュレーションプラットフォームを提供しているキュラタのCEOパワン・デシュパンデは、コンテンツキュレーションを「コンテンツそのものをただ制作するだけではなく、特定のテーマにもっとも関連した最適なコンテンツを発見、整理、シェアする作業」と定義している

● 他者のコンテンツを活用しストーリーを生み出している。あなたの仕事は、博物館のキュレーターと同じように、あなたの博物館が入場者不足で閉館に追い込まれないように専門性の高い領域で最高のコンテンツを発掘すること

●エピック・コンテンツマーケティングのプロセス。本来のエピック・コンテンツがどういうものからできているか理解できたことだろう。コンテンツマーケティングの組織的なプロセスを開発することがあなたの仕事だ。次章からは、以下のようなプロセスから始めよう。
・ゴール/目標の設定
・オーディエンスの定義
・オーディエンスの購買プロセスの理解
・コンテンツ・ニッチの選択
・コンテンツマーケティングのミッションステートメントの策定

●コンテンツマーケティングで成功したいのであれば、業界で絶対的に最高の情報を開発し、発行することを目標にすべきである。そうでなければ、顧客が関心を持つ理由などどこにあるだろう

●頼りにしている情報源は何か? なぜそれらに引き付けられるのだろうか? 何が特別なのか? あなたも同じように顧客の情報源のひとつになれるだろう

●普通の人間である事業主やマーケティング・マネジャーも、まさにここからスタートしなければならない。つまり、少なくともひとつは具体的な目標を持つということ

●編集者のように考える。わたしたちはみな編集者。そうとらえると、組織にとってのコンテンツとその重要性について、これまでとは違った考えが生まれてくるだろう。

●あなたがコンテンツを資産のように扱えば、周りの人間はコンテンツを、手を出そうかやめておこうか迷ってしまう「やわらかくてフワフワしたよくわからないもの」のように扱うのをいずれやめるだろう。打ち合わせや会話のたびに、「資産」という言葉を使うといい。じわじわと現実味を帯びさせるのだ。その地道な努力は伝染しはじめ、コンテンツは企業内で重要度を増すだろう

●あなたこそが、メディア企業なのだ。メディア企業としてマーケティング目標を達成するためには、定期閲覧チャネルにフォーカスせねばならない。定期閲覧チャネルを成長させ、繁栄させつづけるものは、一貫したエピック・コンテンツだけ

●次から次へとつながるようにコンテンツを作ろう──読者があなたのコンテンツを楽しんでいるうちに、あなたはその読者に必ずわかりやすい提案をして、コンテンツを次段階に進めること。つまり、閲覧者があなたのメーリングリストに載るのと引き換えに、あなたは価値のある電子書籍、研究レポート、ホワイトペーパーを提案するということ

● ポップアップ式広告を活用しよう──ひとりのコンテンツに触れる者としては、わたしもポップアップ/ポップオーバー式広告は大嫌いなのだが、コンテンツマーケターとしては大好き

●的を絞ろう──見る人に対して、オファーが多すぎる企業がなんと多いことか。問題を複雑にしてはダメだ。あなたの目標が定期閲覧であれば、もっとも(そして、唯一)大事なのは、定期閲覧への行動喚起のはず

●コンテンツマーケターとして、単に面白いだけのコンテンツを生み出してはならない。自分たちのビジネスを成長させたいからコンテンツを作る。この目標にきちんと照準を合わせること

●マーケティングを支出と考えるのはやめる。長期にわたってビジネスを成長させつづける、資産への投資と考えること。マーケティングを再生可能エネルギーのようにとらえれば、プランニングもがらりと変わってく

●プログラムを作るまえに、オーディエンスの層と、最終的にオーディエンスに何をさせたいのかを、しっかり把握しておく必要がある

●オーディエンス・ペルソナは、コンテンツマーケティング・プランの一部として使える役立つツールだ。あなたが話しかけ、対話する「誰か」だ。コンテンツマーケティング・プログラムに合わせてコンテンツを開発するとき、文脈をあたえてくれるのがペルソナだ。あなたはつねに、コンテンツ制作に協力してくれる社員、フリーライター、代理店、外部のブロガーなどと関わりがあるだろう。ペルソナがあれば、どんな人物に語りかけているものなのか、なぜそのコミュニケーションはビジネスにとって重要なのかについて全員が共通認識を持っていられる。

