Dark Horse 「好きなことだけで生きる人」が成功する時代


2021年、学校卒業前後に読んだ書籍。Want toまみれで生きる人生を、コーチとして引き出していく訓練を積んでいたとき、自分自身の好きなこと、Want toまみれな状態とは、どういう状態なのだろうか、と問い続けていたときに出会いました。

ダークホースという名前が、日本人にとっては、しっくり来ない気もしますが、内容そのものは、とても腹落ちするものでした。現代は、標準化の時代から個別化の時代になった。そんな時代の中で、個性を活かし予想外の活躍をする人のことをダークホースと呼び、ダークホースという存在は、充足感を追い求めたあとから成功がついてくる傾向にあるという。


確かに、これだけ情報が溢れ、マスメディアではなくSNSなど情報が細分化され、主体的に生きようと思えば、いくらでも主体的に生きることが出来る環境の中で、自分が心から納得できる、充足感に満ち溢れたことに没頭し、いつの間にか、とてつもない成果を創り上げているということは、多いにありそうなものだと思います。

以下、引用。


””おそらく、私たちが研究者になれたのは、単なる強運によるのだろうが、ひとつだけ確かなこととして言えるのは、「なんらかの成功を私たちが手中に収めたとしたら、それはすべて、既存のゲームのルールを破ったからに他ならない」 ということだ。反抗心や思い上がりからではなく、あくまでも 仕方がなかったから だった。ルールに従おうと何度も試みたのに、ことごとく失敗に終わったのだから。 ””

””さらに深く掘り下げるにつれ、ダークホースたちの充足感が偶然ではないことが明らかになった。それは彼らの選択だったのだ。この「充足感の追求(the pursuit of fulfillment)」という、何よりも大切な決断こそが、ダークホースを究極的に定義づけるもの なのだ。 ””

””充足感をもたらす環境は、人それぞれに異なる。一個人の興味・関心・必要性・欲求はそれぞれに異なるからだ。ダークホースたちは「何かに成功すること」で充足感を得たのではなく、「自分自身にとってかけがえのないことに熱心に取り組むこと」で充足感を得た のだ。 ””

”” 充足感と成功を獲得するための重要な鍵は、「自分の興味や関心、能力に合わせて環境を選ぶ権利をもっていることに気づく」 ということ。この発想は次のように言い表せるだろう。 「個性を生かして、充足感と成功を目指せ」 ””



””ダークホースたちは、それぞれの個性を生かして充足感を得ようとする。その充足感が、成功を得るうえで最適な条件をつくり出すというのだ。これを効果的におこなうためには、可能な限り徹底的に自己分析をする覚悟が必要だ。自分の興味と欲求を把握することによってのみ、本来の自分自身に最適な機会を見極め、それを受け入れることができる。 ””


””自分のモチベーションの本質を理解することが、充足感を得るために不可欠である。 あなた独自のやる気を発揮することによってのみ、あなたは本来の自分の存在意義も、自己としての完全性も実感できるからだ。ダークホース的な考え方から引き出される主要な課題は、個性を生かすことであり、この課題遂行が始まるのは、「自分を本当にやる気にさせるもの」 を見定めようとあなたが決めた瞬間だ。 ””



””充足感は、成長と発達と自己改善によって常に育まれなければならない動的な体験である。あなたが向上しようと努力することを止める瞬間は、充足感が弱まり始める瞬間なのだ。あなたの行く道に行き止まりはない。自分自身を封じ込め、本当の自分をさらに実感できる機会を逃した途端、あなたは安定と心地良さよりもっと重大なものを危険にさらすことになる。  その重大なものとは、あなたの目的意識である。””



””ダークホースたちは「目的地」を無視する。しかし「目標」は無視しない。 ダークホース的な考え方では、この二つに明確な違いがある。   目標は、常に個性から出現する。さらに厳密に言うと、能動的な選択から生まれるものだ。””

””つまり、あなたのファジーな強みにフィットする戦略を探すのは、〝上達〟を目指して登ろうとする山の、最も険しい急斜面を探す ということである。  自分の個性に適した戦略を選べば、あなたはあっという間に急斜面を登ることができる。自分に合わない戦略を選んだら、ゆっくりと時間をかけて登るか、あるいは、少しも上に進めなくなってしまうだろう。””



””オックスフォード英語大辞典は、「充足感」をこう定義している。「潜在能力を充分に伸ばした結果として得られる満足感や幸福」──悪くない定義である。だがもちろん、どのようにして得られるかには言及していない。  どのようにすれば、あなたの潜在能力を充分伸ばし、満足感と幸福感を得られるのだろう?””



””なぜ組織は、そこに所属する個人に選択権を譲り渡したくなるのだろうか? 「平等なフィット」を提供する組織は、個別化の時代では繁栄するからだ。これは机上の空論ではない。今この瞬間にも、あなたが民主的な能力主義のもとで全生涯を送ることは可能だ。その方法は、現在の誕生まもない「平等なフィット」を提示する健全な組織に参加することである。””

””ある個人による充足感の追求は、必ずその隣人たちに利益をもたらし、その一方で、隣人の充足感を増加させるその行為が、その当人にさらなる充足感を実感させる ことになる。  スコットランドの哲学者ヘンリー・ホーム=ケームズ卿が、最初にこの概念の初期形態を表現した人物かもしれない。彼はこう書いている。 「人間には善意の原理があり、それが人間を社会全体の平等な幸福の追求へと駆り立てる。””


                ””組織にすべての個人の充足感追求を保障するよう義務づけ、同時に、市民に不可欠の義務として充足感を義務づける社会は、あらゆる場合において、才能開花と充足感のポジティブサム・ゲームを実施することになるだろう。――ひとつの決定的な前提が成り立つならば。すなわち、 個人的な充足感を達成した人は誰でも、その人を支えた社会に対して恩返しがしたいと自然に思うようになる、という前提である””