成果をあげるための習慣「正しい疑問を持つこと」


 

 

会社が、事業が、どんなに厳しい状況にあっても、
周りに悟られるような態度を取らないと、決心している。

だからこそ、普段から、背筋を伸ばし、
あまりにネガティブな思考に囚われ過ぎぬよう、
過剰に気をつけている。

しかし、だからこそ、その姿勢を保とうとする慣性が、
強く働き過ぎている時があるのではないか?と、疑い深くなることがある。

僕は、そのような「疑問」を持つこと、持ち続けることは、
成果にコミットしようとする、プロ意識を持つ者として、
当然のものであると考えていた。

ただ、その疑問が必ずしも正しいものではない、
ということも同時に意識しなければならないと思う。

様々な意見を鵜呑みにし過ぎてもいけないし、
様々な状況に右往左往し過ぎてもいけない。

他方で、
様々な意見を素直に受け入れるべき時もあるし、
様々な状況に順応し改善、改良するべき時もある。

これらの「バランス」を取ることは、
思いの外、容易ではなく、数多の経験を要するものではないかと考えている。

僕は、この本に出会って、
経験しなければ身につけることが出来ないかもしれない原則(経験則)のようなものを、
なんとなく、今の自分の心の中に、深く深く、噛みしめて受け入れることが出来た。

本は、読むタイミングによって、
本当に様々な表情を見せてくれる。
人との出会いも同じかもしれない。
いや、目の前で起こる、あらゆる物事は、所詮、自分次第で、どのようにでも解釈できるものだろう。

なにはともあれ、
類似形態の書籍と比べても、
非常にシンプルで本質的なことを分かりやすく伝えてくれる内容であった。

感謝。
【抜粋】

● 卓越したリーダーシップを発揮するのに、 すべての問いの答えを知っている必要はない。 むしろ決め手となるのは、 重要な問題に向き合う勇気を持つこと

● 自信を失って先が見通せない時期にどう対処するかで、潜在能力を発揮できるか否かが決まります。重要なのは、苦しい時期を避けることではありません。苦しい時期に物事を客観視し、分析し、立て直して前進するには、どうすればいいかを知っていることなのです。

● リーダーにとっては、闘いの九〇%は一歩離れて状況を把握し、時間をかけて本質に関わることに疑問を抱くことだ、と。というのも適切な疑問を抱くことで、洞察し、状況を立て直し、状況を前進させることができるから。

● 押さえるべきポイントは二つあります。「的を射るような疑問を抱くこと」、そして「定期的に物事から一歩距離を置いて疑問を抱く習慣を身につけること」です。

● 会社の土台となるもの、それがビジョンと優先事項です。明確なビジョンとそれを実現するために優先してやるべきことを定め、それを社内と主な関係者に広く周知しなければなりません。

● 会社がうまくいかないときは、ビジョンと優先事項が不明瞭だったことに原因があることが多いのです。

● まずは「この組織のビジョンは何か?」を考えてみてください。あなたは、将来何を成し遂げたいですか? 組織の売りは何ですか? あなたはなぜ貴重な時間をその組織で過ごしたいのですか?

● ビジョンがモチベーションとなって、毎朝、従業員はベッドから起きて会社に向かい、ベストを尽くしてくれるのです。ビジョンとは会社に託すあなたの夢です。時間をかけてビジョンを練り上げることが、抜きんでた会社の土台を築くための第一歩なのです。

● はっきりした目標があると、誰でも毎朝ベッドから飛び起きて、もうひと頑張りしようという気になるものです。その目標を達成すると、深い満足感が得られますし、いろんなメリットも期待できます。

● かつてはビジョンとして「社会的意義」や「顧客やコミュニティの役に立つこと」を掲げていた。だが、今ではビジョンの実現よりも、利益を上げろというプレッシャーの方が強いのではないか?