●メインとなるオーディエンス・ペルソナひとつから始めたらいい。それは一家の主婦だ(暖房、換気、冷房に関することはほとんど主婦ひとりで決めているのだから)。まずはそういう人から始めて、コンテンツ制作に慣れてきたら、次のオーディエンスに移ればいい

●オーディエンス・ペルソナがあれば、チームの全員が同じ認識を持っていられる

●グランド・カードニの著書『10倍ルール』(The 10x rule 未訳)の中のわたしのお気に入りは、困難な目標を立てるという箇所だ。「人生のどこかで成功する人は、自分をあえて困難な状況におく。一方、成功しない人は決断のときにいつも楽な道を求める

●信頼されるエキスパート あなたが本当に、話題にのぼるだけの価値のある製品やストーリーを持っているなら(もし持っていないならコンテンツマーケティング以前の問題だ)、着実に売り上げを伸ばすために業界で信頼されるエキスパートになることは重要

●たとえあなたが目標を大きく考えたいと思っても、実際のコンテンツニッチは小さくあるべきだということだ。どれくらい小さくあるべきだろうか? できるだけ小さく

●ペット用品店の例に戻ろう。おもなオーディエンス・ペルソナに目を向けると、ペットと一緒に旅行をするのが好きな年配の飼い主に関する問い合わせが、いちばん売れ筋の製品に関する問い合わせと同じくらい多いということに気付くだろう。そう! ペット用品一般のいちばんのエキスパートにはなれなくても、ペットと一緒に国中を旅行する年配の飼い主向けのペット用品についてのいちばんのエキスパートであれば、なれるはず

●Google Trendsを使って、これをもっと掘り下げてみよう。traveling with pets(ペットと一緒に旅行)のトレンドは、過去8年間でじわじわと落ちつづけている。これはこのトピックに関してあまり多くの人が検索していないことを示している。だが、ほかより抜きん出ている言葉が表示される「注目」タブをクリックしてみると、flying with pets(ペットと飛行機に乗る)、traveling with cats(猫と一緒に旅行)、traveling with dogs(犬と一緒に旅行)などが注目ワードになっていることがわかる

●市場を広くカバーしようとコンテンツ・ニッチを大きく定めたくなるのもわかるが、その衝動をぐっとこらえよう。ニッチを小さく定めることで、コンテンツマーケティングを大きく成長させるのだ

●もっとも価値あるオーディエンス、つまりは最上の顧客のうちのほんの数人のニッチに集中しよう

●ミッションステートメントは「なぜわれわれが存在しているのか?」という質問に、簡単な言葉で答えられるものでなくてはならない

●「なぜそうするか」は「何をするか」の前に来なくてはならないのだ。そんなことはわかりきっていると思うかもしれないが、ほとんどのマーケターは、ミッションステートメントや中核となる戦略がないままコンテンツを開発している。エピック・コンテンツマーケティングには、わかりやすく、それでいて揺るぎない「なぜ」が不可欠

●核となるターゲット・オーディエンス──忙しい母親(P&Gはサイト上ではオーディエンスを明確に説明していないが、これがオーディエンスだ) ・オーディエンスに届けられるもの──レシピ、刺激的なアイデア、斬新な収納術 ・オーディエンスが得られる成果──暮らしをよりよくする

●ビジネスやコンテンツにとって、コンテンツマーケティングのミッションステートメントはなぜこんなにも重要なのだろうか? あなたのチームはブログやFacebookページ、ニュースレターのために、すばらしいコンテンツ・アイデアをつねに作り出さなくてはならない。記事のアイデアが適切であるかどうかを判断する方法は、コンテンツマーティングのミッションステートメントに反していないか照らし合わせることなのだ

●権威になれる領域で勝負する クラフトフーズのメディアおよび消費者エンゲージメント担当取締役のジュリー・フレイシャーは、自分たちが権威となれるトピックに関してのみコンテンツ・プログラムを作るべきだと主張している

●コンテンツマーケティングは「あなたが何を売るか」ではなく「あなたが何を象徴するか」であるということを思い出してほしい。顧客や潜在顧客の情報へのニーズが何よりも優先される

●コンテンツマーケティングのミッションステートメントは、コンテンツマーケティング戦略を動かす基盤となるだけでなく、コンテンツ制作プロセス全体にも役立つ

●掲げる──ミッションステートメントをオーディエンスの目に留まりやすい場所に掲げよう。いちばんいい場所は、ブログやFacebookページ、あるいはメインのコンテンツサイト(例:アメリカン・エキスプレスのOPEN Forum)のような、顧客向けに開発された、製品指向ではないコンテンツのどこか

