昨年、アラフォーと言われる年齢を迎えました。10年以上コミットしてきた会社は、急成長しています。トライアスロンを本格的に始め、肉体は衰えることなく、人生で最も活き活きしているようです。
そんな自分ではありますが、突っ走ってきて、お休みが必要というか、立ち止まって考えるべき時かもしれないと考えることがあって、本書を手に取りました。
本書を読んでみて、結局のところ、人生を愉しむために、挑戦を続けるために、長い長い道のりだから、うまく休みを取りましょうね、と捉えました。
””人には自分を変えるべきときがある ──ヒロミ 周囲から仕事の仕方や自分の見せ方、生き方などについて変化を求められた経験があるだろうか? 「昔のやり方にこだわるな」 「そんなやり方じゃ、今は人が付いてこないぞ」 そんなふうにアドバイスされると、そのときは多かれ少なかれ抵抗感を持つものだ。 「ヒロミさん、もうちょっと丸くなれない?」と言われたとき、僕も変わることができなかった。 ””
””40 歳で自分が躓いた原因は「変化できず」「修正できなかった」ことにある。それは引き出しがなさすぎたということだ。時代が変化して、自分自身も変わるように求められたのなら、変われるかどうか、どう変わるべきかを検討するべきだ。 ””
””新しいことに挑戦せず、難しい問題から目を背けて、今までのやり方に身を任せるのは惰性にすぎません。普通にしていれば誰でも安定を求めるのだから、自分で自分を律していくしかありません。 ””
””そこで役立ったのが、長い小休止の間にやっていたトライアスロンの経験だった。 最初の競技のスイムでは海を前にして、1000人以上が一斉に飛び込む。水泳が得意ではない自分は毎回、「ゆっくり自分のペースで」と思うのだが、身体をぶつけ合いながら進むスタート直後の激しさの中でオーバーペースになってしまう。 そんなとき、いつもしていたのが落ち着くためのルーティン。1回泳ぐのをやめて小休止する。海面に浮いて、大きく息を吸い、自分に「泳げる、大丈夫だ」と言い聞かせ、周囲には「どうぞお先に行ってください」と考える。””
僕もトライアスロンをやっているので、とても納得できる比喩でしたが、別に、トライアスロンじゃなくても良くて、自分のペースってやつを大事にしようよ、と。オーバーワークになって、自分のペースで、自分のパフォーマンスを発揮できないなら、深呼吸(小休止)しようよ、と。
””日常の中で自分の思い込みの枠から抜け出すためには、自分を俯瞰で見る癖をつけることだ。ジムのスタッフにも、「自分の斜め上にカメラがあると思ってみろ」とよく言っていた。今ならドローンが飛んでいて、自分を撮っているイメージだ。 カメラの向こうにはオーナーである僕や他のスタッフ、お客さんがいる。そうしたら仕事ぶりが変わってくるはずだ。一人でフロアを掃除したら、誰も見ていないと雑になる。””
挑戦を続ける日々の中では、自分を客観視しているようで、思いの外、自分の枠の中で、考えてしまっていることが多いということを、ヒロミさんや、藤田晋さんは、仰っているように感じました。お二人のような挑戦者たちが語る「小休止」は、あくまで、挑戦を続けるための「小休止」であるということですね。
””ジムに来るお客さんはある程度のトレーニングを受けると、必ず一度は壁にぶつかる。 何のために今をがんばるのかがわからなくなるからだ。 ジムでのマシンを使った筋トレやランニング、トレーナーとマンツーマンで行われるトレーニングは基本的にしんどい。人は自分に甘い生き物で、お客さんはプロのアスリートでもないから、しっかりとした目的がないとトレーニングのためのトレーニングになってしまって、続けられなくなる。 そこで、僕らはトレーニングの出口を用意する。””
凡人である自分も、出口、すなわち、挑戦の結果、得たい成果、成功のイメージを、しっかり持ちながら、山あり谷ありの人生を楽しみ続けたいな、と。
そのために、自分のペースをつかみ、最高のパフォーマンスを発揮し続けられるよう、ちゃんと、深呼吸(小休止)していこうと思いました。自分らしさを見失いそうなアラフォー世代に、オススメでございます。
●目次
はじめに──ヒロミ
第1章 人には「立ち止まる」ときがあっていい
タイミング
変化
結果
遊び
引き際
第2章 自分と向き合う
プライド
下山
理不尽
時間
不安
勇気
第3章 焦らない、走らない
壁
不調
嫉妬
逃避
シンプル
楽観
友達
家族
第4章 新たな一歩を踏み出す
浮上
演出
直感
チーム
力加減
第5章 休みがながれを引き寄せる
お金
歯車
俯瞰
犠牲
勝負
義理
おわりに──藤田晋