ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣~幸福は追求できないものであり、結果として起こるのみだ、と語っ た。願望は追究できる。そして、喜びが行動の結果として起こる。~


「愛と希望、Love and Hope」という概念が好きだ。家族を、会社を、チームを、自分を、社会を、地球を愛しているという、愛されているという実感を感じながら、未来に希望を持ち続けることが出来る人生を歩み続けていたい。

僕は、若者のように騙されやすい自分で在りたい、すぐに希望を持つから。僕は、若者のように騙されやすい自分で在りたい、希望を持って生きていきたいから。

””希望は経験とともに小さくなり、受容に置きかわる。 最初に機会が訪れたとき、こうなるだろうという希望がある。期待(欲求)は、 明るい見通し にのみ基づいている。二回目では、期待は現実に根ざしている。プロセスがどのように働くか理解しはじめ、希望はしだいに、正しい予想とあり得る結果の受容へと置きかわっていく。これが、最新の一攫千金の技や減量法に絶えず手を出してしまう理由である。新しいプランは希望をもたらしてくれる。期待の基になる経験がないからだ。新しい戦略は無限に希望を持てるので、古いものより魅力的である。アリストテレスが記したように、「若者はだまされやすい。すぐに希望を持つから だ」。おそらく、こう変えたほうがいいだろう。「若者はだまされやすい。希望しか持たないからだ」。期待の基になる経験がないためである。はじめのうちは、あなたにあるのは希望だけなのだ。””

幸福は追求するものではなく、結果として起こる。他方で、願望は追究できる。そして、その過程、状況を変えたいと望み、それを得るまでの過程に、思い通りにいかない苦悩を味わいながらも、同時に、喜びが行動の結果として起こる。思い返してみると、苦しみと、喜びが、シーソーのように、交互に込み上げてくる人生を過ごしてきたような気がする。

””幸福とは要するに、願望がない状態である。 きっかけを見ても、自分の状態を変えたいと思わないなら、今の状態に満足しているということだ。幸福とは喜び(楽しみや満足)の達成ではなく、願望がないことである。それは、ちがうふうに感じたいという衝動がまったくないときに訪れる。幸福とは、自分の状況をもう変えたくないときに感じる状態のことだ。  でも、幸福はいつしか消え去る。新しい願望がつねに現れるからだ。キャド・バドリスが言うように「幸福とは、ひとつの願望が満たされたときから、新しい願望が生まれるまでの期間である」。同じように、苦しみとは、状況を変えたいと望むときから、それを得るまでの期間だ。   わたしたちが追い求めているのは喜びという 考え である。 わたしたちは心のなかで作り出した喜びのイメージを求めている。行動するときは、そのイメージを得たらどうなるのかわからない(満足できるのかさえわからない)。満足感はあとからやってくる。オーストリアの神経科医ビクトール・フランクルはこれについて、幸福は追求できないものであり、結果として起こるのみだ、と語っ た。願望は追究できる。そして、喜びが行動の結果として起こる。””

けれど、今まで以上に、目標達成そのものではなく、その歩みそのものを、すなわち、仕組みそのものを創ることを楽しもうと思う。仕組みを創る目的はゲームをしつづけること。本当に長続きする考え方は、目標を抜きにし、達成を目的にするのではなく、終わりのない改善と継続的な向上のサイクルについて、もっともっと掘り下げていくことに向き合っていこうと思う。

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Generative AIによる以下一部抜粋を受けた書評

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習慣がもたらす成果について

習慣の影響

結果とは、習慣の影響をあとから測る遅行指数のようなものです。私たちが持つ財産や体重、知識、がらくたは、それぞれの習慣の遅行指数です。これらの遅行指数は、自分が繰り返した行動を手にすることになるため、日々の選択が10年後や20年後にどんな成果をもたらすか見ることができます。例えば、毎月の収入よりも支出の方が少ないか、毎週ジムに行くようにしているか、毎日本を読んだり新しいことを学んだりしているかなど、小さな選択や努力が未来を決めるのです。

失望の谷

習慣を身につけるプロセスは、初期や中期の段階には「失望の谷」がよくあるものです。直線的な進歩を期待している人は、最初の数日間、数週間、そして数カ月でさえあまり変化が見られないことにがっかりすることがあります。しかし、これはあらゆる形成過程の特徴であり、もっとも強力な成果は遅れて表れるものです。つまり、習慣も決定的な境界を超えて新しいレベルの成果を引き出すまで、なんの違いももたらしていないように見えることが多いのです。