●広める──コンテンツマーケティングプロセスの関係者全員に、ミッションステトメントが行き渡るようにする。プリントアウトして壁に貼るよう、みんなに勧めよう。コンテンツ作成プロセスに関わる従業員だけでなく、パートナーのエージェンシーや、フリーランスの委託先にも配ろう。社内のコンテンツ・クリエーターがコンテンツミッションのすべてを承知していないことは非常によくあること

●リトマス試験紙──どんなコンテンツを作り、どんなコンテンツには手を出さないかを、ミッションステートメントを使って決めよう

●「あなたの顧客とあなたのビジネスにとって本当に重要な分野で、あなたがいちばんのエスパートになれるのはどこか?

● コンテンツマーケティングのミッションステートメントをうまく働かせるには、コンテンツ開発に特有の次の3点を明確に定める必要がある。(1)核となるターゲット・オーディエンス、(2)オーディエンスに届けられるもの、(3)オーディエンスが得るおもな成果

● 編集カレンダーについていくつか気付いたことがある。 ひとつ目は、どんなコンテンツマーケティング・プログラムにも、編集カレンダーは成功するために不可欠なものだということ。 そしてふたつ目は、ほとんどの企業で編集カレンダーが利用されていないということ

●作成したコンテンツ戦略に基づき、何から順に公開するかを決めるリスト──いまあるコンテンツの中で、デザインを改訂したりまとめ直したりする予定のあるものや、協力会社が制作するコンテンツ、まだ作成されていないコンテンツが含まれるリストになる。あなたの在庫一覧である

● 編集カレンダーは、プロセスの中でもっとも頻繁に使うことになるツールである。ドキュメントの組み合わせにせよ、1枚のスプレッドシート、オンライン製品のツール、チームに送信する月に1度のメールであったとしても、どの場合にも編集カレンダーが役に立つということが重要

●「カレンダー」と言えば、誰もが最初に思いつくのは、どのコンテンツをいつ作成するかの計画を導くためのものだろう。 しかしカレンダーにはもうひとつ重要な役割がある。コンテンツ・クリエーターや編集者、プロデューサー(もちろん、これらがすべて自分ひとりの場合でも)のツール

● 編集スタイルのガイドラインを作成していく基本となるのだ。 このスタイルガイドを、ソーシャルカンバセーションのスタイルガイド(つまりはソーシャルメディア・ポリシー)に発展させ、人々がいかに対応し、意見を交わすべきかのガイドラインとして利用することもできる

●結局、編集カレンダーはコンテンツマーケターにとってもっとも有効なツールになる。エピック・コンテンツは計画しなければ、エピック・コンテンツにはならない

●問題に焦点を合わせる。 「読者が抱えている悩みは何か? 彼らを眠らせないものは何か?

●時間とスキルが許すかぎり、ぜひ考えてもらいたいのが次にあげる質問と要因だ。あなたが手がけるすべてのインターネットコンテンツのコンテンツマーケティングとSEOに影響する。検討プロセスを容易にするために、短いチェックリストを用意した。ウェブサイトやブログで使うキーワードについて考える際に参考にしてもらいたい

●間違っても担当役員にアナリティクスレポートを見せるのはやめておこう。気にも留められないか、あれこれと質問されて無駄に時間をとられて終わりになるのが関の山だからである。担当役員は、コンテンツマーケティングの評価やROIのこととなると、次の3点しか気にしない。
・コンテンツによって、売り上げが伸びているか?
・コンテンツによって、コストを削減できているか?
・コンテンツによって、顧客満足度の向上、ひいては顧客維持を実現しているか?

●目標対効果──パート1 あらゆる目標対効果(ROO)プログラムの主要測定基準になるのは、売り上げ推移、影響力、顧客維持などだ(注意:わたしは、ROIの代わりにROOをよく使う。コンテンツマーケターの意識を真の目的に集中させてくれるからだ

 

マーケティングの歴史を知る~全史×成功事例で読む「マーケティング」大全 ~

 

マーケティングに注力するために、マーケ関連の書籍を乱読中。
複数の知識を出来る限り体系的に整理したい時に使える本。
顧客獲得から顧客維持を含め、顧客創造の歴史が網羅されている。
今、自分が必要としている知識は何か、
今、最も投資対効果の高い、自分の扱う製品、サービスに活用可能な知識は何か、
断片的な情報の整理整頓に役に立ったように思う。

 