● 一度迷走した企業は、リーダーがその会社ならではの能力と本質的価値に基づいて明確なビジョンを掲げるまで、混乱が続きます(取締役会から発破をかけられて、リーダーが動く場合もあります)。 言い換えれば、ここで必要なのは「自分たちは何者で、どこへ向かおうとしているのか」を確たる言葉で表現することなのです。

● 主なタスクを〈レベル1〉~〈レベル3〉に分類するといいでしょう。〈レベル1〉は、絶対にうまくやらなければならないタスク。〈レベル2〉は必須ではあるものの、最善を尽くす必要はないタスク。〈レベル3〉はやる方がいいものの、失敗しても、まったくやらなくても問題はないタスク。私はよく「全力」と「ほどほど」という言葉で使い分けます。あなたのタスクのなかで、全力レベル(つまり、完璧を目指すレベル)でやらなければならないタスクは何で、ほどほどレベル(つまり、やらなければならないが、クオリティは重要ではない)でやれるタスクは何ですか。

● 優先すべきタスクを三~五項目に絞り込むには、重要度に応じてタスクを三つのカテゴリーに分け、最終的に「ビジョンを実現するために、絶対に失敗できないタスクは何か?」に当てはまるタスクに集中することです。

● 「タスクを五つに絞り込めないんですか?」驚いた私は、思わず口走りました。私が彼の部下だったら、どの仕事に集中すべきか迷ったに違いありません。

● 伝えるだけでなく、しつこいぐらいに繰り返す ビジョンとその実現に必要な具体的な優先事項を決めたら、それをみんなに伝えなければなりません、それも一度ではなく何度も。

● 困難な時期こそ、コミュニケーションの頻度を増やす。

● ストレスの多い困難な時期にこそ、リーダーはビジョンと優先事項をしつこく伝えるべきなのです。将来の見通しが立たないときは、素直にそう伝えればいいのです。ただし、この困難な時期に従業員に何をしてほしいかは必ず伝えるようにしてください。

● あなたの従業員たちは、会社または部署のビジョンと優先事項をそらんじることができますか? みんなに訊いてみてください。すぐに言えないようなら、ビジョンと優先事項を伝える回数を五倍に増やすといいでしょう。

● 問題は何でしょうか? CEOは会社の優先事項でも何でもない業務に、不相応に力を入れていました。おまけに、先代から受け継いだ事業――赤字続きで再びもうかる見込みがない事業――に情熱を注いだことは、彼がビジネス・ロジックではなく感情に流されやすい人間だということを示唆しています。

● 繰り返します。迷ったときは、「このタスクは、他の社員でもできるか?」と自問することです。

● 時間管理で重要なのは、継続的に見直すこと、つまり定期的に疑問を持つことです。企業では、大きな投資判断は定期的に客観的な観点から検証されます。同じように、あなたの時間の投資方法についても冷静に検証してください。

● 優先項目を三~五つ程度紙に書くことです。仕事上の優先事項をいくつかと、それから自己啓発的な項目も一つか二つ加えます(たとえば、聞き役に徹する時間を増やすとか、部下の指導にあたる時間を増やす、など)。その紙をオフィスの壁にピンで留めて、毎日目につくようにします。誰かがオフィスに来て私に頼みごとをしてくるたびに、私はこの紙を見てから判断を下しましょう。

● 会社が成功するには、有能な人材を採用して育成し、会社に定着してもらうだけでなく、会社の目標を達成できるよう彼らを管理することが不可欠だからです。そのためには、コーチングと人事評価のプロセスを整える必要があります。

● フィードバックとは、優先事項への取り組みを強化し、組織のミッションの実現に向けて方向性を調整するための重要な手段なのです。

● コーチングとは何か? 「従業員の具体的な強みを二~三項目、それから具体的な弱みも二~三項目見つけだし、その人がその弱みを克服し、強みをもっと生かせるようトレーニングしたり、段階的な行動計画を立てたり、フォローアップを行なったりすること。

● 年度末査定で不意打ちをくらった部下は、そのような手のひら返しを深刻に受け止めます。働きやすい職場に欠かせない、信頼とコミュニケーションでできた関係は修復できないほどに壊れます。