潜在能力のプラトー

良い習慣を身につけることや、悪い習慣を断つことに苦労している人は、進歩する能力がないからではなく、たいていは「潜在能力のプラトー」をまだ超えていないせいだと言えます。懸命に努力しているのに成果が出ないと愚痴をこぼしている人は、温度をマイナス三度からマイナス〇・五度に上げて角氷が解けないと文句を言っているようなものです。努力は無駄にはなっていないのです。すべての変化は摂氏〇度で起こるものであり、強い意志力や継続的な努力を通じて、潜在能力のプラトーを超えることができます。

結論

習慣は私たちの人生に大きな影響を与えます。習慣を身につけるプロセスには「失望の谷」があるものの、継続的な努力によって潜在能力のプラトーを超えることができます。小さな選択や努力が未来を決めるため、自分が望む未来に向けて、今日から習慣を変えることが大切です。

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一部抜粋

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””結果とは、習慣の影響をあとから測る遅行指数のようなものだ。財産は、金銭習慣の遅行指数。体重は、食習慣の遅行指数。知識は、学習習慣の遅行指数。がらくたは、掃除の習慣の遅行指数。自分が繰りかえしたものを手にすることになる。  自分の人生がどこへ行きつくのか予想したいなら、小さな利益、または小さな損失の曲線をたどって、日々の選択が一〇年後や二〇年後にどんな成果をもたらすか見るだけでいい。毎月の収入より支出のほうが少ないだろうか。毎週ジムに行くようにしているだろうか。毎日本を読んだり新しいことを学んだりしているだろうか。このような小さな闘いがあなたの未来を決めるだろ

””同じように習慣も、決定的な境界を超えて新しいレベルの成果を引き出すまで、なんの違いももたらしていないように見えることが多い。どんな目標でも、初期や中期の段階には「失望の谷」がよくあるものだ。直線的な進歩を期待しているので、最初の数日間、数週間、そして数カ月でさえあまり変化が見られないことにがっかりする。なんにもならないように感じられる。それがあらゆる形成過程の特徴であり、もっとも強力な成果は遅れて表れてくるもの

””もし良い習慣を身につけることや、悪い習慣を断つことに苦労しているなら、それは進歩する能力がないからではない。たいていは、「潜在能力のプラトー」をまだ超えていないせいだ。懸命に努力しているのに成果が出ないと愚痴をこぼしているのは、温度をマイナス三度からマイナス〇・五度に上げて角氷が解けないと文句を言っているようなものだ。努力は無駄にはなっていない。蓄積されているだけだ。すべての変化は摂氏〇度で起こる。  ついに「潜在能力のプラトー」を打ち破ったとき、まわりの人は一夜にして成功したと言うだろう。世間はもっともドラマチックな出来事だけを見て、それまでの一切は見ようとしない。でもあなたは、今飛躍できるのはずっとまえの――なんの進歩もないように見えたときの――努力のおかげだと知って

””結果は設定した目標とはほとんど関係なく、取り入れた仕組みに左右されると気づくようになった。  仕組みと目標の違いはなんだろう? その区別を最初に学んだのは、コミック『ディルバート』の作者である漫画家スコット・アダムスからだった。目標は達成したい結果であり、仕組みはその結果へと導くプロセスで

””より良い結果を得たいなら、目標の設定は忘れよう。かわりに仕組みに集中しよう。  つまり、どういうことだろう? 目標はまったく無意味なのか? もちろん、そうではない。目標には方向を定める効果がある。だが、仕組みは進歩するのに最適である。目標について考えるのに時間を費やしすぎて、仕組みを考える時間がないと、いくつかの問題が生じて

””目標達成は生活を 一時的に 変えるにすぎない。これは改善について考えるとき、直観に反する考え方だろう。わたしたちは結果を変えなければと思いがちだ。しかし結果は問題ではない。本当に変えなければならないのは、結果をもたらす仕組みである。結果レベルで問題を解決すると、一時的に解決するだけだ。永久に改善するためには、仕組みレベルで問題を解決する必要がある。入力するものを直せば、出力結果は自ずと直るだろ

