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当たり前の再定義。『ガーバー流 社長が会社にいなくても回る「仕組み」経営 (中経出版)』を読んで。

「仕組み」を創った方が良いなんて、誰だって分かってる。
すでに十分、仕組みを作っているよ。マニュアル創りは、お手の物だ。
そんな風に考えているビジネスマン、経営者は、世の中に山ほどいるだろう。

僕も、ある程度のことは、
それなりに、やってきた「つもり」だった。
しかし、自分が考えていた「仕組み」は、
十分なものでないと、改めて思い知ることになった。

もしかすると、ある程度のレベルの会社を経営している方々にとっては、
この書籍に書かれているような「仕組み」を創ることは、当たり前のことなのかもしれない。

そういう、誰かにとっては、もしかしたら、当たり前かもしれないことを、
僕自身は、僕の周囲の人達は、気付けていないだけなのかもしれない、という風に考えるようになった。

どんな書籍を読んでも、
どんな先輩経営者の話を聴いても、
鵜呑みにするには、
結局のところ、前提条件が違い過ぎて、参考にならない、
そんな風に考えることも多かったし、
実際に、社内で、何かを動かそうとした時、
一筋縄に行かないために、なんとなく推進し切れずに、済ませてしまうことが多かった気がする。

しかし、今年は違う。
過去の自分たちを全否定し、
改めて、自分たち「らしさ」を追求していこうと考えている。

自分たち「らしさ」を再定義すること、
つまりは、自分たちの「強み」を再定義し、それを強化していくということ。

日々是新、とは言うけれど、
今年こそ、圧倒的に学び続け、実践し続け、
着実に、確実に成長し続けていきたいと思う。

【抜粋】
● ほとんどの中小企業が失敗に終わってしまう理由は、この3つの人格のバランスが取れていない経営者があまりに多いからだ。ガーバーは、9割方の経営者は「起業家」の人格を持っておらず、「職人」のままに留まっていると看破している。

● 「人材志向」から「仕組み志向」に考えを転換することだ──そうガーバーは言う。  人材志向とは人中心で考えること。 「この仕事はAさんにはできるけど、Bさんにはできない」という考え方である。  一方、仕組み志向とは人に依存せずに、誰がやっても同じ結果が出るような仕組みをつくる考え方だ。AさんにもBさんにもできる状態をつくるわけである。

● 「人」に依存しないで「仕組み」に依存する。

● 冷静に考えてみてほしい。 「3人の店長に裏切られた」といえば、たしかにそうなのかもしれないが、彼らはそれぞれの店舗で身につけた自信と実績をベースに、「独立」という至極まっとうな選択をしただけだ。  ここで問題だったのは、3人の店長の忠誠心をしっかりと握っておかなかったことではない。  むしろ、太田社長が「経営者のやるべき仕事」をしていなかったのである。  3人の従業員が退職しただけで、ビジネスが立ち行かなくなるということは、やはり根本的に何かが間違っているのである。

● 「人」に仕事をつけるな、「仕事」に人をつけろ。

● 「仕組み志向」の会社は、「正しく仕事が行われているかどうか」に注意を払う。つまり、仕事の「やり方」のほうに焦点が当てられており、それを「誰がやっているか」は重視しない。  その仕事が「優れた方法」で進められているかどうか、その仕組みに依存して組織が回っている状況であるかを見ているのだ。

● あなたのビジネスに欠けているものを探せ(What’s missing piece in this picture?)欠けているものとは、もう少しわかりやすくいうと「一点突破」のことだ。お客様の不満を一点だけ突くのだ。

● 「オーディナリー(普通)なビジネスを、エクストラオーディナリー(偉大)なビジネスにしなさい。

● モデリングとは「理想の誰かを想定し、その動作や行動を見て、同じような動作や行動をすること」だ。  あなたのビジネスでモデリングできる人物、普通のビジネスを驚異的な方法で行っている人物を「モデル」として見つけるべきだというのである。

● 組織図は「マニュアル化」のための基礎になる。

● 中小規模のビジネスにおいては、1人の人材が複数の仕事を兼務していることが多い。そのため、ある仕事の責任の範囲がどこまで及んでいて、どういう目的を持っているのかがすぐに不明確になる。  それぞれの仕事の境界が曖昧だからこそ、人にさまざまな仕事が貼りついてしまい、特定の仕事を別の人に引き継ごうとしても、なかなかそうできないような構造になってしまっている。

● 組織図がない限り、優秀な人材に依存せず、マニュアルだけで回り続ける組織をつくることは不可能なのである。それぞれのポジション(職位)を書き終えたら、今度はそれぞれに求められる「結果と責任」についても書いている。職務契約書はそれぞれの役割について、「なぜこの仕事が必要なのか?」にまでさかのぼって明確にするものでなければならない。