● 傷ついた部下は組織への信頼を失い、やる気を失い、ヘッドハンターからの電話に嬉々として出るようになるかもしれません。最終的に、その部下が「不意を突いて」会社を去ってしまうことも珍しくありません。

● 「驚かせてはいけない」 私がいつも査定で気をつけているルールに、「驚かせてはいけない」というルールがあります。言い換えれば、部下にはじめて改善点を指摘したのが年度末査定だったとすれば、私がヘマをしたということです。

● コーチングを年に数回行ない、彼らの評価を率直に伝えると共に、彼らの強み、弱み、改善策などを話し合うようにしました。できるだけ頻繁に、かつ率直に話し合う方がいいでしょう。

● コーチングはリーダーにとって最も重要な仕事です。

● 彼らにはあなたのフィードバックが必要であり、もらう資格もあります。多くのタスクは誰かに依頼できますが、これは例外です。時間を作りましょう。

● 人と衝突したくない 組織で十分にコーチングが行なわれていない理由の一つは、相手と対決しなければならないからです。リーダーのなかには、部下をしっかり観察し、必要なデータを集め、弱点を明確に把握する人もいます。にもかかわらず、その弱点をきちんと伝えて、改善案を出すことができず、言わざるを得ない状況に陥るまで放置するのです。

● 過剰なコーチングが原因で会社を辞めた部下はほとんど見たことがありません――建設的な方法でコーチングを受けている限りは。他方で、ストレートに指摘してもらえず、上司への信頼を失ったがために会社をやめた部下は大勢見てきました。

● 彼らはどこへ行ったと思いますか? ほとんどの人は、きちんと指導を受けられて、成長できる新たな職場を探し出しました。もっと気楽な会社も、もっと手ぬるい会社も選びませんでした。彼らが転職した会社は、リーダーが率直に課題を突きつける会社でした。

● マネージャーは、時間をかけて部下に彼らの強みと弱みを教え、彼らがもっと成長するには、あるいは問題点を改善するにはどうすべきかを話し合い、定期的に進捗状況をモニタリングし、フォローアップすることが重要。

● 新入社員全員に「フィードバックをもらうのは、一〇〇%きみたちの仕事だ。自分の強みと弱みを把握し、弱みを克服するために行動計画を練りなさいと伝え、マネージャーたちにも「部下にフィードバックを与えるのは、一〇〇%きみたちの仕事だ。」と。

● 大切なことは、貴重なフィードバックを大量に隠し持っている部下に、あなたの方から働きかけてそれを聞き出すことです。それも早い段階で、かつ頻繁に聞き出さねばなりません。

● 集団ではなく一対一で話しかけること。一般社員は、人前で堂々とあなたを批判したりはしないものです。一対一の面談なら、あなたに心を開いてくれる可能性が高くなります。

● ああ、耳が痛い! そのような状況に遭遇したら、平静を保ち、その人に丁寧にお礼を言い、親しい友人や家族に電話してその批判が正しいかを訊ねましょう。電話を受けた相手は、大抵こう言うでしょう。「ああ、確かに。あなたってそういうところがあるよ」 こうしたやり取りの後は、真実を打ち明けてくれた勇気ある部下に話しかけてあげてください。お礼を言い、指摘された弱点を克服しようと努力していると伝えましょう。

● フィードバックを求めるのは、人気取りのためでも、パフォーマンスのためでもありません。あなたの業務の問題点を、早い段階から改善するためです。

● 建設的な批判も真摯に受け止め、学び、改善するために努力し続ければ、部下や同僚は自然にあなたをサポートしようという気持ちになるものです。

● 概して、成功している企業には学びの文化があり、肩書きに関係なくすべてのプロフェッショナルが向上しようと全力を尽くし、最終的には自らのポテンシャルを開花させていきます。