””どんな目標にも次のような暗黙の了解がある――「目標に達したら、幸福になれる」。目標第一主義の問題は、目標の次の節目まで幸福を先延ばしにしつづけることだ。わたしも、数えきれないほどこの罠にはまってきた。何年ものあいだ、幸福はつねに未来のものだった。筋肉があと九キロ増えたら、または自分のビジネスがニューヨーク・タイムズに取りあげられたら、そのときやっとくつろげるのだと自分に約束したものだ。  さらに、目標は「二者択一」という対立を生み出してしまう。目標を達成して成功を味わうか、達成できずに失望するかのどちらかである。幸福の意味を狭くして、自分を心理的に閉じこめてしまう。これは間違った考えだ。人生で歩む現実の道が、はじめに思い描いた旅路どおりになることなどありえない。成功への道はたくさんあるのに、ひとつのシナリオどおりでないと満足できないと制限するのは無意味で

””仕組み第一主義なら、それに対処できる。結果よりプロセスを心から大切に思うとき、幸福になるのに待つ必要などない。仕組みが進んでいれば、いつでも満足できる。そして仕組みは、はじめに思い描いたものだけでなく、さまざまな形で成功を収めることが

””目標設定の目的はゲームに勝つことだ。一方、仕組みを作る目的はゲームをしつづけることである。本当に長続きする考え方は、目標を抜きにした考え方だ。それは何かひとつの達成だけを目指すものではない。終わりのない改善と継続的な向上のサイクルについて考えることだ。突きつめれば、あなたの 進歩 を決めるのは、 プロセス にしっかり取り組むかどうかで

””第一層は結果の変化である。 この段階は成果の変化に関係している。体重減少、本の出版、選手権優勝などだ。設定する目標のほとんどが、変化のこの段階にあたる。   第二層はプロセスの変化である。 この段階は習慣と仕組みの変化に関係している。ジムで新しいルーティンを実行する、作業しやすいように机の上を片づける、薬の飲み方を変えるなどだ。身につく習慣のほとんどがこの段階にあたる。   もっとも深い第三層は、アイデンティティー(自己同一性)の変化である。 この段階は信念の変化に関係している。世界観、セルフイメージ(自己像)、自分自身や他人への評価などだ。自分が持つ信念、思いこみ、偏見のほとんどがこの段階に

””一パーセントの改善の仕組みを築くことに関していえば、問題は、ひとつの段階が他より「いい」とか「悪い」とかではない。すべての段階の変化がそれぞれに役立つ。問題は変化の 方向 である。  多くの人は、 何を 達成したいかを意識して習慣を変えようとする。これは結果ベースの習慣になりやすい。別の方法は、アイデンティティーベースの習慣を身につけることだ。この方法では、 どのような人になりたいかに意識を向けて変化に着手

””個人や組織や社会について考えても、同じような例がある。仕組みを形づくる信念や思いこみがあるように、習慣の背後にはアイデンティティーがある。  自身と矛盾する行動は長続きしない。もっと豊かになりたくても、もしあなたのアイデンティティーが収入以上に消費するような人なら、稼ぎより多く使いたくなるだろう。健康になりたくても、達成感より快適さを優先しつづけるなら、トレーニングよりのんびりするほうに惹かれるだろう。過去の行動に引きこもうとする根本的な信念を変えなければ、習慣を変えるのは難しい。新しい目標や計画を立てても、自分の人となりはそのままだから

””本当の行動変化は、アイデンティティーの変化である。やる気があれば習慣を始められるかもしれないが、その習慣を続けられるのは、自分のアイデンティティーの一部になったときだけである。誰でも一、二回はジムへ行ったり、健康的な食事をしようと自分に言いきかせたりすることはできるが、その行動の背後にある信念が変わらなければ、長期的な変化を続けるのは難しい。自分の人となりの一部となるまでは、その改善は一時的なものにすぎない。 ・目標は本を読むことではなく、読書家に なる ことである ・目標はマラソンに出ることではなく、ランナーに なる ことである ・目標は楽器の演奏を習うことではなく、音楽家に なる ことで

