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テクノロジーは人類をより幸せに出来る~ウェルビーイングの設計論 ―人がよりよく生きるための情報技術~

 

”人間がよりよく生きるとはどういうことだろうか?
心という数値化できないものを、情報技術はどうやって扱えばよいのだろうか?
本書は、このような問いに答えようとする者に対して、示唆に富んだヒントを与えてくれるだろう。
(「監訳者のことば」より)”

 

 

どういう事業を創りたいのだろう?「したい」ことよりも、「すべき」ことを優先することが多かったし、今でも多いのですが、最近は、使命感を抱きながら、仕事に取り組めることが増えてきたように感じています。

 

もともとポジティブ心理学のような学術領域には興味があって、いくつか書籍を読み込んできましたが、今年、本格的に、福祉業界に関わり始めたことで、IT業界、ゲーム業界で培ってきたことが、もっと人の役に立てる方法があるな、と思うことが増えていました。そのような関心のコンテキストから、この本と巡り会いました。

 

 

 

”動機づけとウェルビーイングは、緻密に混ざりあったものだ。動機づけは、何であれポジティブな行動を取るための基本となるものであり、やる気がないということは気分が落ち込んでいる証でもある。やる気に満ち溢れた人生は、それがない人生よりも豊かであるのは明らかだ。”

 

 

”動機づけとは、何かしらの行動を起こすきっかけである。そしてその行動が、“継続したい”という衝動によって維持されるとき、私たちは「没頭」している状態にあると言える。”

 

動機付け、モチベーション、そのものを目的にすると、陳腐な議論も、ウェルビーイングを実現するために、必要なこととすると、なんだか扱い方が変わるから面白い。

 

”随伴的に報酬を与えること(「これができたら、これがもらえるよ」という形で報酬を与えること)は、それ自体が楽しいはずのものを仕事にしてしまい、内発的動機づけを次第に低下させ、ついには、私たちが動機づけられるために常に報酬が必要となるかもしれない。内発的動機づけは、質の高い学びや、自分の能力の知覚、持続力、創造性、ストレスへの肯定的な対処、そしてウェルビーイングと結びつくものである。それを妨害することは生産的でないだけでなく、巷で言われているように、社会に広がる問題を引き起こす要因ともなりえるのだ。”

 

”今日のテクノロジー・デザインにおいて、あらゆるタイプの内発的・外発的動機づけが最も明確な形で実装されているものはゲームであり、ゲームの構造をゲームでない場面に応用すること、つまり、「ゲーム化(gamification)」が行われている。情報技術や研究に関する顧問会社であるガートナーは、「2014年までに50%以上の組織が、イノベーションの過程をゲーム化しているだろう」との見解を発表した。ゲーム化は、内発的動機づけを損なうこともあるだろうが、それと同時に、本来はつまらない課題に「楽しみ」の動機づけを加える効果的な方法として、多くの用途で使用される可能性がある。また、能力の成長を教えてくれるフィードバックとしても機能するかもしれない。”

 

僕たちは、今、福祉×ITを標榜し、新たな価値を創ろうと向き合っているところですが、ゲームの力を、福祉の現場に持ち込むことで、より良い影響を創ることが出来るということにも、注目し始めていました。

 

旧態依然とした福祉業界においては、支援する側も、支援される側も、みなさんにとっての当たり前が横行していて、新しいことに挑戦しづらい空気があるのですが、IT業界や、ゲーム業界における動機付けやモチベーションの力で、大きな変化を創っていけるのではないかと思っています。

 

”単純に言ってしまえば、固定的マインドセットを持つ人は、自身の能力は生得的な才能に基づくものであり、知性は生まれながらにして与えられたもので、変えることはできないと考え、対照的に成長的マインドセットを持つ人は、自身の能力は時と共に発達し、向上させることができると考える。後者の考えは、神経的可塑性や後生的遺伝学の最近の発見とも合致するものである。このような、私たちが私たち自身をどう捉えるかについての2つの微妙な違いが、行動やウェルビーイングにおいて決定的な違いをもたらすのだ。”

 

 

”自動ケアシステムの開発が増えている。その主な目的は、一人暮しの高齢のユーザーに交流を提供することだ。そのようなエージェントは、心身の健康に関する指導や、認知処理を活性化する活動を提供するかもしれないが、同時に、ユーザーに“社会的サポートを得ている”という感覚を与えることを目的として、多種多様な社会行動に従事させる。社会的サポートを得ているという感覚は、一人暮しの高齢者の死亡率を減少させる重要な要因であることが示されている。ある研究では、孤立した高齢者にこのようなコンパニオン・エージェントを提供すると、一週間後の孤独感が低減することが示された。また、エージェントに対して頻繁に話しかけたユーザーほど孤独を感じにくいこともわかった。”

 

最後に、本書を紹介してながら、議論を掘り下げているコラムを見つけたので、ご紹介。

 

複雑化する社会を良く生きるためにテクノロジーでできること

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”この本は作り手側の本ですが、作り手だけがウェルビーイングを意識していたら、ウェルビーイングのプロダクトにならない気がするんです。

ユーザー側にとってもウェルビーイングです、となるためには、ユーザー側と作り手側の両方が透明性を確保して、このマップを共有しておく必要があるのではないですか?”

 

かなり読み応えのある論考でした。実社会に導入する、浸透させていく上で、どのような課題があるのか、多角的な視点で考えさせられました。

 

自分の脳は騙せる! 医師直伝「ご機嫌脳」のつくり方(dot.)

””「ご機嫌な人というのは、不機嫌な状態が良くないというのを知っている人。自分が安心して気を許している時こそ、甘えが生じて不機嫌になりやすいものです。不機嫌になれば、自分のみならず周囲も不快にさせることを理解して、なるべく不機嫌な時間を減らす努力をすべきでしょう」””

 

https://dot.asahi.com/wa/2017011900187.html

 

KS → 当たり前だけど、ご機嫌な人と一緒にいると楽しい。