正負の法則 一瞬で人生の答えが見つかるドクター・ジョン・F・ディマティーニ


本書は、精神性、霊性、スピリチュアルな要素を取り入れつつも、左脳的な理論や科学的な説明、量子物理学の視点などから、僕たちの日常に深く根ざした「バランス」という概念に焦点を当て、それをどのように理解し、活用するかを探求させてくれる類のもの。

好き嫌いが分かれそうな書籍ではありますが、2023年後半の自分にとっては、素直に受け入れやすい表現が多かったです。(逆に言えば、人生のタイミング次第では、受け入れ難い表現も多かったです、20代中盤~30代中盤くらいの期間は、この手の自己啓発×スピリチュアル的な書籍は嫌いでした)

ディマティーニ氏は、感情の高ぶりを抑え、心のバランスを保つことの重要性を強調しています。特に興味深いのは、彼の量子物理学と心理学の組み合わせで、スピリチュアルな要素を論理的、そして実践的な視点で捉える方法を提示しています。

ビジネスマンとしての理性優位に過ごすことが多い自分としては、日々の決断において、極端に理性的感情的に反応するではなく、よりバランスの取れたアプローチを取ることに向き合わされました。特に、困難な状況に直面した時に、冷静に状況を分析し、中立的にあるべき(というか究極的には中立的でしかありえない)ということを学びました。

「正」と「負」の要素、たとえば、幸せと悲しみ、喜びと苦痛、支援と試練など、全ての対極がバランスを保って存在している、と。ポジティブな考え方に偏ることや、悲しみの伴わない幸せや幸せの伴わない悲しみが存在しない、と。

本書を通じて、人生のバランスの重要性を再認識しました。改めて、何事も、極端に偏ることなく物事を受け入れ、常にバランスを保つことを心がけ、自分自身、そしてチームの成長と幸福を追求していきます。

””私たちは誰でも二面性の中で生きています。一人一人が相反する側面を持っています。精神を高揚させる面と落ち込ませる面です。人間は自分自身を称賛したり批判したりします。あなた以上にあなたを褒めたりけなしたりする人はいません。誰も自分自身について考えるほど熱心に長時間他の人のことを考えてはいないからです。誰かが自分に向かって何らかの反応を示す時それは単に自分自身の抑圧された一部がその人に反映しているだけです。誰も私たちを不当に扱ったりしていないのです周囲の人は自分自身を映し出しているのです。””

””あなたが自分自身の人生の指揮者になりたいと思うなら自分の考え方や感情を安定させる必要があります。安定とは無関心になったり無感動になったりすることではありません。感情的に過度に高ぶったりせず心が落ち着いてバランスが取れている状態のことです。心は精神が目覚めてバランスを取っている時にだけ開くことができます。一方感情に支配されてバランスを失うと心は閉ざされてしまいます。愛は2つの要素で成り立っています。支援と試練です。誰かを支援すると弱くて依存心のある人間にしてしまう可能性があります。一方誰かに試練を与えるとそれによってその人を強くて自立した人間にする可能性があります。私たちは人に対して思いやりのない集中したと感じると自責の念に駆られますがそれはバランスに気がついていないからです。””

””苦痛を伴わない快楽、非難を伴わない賞賛、意地悪さを伴わない親切を追い求めることは人が陥る幻想の中でも最大の幻想の一つです。二面性のあるこの宇宙で偏った幻でしかないものを期待すると人が苦しみと呼ぶものが生まれます。バランスを受け入れる時、真実の愛があなたを取り巻きます。真実の愛を避けることはできません。逃げることは不可能です。他に行く場所はないのです。このことを理解すると、恐れや罪悪感が消えてあなたは自分の人生とダンスを踊れるようになるのです。””

””対極にある素粒子の間にある中心点が光です。対極にある感情の間にある中心点が愛です。全ての人間はすでに中心点にいますがその感覚をはっきりと捉えるのが難しいので、さらに中心点を求め続けます。私たちの究極の目的は真実の愛です。何か他のもの物質的ではない物質的で儚いものを求めていると思うことがあるかもしれませんが、一時的な目標を追い求めていてさえ、私たちは愛という真実に引き戻されます。あらゆる人間関係の目的は、視界を遮る障害物を取り払って、すでに存在している愛に気づき、究極的には愛である私たちの本質を表現することです。あなたがこれまでに出会ってきた人は皆、時と場合によって親切だったり、意地が悪かったり、支援を与えてくれたり、試練を課してきたり、快楽の種だったり、苦痛の種だったり、魅力的だったり、不快だったりしたはずです。人間関係の目的は幸福ではありません。喜びと悲しみの組み合わせが真の充足をもたらします。喜びを期待するのは半分だけ満たされる状態を求めているということで、悲しみを避けようとするのは別の半分だけを空洞にする状態になるということです。私たちが喜びと悲しみの双方の進化を認めた時初めて、完全な充足感を得ることができるのです。””

””悲しみが意味するのはあなたが憤りを感じており、まだ愛せていない自分自身の一部を目の前に突きつけられているということです。怒りを感じるのは偏った見方をしているからに他なりません。あなたの人生に関わってくる人々はその点に注目させるための反面教師です。あなたを一番怒らせる人たちこそが一番素晴らしい反面教師なのです。あなたが偏った見方をやめてバランスを取り戻すと反面が湧いてきますが、バランスを取り戻せなければ自分を怒らせる人たちを非難し続けることになるのです。自分が見ないようにして愛してこなかった部分に気づかせてくれ、愛する機会を与えてくれたことを他者に感謝するのが知恵です。知恵によって成長するとあなたは他者をありのままで受け入れて愛することを学びます。また他者が与えてくれる恩恵を見いだせるようになります。””

””価値観は空虚感のようなかけている何かがあるという感覚に基づいています。しかし質量保存の法則によれば欠けたり失われたりするものは何もないので、ただその存在する形に気づいていないだけです。あなたはそれが欠けていると思い込んでいるので、それを求めているのです。手に入れる過程を後押ししてくれるなら良いものだと考え、その邪魔をするなら何でも悪いものということになるのです。””

””人生の質は自分に投げかける質問の質で決まります。ですから今日しなくてはならないことは何だろう?とか、何が必要なんだろう?と考えるのはやめましょう。今日心から大好きで喜んでしたいことは何だろう?、人生で心から大好きで喜んでしたいことは何だろう?と問いかけましょう。異なる問いかけをすれば、異なる人生が待っています。自分にどう問いかけるかで現実をどう創造するかが決まるのです””