””つまり、習慣はアイデンティティーを変える道だといえる。あなたの人となりを変えるもっとも効果的な方法は、行動を変えることだ。 ・一ページ書くたびに、あなたは作家になる ・バイオリンの練習をするたびに、あなたは音楽家になる ・トレーニングを始めるたびに、あなたはアスリートになる ・従業員を励ますたびに、あなたはリーダーになる   どの習慣も成果を生むだけではなく、はるかに重要なことを教えてくれる。それは、自分自身を信じることだ。実際にこういうことができると信じられるようになってくる。票が集まり、証拠が変わりはじめると、自分に語りかける言葉も変わりだす。  もちろん、これは逆の方向にも働く。悪い習慣を選ぶたびに、そういうアイデンティティーに一票を投じることになる。ただありがたいことに、あなたは完璧でなくてもいい。どんな選挙でも、両方のサイドに票が入るものだ。選挙に勝つには、満場一致ではなく過半数の票が必要なだけだ。よくない行動や無意味な習慣に数票入れてしまってもかまわない。目標は、そのときの大部分を勝ち取ることだ。  新しいアイデンティティーには新しい証拠が必要だ。いつもと同じ票を入れつづけていれば、いつもと同じ結果を得るだろう。何も変えなければ、何も変わらない。   以下がシンプルな二段階のプロセスである。 一、どのようなタイプの人になりたいかを決める 二、小さな勝利で、自分自身に証明する””

””第一段階は、 何が 欲しいかでも、 どう なりたいかでもなく、 どのような人になりたいかである。自分がなりたいタイプを知ることが必要だ。そうしなければ、変化への探求は、舵のない舟のようにさまよってしまう。だからこそ、ここから始めるのである。  あなたには、自分について信じていることを変える力がある。アイデンティティーは不変ではない。いつでも選ぶことができる。今日の習慣を選ぶことによって、今日強めたいアイデンティティーを選ぶことができる。そうすることで、本書にこめられた深い目的と、習慣が大切である本当の理由にたどりつけるだろ””

””・変化には三つの段階がある― ―結果の変化、プロセスの変化、アイデンティティーの変化。 ・習慣を変えるのにもっとも効果的な方法は、達成したいものではなく、なりたい人に意識を向けることだ。 ・アイデンティティーは習慣から生まれる。あらゆる行動が、なりたいタイプの人へ一票を投じることになる。 ・最高のバージョンの自分になるには、つねに信念を修正し、アイデンティティーの改善と拡大をする必要がある。 ・習慣が大切な本当の理由は、良い成果を得られるからではなく(得ることはできるのだが)、自身についての信念を変えることができるから””

””習慣は、経験から学んだ心のショートカットである。ある意味で、習慣とは問題解決のため過去に採用したステップの記憶にすぎない。条件が合うたびに、この記憶を利用して、自動的に同じ解決法を当てはめる。脳が過去を記憶する主な理由は、未来に何が役立つかをうまく予測するため だ。  習慣形成が非常に役立つのは、意識が脳の重荷になっているから だ。意識は一時にひとつの問題にしか注意を払えない。そのため、脳は重要な作業すべてに意識的注意を保とうと、つねに働いている。すると意識はできるだけ作業を無意識に追いやって、自動的に行わせようとする。これこそまさに、習慣が形成されるときに起こっていることだ。習慣は認知的負荷を減らし、心の能力を解放するので、他の作業に注意を向けられるように””

””行動を変えたいときはいつも、自分にこう訊けばいい。   一、どうしたらはっきりする?   二、どうしたら魅力的になる?   三、どうしたら易しくなる?   四、どうしたら満足できるものに

””結論ははっきりしている。いつ、どこで新しい習慣を行うか明確な計画を立てる人は、最後までやり通す可能性が高い、ということ だ。この基本的な点をはっきりさせずに、習慣を変えようとする人があまりにも多い。「もっと健康的な食事をしよう」「もっと文章を書こう」と自分に言い聞かせながら、いつ、どこで、その習慣を始めるのかは言おうとしない。「思い出したらやろう」とか、適切なときにやる気になるだろうとか、チャンスや希望にまかせている。実行意図は、「もっと運動したい」「もっと成果をあげたい」「投票しなければ」という曖昧な考えを一掃し、具体的な行動計画に変えるもの””

””モチベーション不足だと感じるとき、じつは足らないのは明確さであることが多い。いつ、どこで行動するか、たいていはっきりしていない。なかには、改善するのにふさわしいときを一生待っている人もいる。  いったん実行意図が決まると、やる気がわいてくるのを待つ必要はない。「今日、一章分書くか、やめておこうか? 今朝、瞑想しようか、それとも昼休みにしようか?」などと、そのたびに決める必要もない。あらかじめ立てた計画にただ従うだけだ。  この方法を習慣に適用するには、次の文を完成させるだけでいい――わたしは〈いつ〉〈どこで〉〈何を〉””