● 仕事中は直属の部下と積極的に関わるものの、職場から離れると個人的な付き合いを控えるようにしていました。リーダーが社交的に振る舞うことや、主要な部下たちと親しくなりすぎるのは良くないと考えていたのです。「昇進したければ、管理職はCEOと友だちにならなければならない」とまわりから誤解されるのを恐れていたのです。

● この会社は公平ですから。ここでは仕事の成果で社員を評価してくれます。CEOは、好き嫌いとかではなく、仕事ぶりで私を評価してくれるんです。この会社には精巧に練られた育成プロセスがあります。そのプロセスに従って課題を克服し、指導を受け、役割を全うすれば、自分の力を証明できるんです。

● ビジョンと優先事項について定期的に考えておくべきだったな。苦しいときこそ、そういうことを真剣に考えるべきだったんだ。

● 踏み込んではならない聖域はないと、伝えてください。それから「きみたちの提案をすべて採用するとは限らない。しかし私は、みんなの意見が知りたい。アドバイスを参考にして何らかの改革を行なうつもり・

● 組織のなかの誰よりも見られています――それも、全員の目から。オフィスのドアは開いているか? どこに座っているか? オフィスの内装はどうか?(誰のお金で内装を施したのか?)一日中オフィスに閉じこもっているか? 社内を歩きまわるか? 従業員たちと一緒におしゃべりしながらランチを取ることはあるか?不機嫌そうか? 笑っているか? 表情から、何を感じ、何を考えているか読み取れるか? ボディランゲージに傲慢さや優越感が表われているか? それとも従業員に敬意を払い、個人的に親しくなりたいと思っていそうか? エレベーターに乗ったときにどんな行動を取るか?うつむき加減でぽつんと立っているか、まわりの人たちと楽しそうに話すか? 部下と接するときよりも、目上の人と接するときの方が愛想がいいか?――要するに、相手の地位によって態度を変えるか?状況が悪くなると、責任逃れして他人のせいにするか? それとも、たとえ自分が悪くなくとも、責任を取ろうとするか? 掲げている目標通りに行動するか、それとも口先だけの人間か?食事は、社員食堂か役員用のダイニングルームか、どちらで取りますか?従業員に定めたルールとは違うルールに従って生活していませんか? だとしたら、その理由は何ですか? あなたに「特別扱い」が必要であり、自分にはその価値があると思うその根拠は何ですか?レストランでどう振る舞ったか、清掃作業員にどう話しかけたか、社内の従業員にどう接したか――きみがどういう人間かを知りたくて、みんながきみの行動をつぶさに観察するんだよ。要するに、きみは『最高位のお手本』になったんだ、と。

● 物事がうまくいかないときにどう振る舞うかで、人々はあなたを判断します。あなたはキレますか? 不機嫌になりますか? 責任逃れをしますか? チームの信頼を失おうがお構いなく、他人のせいにしますか? あなたに八つ当たりされるのを恐れて、誰もあなたに悪い情報を教えてくれませんか?

● プライベートでも仕事でも、貯金する、贅沢しない、定期的に日記をつける、ボランティア活動で気分転換をはかる、趣味に打ち込むなどでしたが、どれもが困難な時期に自分を保つのに役立ちました。それから「会社を去る心づもり」をしておくと気が楽になります。つまりこの仕事を辞めても生きていけると自覚するのです。そのためには、「仕事に対する他人の評価で、私の人生が決まるわけではない」と考えましょう。

● 「学ぶのをやめたとき、人は終わる」――これと同じ主旨の言い回しをこれまでに何度くらい耳にしてきましたか? この言葉を真剣に受け止めていますか? 生涯学び続ける覚悟はありますか? 是非とも生涯学び続けてください。卓越したリーダーになるためには絶対必要な資質です。

● 老若男女を問わず万人に私が強くお勧めするのは、お金を貯めること。

●通常のスケジュールのなかに、バッファを作る 週のうち何日かは夕食時間までに帰宅しましょう。

●自分のケアを優先する 体に支障がなければ、定期的に運動しましょう。

 

 


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