【抜粋】
●社員満足度(ES)を高めると顧客満足度(CS)も向上し、企業の利益と企業価値の最大化につながるという因果関係を、次の7つにまとめている。
①社内サービスの質が高ければ、社員満足度は高まる
②社員満足度が高ければ、高い従業員ロイヤリティが生まれる
③社員のロイヤリティが高まると、社員の生産性が高まる
④社員の生産性が高まると、サービスの価値が高まる
⑤サービス価値が高まると、顧客満足度が高まる
⑥顧客満足度が高まると、顧客のロイヤリティが高まる
⑦顧客のロイヤリティが高まると、企業の業績向上につながる

●顧客のロイヤリティが高まると、企業の業績向上につながる理由として、
・リピート顧客が増加する
・自社にある他のサービスも利用してくれるようになり、1人当たり購買単価が上がる
・良いクチコミが広がり、集客効果が高まる
・値下げを要求されることが減り、高価格を受け入れてもらえる
・サービスをさらに高度化するために必要な顧客からのフィードバックが得られる

●オンラインでオークションを行う場合、知らない人間が相手を信用して取引をするのは難しい。そのため、まずはネット上でユーザー同士が信頼関係を築ける場になるように努め、イーベイを巨大なコミュニティに育成していく。イーベイ自身、同社の利用者を「コミュニティ(Community)」と呼び、「私たちを利用してくれるユーザーのコミュニティは、インターネット上で世界最大で、最もロイヤリティが高いオンライン・コマースのコミュニティの1つだ(Our community of users is the largest and one of the most loyal online commerce communities on the Internet)」としている。

●「オンラインの顧客を購入に至るまで誘導するプロセスをB2C(B2B)にならって、O2O(=Online to Offline、オンライン・ツー・オフライン)と呼びたい」と話したのが始まりだとされる

●初心者や表層的な分析しか行わない人と、マーケティングのプロとの差は、「それでどうなるのか?」という視点の有無にある。独自のマーケティング発想をしたいなら、「それでどうなるのか?」を突き詰めていくことだ

●プロやベテランのマーケターの場合、「高齢化」という言葉に対して、「高齢化が進むとどうなるのか?」「現在生じている問題が続くと、将来はどうなるのか?」という視点を加味して分析し、課題や仮説を導き、「高齢化」→将来年金支給額が減少する→そうなれば、65歳以降も働く必要が出てくる→だとすれば、1つの仕事だけで一生を終えるには長すぎる人生になる→その一方、少子化の影響で高齢者の雇用が必要になる企業が増える→年金の支給額が減らされない範囲で、働きたい人も増える→企業には、熟練した人材を安く雇用できる環境が生まれる→高齢者の教育機関や働く仕組みがよりいっそう必要になる。

●ビジネスで成功を収めるには、誰も考えつかなかった発想起点に立ち、仮説を導き出したうえで、理論や手法を駆使して環境分析と戦略立案を行い、新たに考え出した市場で勝負することだ。そこで重要になるのは、分析と発想のフレームワークを、そのつど別の視点や角度から分析し、フレームそのものも変えてみることに尽きる。

●STPとは、セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングだ。①市場を細分化(セグメンテーション)し、②市場(重点顧客層の場合もある)を特定(ターゲティング)して、③特定した市場(重点顧客層の場合もある)に対して競争優位性を確立(ポジショニング

●B2B市場には、大企業が参入してこない独自の市場が存在する。大企業が参入してこない市場に着目して市場を創造し、その市場で独占的地位を獲得している企業が、B2B市場には結構存在する。

●日本の世帯平均所得金額は549万6000円、中央値では438万円、総世帯数は5195万504世帯(そのうち単独世帯は1678万5000世帯)となっている。
①高所得者、1000万円を超える年収がある層で、上位11・3%が該当し、世帯数は約587万世帯。
②平均所得以上の収入がある層、年収500万円以上1000万円未満の層は31・1%で、世帯数は約1616万世帯。
③平均収入に届かない層、年収で200万円以上500万円未満の層は37・4%で、世帯数は約1943万世帯。
④低所得者、年収が200万円未満の層は19・9%で、世帯数は約1034万世帯。