・背景の小さな変化によって、時とともに行動を大きく変えることができる。
・どの習慣もきっかけによって始まる。わたしたちは目立つきっかけに気づきやすい。
・良い習慣のきっかけを、環境のなかで目立つようにしよう。
・習慣はしだいにひとつの引き金だけでなく、行動を取りまく背景全体と結びついてくる。すると、その背景がきっかけとなる。
・新しい環境のほうが、新しい習慣を身につけやすい。古いきっかけと闘わずにすむから


””非常に自制心がありそうな人々を分析すると、そのひとりひとりは、自制できずに苦しんでいる人と大して違いがないことがわかった。そのかわり、「自制心のある」人は、たいそうな意志や自制心が いらない ように、生活を設計することに長けてい た。いいかえれば、誘惑的な状況には、なるべく身を置かないということだ。  もっとも自制心のある人は、たいていもっとも自制心を使わない人だ。自制心は、あまり使わなくていいときに練習しやすい。そう、たしかに、忍耐力や根性や意志の力は成功するのに不可欠だ。だが、こういう資質を向上させる方法は、もっと自制心のある人間になりたいと願うことではなく、規律正しい環境を作ることで””


””それより確実なのは、悪い習慣を元から断つことだ。悪い習慣をやめる実際的な方法は、習慣を引き起こすきっかけを避けることである。
・仕事ができそうになければ、スマートフォンを数時間、別の部屋へ置こう。
・つねに満たされていないように感じるなら、ソーシャルメディアで、嫉妬や羨望を感じる人をフォローするのをやめよう。
・テレビを見るのに時間を使いすぎるなら、テレビを寝室から他へ移そう。
・電子機器にお金を使いすぎるなら、最新のテクノロジー製品のレビューを読むのをやめよ


””本番前の緊張。 多くの人が、大きな発表や大事な試合のまえには不安を感じる。呼吸が速くなり、胸がドキドキし、覚醒状態になる。もしこの感覚をネガティブにとらえると、恐れたり緊張したりする。ポジティブにとらえると、なめらかに優雅な反応ができる。「ああ、緊張するな」という状態を、「ああ、ワクワクするなあ。集中できるようにアドレナリンが出てるんだ」というように、捉えなおすことが””


””わたしはよく、一息入れるたびにソーシャルメディアに惹きつけられる。ほんの一瞬でも退屈だと思うと、スマートフォンに手をのばす。このささやかな気晴らしを「ちょっと休憩してるだけさ」とすませることは簡単だが、やがて積み重なれば深刻な問題になりかねない。「もう一分だけ」といつも引き伸ばしてしまい、大事なことが何もできなくなってしまう。(わたしだけではない。人は平均して一日に二時間以上、ソーシャルメディアで時間をつぶしている。一年に六〇〇時間も余分にあったら、どんなことができるだろ””


””行動経済学者はこの傾向を「時間割引」と呼ぶ。これは、脳による報酬の評価は、時間と相反するということ だ。あなたは未来より現在を高く評価する。たいていの場合、この傾向は役に立つ。未来にもらえる かもしれない 報酬よりも、今 確実に もらえる報酬のほうが通常は価値が高い。でもときどき、すぐに得られる喜びを好む傾向が、問題を起こすことも””


””ここで注目すべきなのは、あなたのアイデンティティーを強化するような短期報酬を選ぶことが大切であり、それに反する報酬を選んではいけないということだ。新しいジャケットを買うことは、減量や読書が目標なら大丈夫だ。でも予算を立てて節約するのが目標なら、これではうまくいかない。かわりにバブルバスに入ったり、のんびり散歩したりするのが、自分に自由時間という報酬を与えるよい例である。このような報酬なら、自由と経済的自立を手に入れたいという最終目標とうまく合うはずだ。同じように、運動の報酬がアイスクリームを食べることなら、望んでいるのと反対のアイデンティティーに一票を投じているようなもので、結局失敗するだろう。かわりにマッサージを報酬にすれば、ぜいたくな雰囲気を味わいながら、身体を手入れすることもできる。これで短期報酬が、健康な人になるという長期目標と一致””