●ニッチ市場事例
・薄毛予防のヘアケア(シャンプーなど)
・男性用かつら
・ダイエット食品
・カロリー制限食(糖尿病食)
・きのこ類だけの生産販売
・背が低い人や高い人、太った人向けの衣料
・飛行機や船舶、鉄道などに絞り込んだ雑誌やサイト
・消防車や救急車、キャンピングカーなどの特殊車両
・高額な宝飾品や時計
・登山などのアウトドア用品
・自動車やオートバイのプロレーサー用ヘルメットやレーシングスーツ
・書籍やベビー用品など特定の分野だけを専門に扱うサイト
・特定疾患の専門病院
・メニューのレシピ専門サイトや書籍・雑誌
・動画専門サイト
・ラブホテル、ビジネスホテル、リゾートホテル

●日本には、売り手の都合だけで商いをするのではなく、買い手にも喜ばれ、そして商いを通じて社会に貢献することを説いた近江商人の「三方よし(売り手よし、買い手よし、世間よし)」という行動哲学がある。

●ホリスティック・マーケティングは、単に「つくって売る」というオールド・エコノミーの発想ではなく、「何を提供するか」から始まり、「顧客の欲求を感じ取り、それに応える」ために必要なマーケティング概念。

●ホリスティック・マーケティングのポイントをネット社会の視点から見ると、
・発想起点は、「顧客の要望」から始まり、
・マーケティングするうえでフォーカスを当てるのは、「顧客価値」「コア・コンピテンシー」「協働ネットワーク」で、
・マーケティングするうえで活用するのは、「データベース・マネジメントとバリューチェーンの統合」であり、
・マーケティングする目的は、「顧客シェア、顧客ロイヤリティ、顧客生涯価値を高め、利益と成長の両者を追求する

●「イノベーション」には、
・既存製品の改良や改善を求める持続的イノベーション
・既存製品の存在や価値を否定してしまう力を備え、まったく新しい価値を生み出す破壊的イノベーション

●自社ブランドの魅力について、他のブランドとの違いを明確にするには
・顧客にしたい人と、顧客にしてはいけない人を明確に区別する
・万人に愛されようと考えない
・なんでも顧客の声は正しいと思い込まない
という視点も重要だ

●「文句が出ないようにする」ではなく、「期待を超える」視点で取り組み、顧客の期待を超え、強く印象に残る対応や感動の提供が、顧客をファンに変え、サポーターにする秘訣

●「友人や知人にすすめたいと思いますか?」といういわば究極の質問を行って指標にする「NPS(ネット・プロモーター・スコア)」と呼ばれる方法だ

●NPSは、顧客に対するアンケート調査で、「友人や知人にすすめたいと思いますか?」という設問を設け、それに対する回答を「非常にそう思う」は10点、「まったくそう思わない」を0点にする11段階評価をとる。0~6は「批判者」、7と8は「中立者」、そして9と10は「推奨者」とする。そして、次の計算式のように推奨者比率から批判者比率を引いたものがNPSになる。  推奨者の正味(NPS)=推奨者比率─批判者比率

●情報検索社会ではインバウンドのマーケティングが必然化し、こうした生活者の行動変化に対応したのが、インバウンド・マーケティングだ。情報を探している人に役立つ情報をネット上に用意し、その情報を見つけてもらい、商品を購入してもらったり、サービスを利用してもらったりする。そしてさらに共感してもらい、その商品やサービス、提供企業のファンやサポーターになってもらって、生活者に評価や推奨を発信してもらう取り組みのこと

●インバウンド・マーケティングを実践するために、企業はSEOに代表される対策はもとより、ブログや掲示板(BBS)、SNSでの評価を高め、生活者が情報検索する際に見つけやすい情報環境をつくり、そこに行かなければ見ることができない魅力的なコンテンツを提供するといった取り組みを行う(これをコンテンツ・マーケティングと呼ぶこともある。情報を探している人に役立つ情報をネット上に用意する。

(Ⅰ)「自社が最も重視したい顧客はどんな人なのか」を明らかにして、「顧客を設定」する。万人が必要とする情報は存在せず、企業が対象にしたい顧客のプロフィールを明らかにすることがまずは必要になる。例としては、次のような感じになる。
・おいしい料理を自分でつくりたい人(男性と女性、未婚と既婚で特徴や志向が変わってくる)
・小学生の子どもを持つ教育熱心な良心

(Ⅱ)設定した顧客が求めるテーマと情報を検討して抽出する。料理をつくるのに「時間をかける(休日用)」のか「時間がないのか(平日用)」
どもの教育に関して「普段の勉強方法」なのか「夏休みの宿題の取り組み」「受験対策」なのか、設定した顧客が最も必要とし、検索する可能性の高いテーマと情報内容に絞り

(Ⅲ)抽出したテーマと情報を、誰が、どのように加工し、どんな場所で発信すると、魅力的なコンテンツになるかを考える    絞り込んだテーマが「仕事を終えてから5分でつくれる本格料理」だとすれば、
・情報発信者(料理の先生なのかプロの料理人なのか、あるいはカリスマ主婦か)
・コンテンツ(料理方法やレシピを静止画かあるいは動画にするのか、レシピの見せ方はどうするかなど)
・どのような加工(電子レンジだけで調理できる、フライパンやお鍋1つでつくれるなど)
・どんな場所で(自社のHP、ブログ、検索広告、SNSなど) といった項目を検討する。

(Ⅳ)見に来たくなるように情報を演出・工夫してサイト上にアップする。

上記の手順を踏んだ後に、情報を加工して演出を加え、顧客が見たくなる見せ方を工夫して、サイト上にアップする。この際には、フェイスブックやツイッターのシェアボタンを必ず設け、情報が拡散するようにしておく。また、絶えず情報が更新されるように、定期的にコンテンツを制作し、サイト上にアップできる体制をつくって

●共感してもらい、ファンやサポーターとして評価や推奨を発信してもらう
(Ⅰ)自社サイト上にユーザーの声を書き込める機能をつけ、書き込まれた内容に必ず返信する体制を整える
(Ⅱ)ユーザーが持つサイト(フェイスブックやブログなど)で評価(良い場合も悪い場合もともに)してもらったら、必ずネット経由で御礼を伝える
(Ⅲ)ユーザーから積極的に参加してもらい、ネット上に多くの評価や推奨コメントを書き込んでもらえるように取り組む
・ユーザーに参加してもらう場づくり
・サポーター専用サイト
・ユーザーによるニュースづくりと発信する場の提供
・ユーザーの著名人化(目利きの人の紹介や達人に向けた支援)
・著名人や文化人のファン化やサポーター化
・ユーザー同士の交流機会の提供と情報発信
・熱烈なファンやサポーターがソーシャルメディア上で推奨してくれ、幅広い生活者に企業の商品

●アンバサダーの場合には、もともと企業や商品・サービスに対してファンやサポーターになっている。そのため、金銭などインセンティブがなくても推奨してくれることが多く、企業には貴重な存在だ。さらに、アンバサダーでありながら、インフルエンサーでもある人がいるため、こうした人たちの協力が得られるとその効果は絶大

①顧客に対するアンケート調査で「友人や知人にすすめたいと思いますか?」という質問を行い、推奨者をアンバサダーと考える
②ネット上の声に耳を傾け
③実際に行動を起こしている人を見つけ新たな顧客を紹介してくれる人や、自社の商品やサービスの購入につながるサイトや動画を作成してネット上に公開してくれている人を見つけ

①自社の商品・サービスに関心を持ち、実際に購入してくれてロイヤリティを感じてくれているユーザーへの対応。まず、この人たちからの声に真摯に耳を傾け、企業活動になんらかのかたちで参加してもらう機会を提供し、アンバサダーになってもらえるように取り組み
②通常のアンバサダーになってくれているユーザーへの対応。すでにアンバサダーとして協力を得られている人に対しては、一般ユーザーに対してのインストラクター役や先生役をお願いし、彼らの存在感を高める取り組みが有
③社会に対してネットを通じて最も影響力を発揮するコア・アンバサダーであるユーザーへの対応
●良品計画のソーシャルメディアの運用ポリシー(同社がツイッター、フェイスブックなどのソーシャルメディアを活用する際、ガイドラインとして、次の6項目が設定されている。 )
・握手するくらいの距離感
・法人格を逸脱しないよう一人称にせず、しかしその先には人がいることを感じさせる対応をする
・質問には可能なかぎり返信するが、判断に窮した際はお客様室と連携する
・押し売りをせず、商品PRはしても紹介にとどめる
・安売りチャネルにはしない
・原則として勤務時間内で対応す

●ソーシャルメディアで心がけている8項目 。良品計画がソーシャルメディアの運用に当たって心がけているのは、
①感謝のことばを返信する際はコピーペーストをしない
②多少のユーモアがコミュニケーションを円滑にする
③ソーシャルメディア内で話題になっていることを知り、踏まえておく
④相手の気持ちを二歩先まで読んで行動する
⑤顧客に対してあたりまえの対応をしていれば炎上しない
⑥あえて返信しない質問も存在する
⑦一つひとつの反応に一喜一憂しすぎない
⑧ソーシャルメディアの中の声が、世の中すべての声だとは思わない