””自分には楽しいのに、他の人には仕事だと思えるものは?  その仕事に向いているかどうかを示すのは、あなたがそれを好きかどうかではない。その仕事に伴う苦労に、他の人より耐えやすいかどうかである。他の人が文句を言っているのに、自分は楽しんでいるのは、どんなときか? 他の人が感じるほど辛くない仕事が、あなたに向いた仕事である。   時間を忘れてしまうものは?  フローというのは、目の前の仕事に集中して、他のことが目に入らなくなるときの精神状態をいう。幸福感と最高のパフォーマンスが一体化したこの状態を、アスリートやパフォーマーは「ゾーン〔完全な集中状態〕」に入っているときに経験する。フローを経験したことがあるなら、少なくともある程度満足できる仕事が見つからないことは、まずありえないだろ””


””熟練するには練習が必要だ。でも、何かを練習すればするほど、退屈で日常的なものになってくる。初心者がある程度上達し、期待したものを学んでしまうと、興味がだんだん薄れてくる。ときには、もっと早くそうなることもある。数日続けてジムへ行こうとか、決まった時間にブログに投稿しようと決めていても、一日さぼっても大したことはないと感じるだろう。物事はうまくいっている。いい状態なら、一日の休みくらい正当化するのは簡単だ。  成功をもっとも脅かすものは、失敗ではなく退屈だ。わたしたちは習慣が楽しくなくなると飽きてしまう。結果も予想がつくようになる。そして習慣がつまらなくなると、新しいものを求めようとして進歩から脱線しはじめる。おそらくこれが、ひとつの運動から次のものへ、ひとつのダイエットから次のものへ、ひとつのビジネスアイデアから次のものへと移っていく、終わりのないサイクルにはまってしまう理由だろう。ほんの少しでもモチベーションが下がると、今までのやり方にまだ効き目があっても、新しい戦略を探し””


””また、「決断日記」をつけている重役や投資家をわたしは知っている。この日記に、毎週行った大きな決断と、その決断をした理由、期待している結果を記録する。月末か年末に自分の選択を振りかえり、どこが正しくて、どこが間違っていたかを見直すという。 *決断日記をつけることに興味ある方のために、テンプレートを作成した。以下のサイトの習慣日記のところに入っているのでご覧いただきたい。https://jamesclear.com/habit-journal ””


””*わたしの昨年の「年一回の見直し」を以下のサイトでご覧いただける。https://jamesclear.com/annual-review 一、今年、何がうまくいったか? 二、今年、何がうまくいかなかったか? 三、何を学んだか?   六カ月後、夏がやってくると、「誠実(integrity)レポート」を書く。みんなと同じように、わたしもたくさんのミスをする。誠実レポートによって、どこが間違っているかがわかり、正しい方向へ軌道修正することができる。わたしはこのレポートを、自分の基本的価値観に立ちかえり、それに沿って生きているかどうか考える機会として用いている。それは、自分のアイデンティティーや、なりたいタイプの人になるにはどう努力すればいいかについて、熟考するときだといえるだろ


””毎年、わたしの誠実レポートでは、次の三つの質問に答えることにしている。 一、わたしの生活や仕事を導いている基本的価値観は何か? 二、今、どのような誠実さを持って生活や仕事をしているか? 三、どうしたら、将来もっと高い基準を設けられるか?   このふたつのレポートには大して時間がかからない。毎年ほんの数時間くらいだが、自分を磨くための大切な時である。よく注意していないと、しだいにコースから外れてしまうものだが、それを防いでくれる。また、望ましいアイデンティティーに立ちかえって、なりたいタイプの人になるには習慣がどのように役立つか考えるようにと、毎年思い出させて””


””次に挙げる『道徳経』〔老子の作とされる中国の古典〕からの引用が、この考えを要約している。   
人は柔らかく、しなやかに生まれ   
死ねば、堅くこわばる。   
植物は柔らかく、しなやかに生え   
枯れれば、乾いてもろくなる。   
それゆえ、堅くて融通の利かない者は   
みな死の弟子である。   
柔らかくて従順な者は   
みな命の弟子である。   
堅くこわばる者は破れるであろう。   
柔らかくしなやかな者は勝つであろう。


””願望のまえに気づきがある。 欲求は、きっかけに意味を与えたときに起こる。脳は今の状況を表現するために感情や感覚を作りだしている。つまり、あなたが機会に気づいたあとで欲求は起こる。””