● 自分に求められていること、部下に対してすべきこと、上司に対してすべきことをはっきりさせるのである。

● 「ゲームのルール」に賛同してもらい、社員に自分で動いてもらう。
・会社のなかの各ポジションが達成すべき結果
・そのポジションが責任を持って行うべき仕事
・評価の基準

● 「自分が何をすれば評価されるのか?」について迷わずにすむようになっていなければならない。「どうすれば自分の給料が上がるのか?」を従業員がわかっていない企業では、究極的に仕組み化はうまくいかない。

● 「何をすれば給与が上がるのか」がやはり明確になっていたことだ。実務においては次の3つのツールが機能していたという。 ①キャリアパス 将来の道筋を示すツール ②トレーニング 実際の技術を向上させるツール ③勤務評価   仕事を適正に評価するツール  ①の「キャリアパス」とは、働く人がキャリアアップしていく道筋を示したものだ。たとえば、100の習得すべき知識・技術がある場合に、「10だったものが20になれば、時給や地位がどれだけ上がるか」といったことを規定している。②の「トレーニング」は、キャリアパスに基づいて自分がランクアップする際に必要な、習得すべき仕事のマニュアルやプログラムである。マニュアルに対応したチェックリストを使って、知識・技術の習熟度を確認している。③の「勤務評価」は、本人の努力によって習得した仕事や勤務態度を公正に評価するためのツールだ。

● 彼の師たちはみな「1つの信条」に従って生きていたのである。つまり、何ごとにもそこには「決められた方法」があり、それに従ってやることをマスターしさえすればいい、という思想である。セールスやサックスや建築と同様、「うまくいく方法」をうまくいっている人から学ぶこと、すなわち、彼らの方法を「仕組み化」すればいいと彼は考えた。

● アントレプレナーシップの根底にあるのは、「世の中をよくしたい」という個人の強い想いと、チャンスへの敏感さだという。これらがあったからこそ、自分自身も起業家精神に目覚めることができたというわけ。

● 何気ない日常のなかにこそ多くのアイデアの源が眠っている。 「いつもと違う道を通ってみる」「ちょっと立ち止まって考えてみる」「髪型を変えてみる」──そういう行為や時間が、結局人生を何倍にも豊かにし、すばらしいアイデアの源になるのだと思う。  まずはルーチン(日常)を変えてみるところからはじめよう。日常のなかの小さな気づきが大きなアントレプレナーシップ(起業家精神)を生むはずだ。

● 「小さな」理念では「小さな」会社のまま  したがって、中小企業は戦術面では大企業と徹底して差別化しつつも、経営理念をつくる段階においては、彼らのものを存分にお手本にするべきなのである。

● 数値化の最大の意義は、「いま現在やっていることが正しいのか間違っているのか」を確認できることにある。逆に言えば、数値化をしない限り、すべての経営判断には「基準」がない。勘ばかりに頼った経営をしていると、いまいる場所を見失って迷走しかねない。いったん数値化してしまえば、社長がいなくても数多くの判断が正しいのかどうかを評価できる。経営者不在でも回り続ける優良企業に生まれ変わるためには、数値化とそれに基づく基準づくりが不可欠なのだ。

● オープンブックマネジメントを導入しつつ日次決算をしていれば、従業員も「1日の売上目標」から「不足している売上額」を逆算することができる。  こうすることで、足りていない売上分について、経営者だけが頭を悩ませるのではなく、従業員自らが対策を考え、実行することができるというわけ

● 社内でのコミュニケーションがいつもその数値に基づいたものになるような環境をつくれば、彼らだけでも正しいアクションが取れるような素地が出来上がっていくはず

● ガーバー流マニュアルとは、端的に言えば「ベストと思われる作業の手順(順番)を記録したもの」である。  さらに重要なのが、誰がやっても同じような品質の仕事を、同じような時間内にできるようにすることだ。人によって仕事のレベルに違いがあるようでは完璧なマニュアルとはいえない。マニュアルを作成する場合に必要なのは、次の4つの項目である。 ①目標 ②役割 ③必要なもの ④ステップ。

● 社員が自らカイゼンできる企業というのは、経営者が何人もいるということに等しい。しかし、社長がいなくても成長を続ける企業になろうとするのであれば、こうした状態をつくり出すことが不可欠なのだ。社長が会社にいなくても、従業員たちが自らカイゼンを行い、会社を成長させていけるような状態は、どのようにすれば実現できるのだろうか?  ここで「イノベーションミーティング」を紹介しよう。これは毎週1回、会議を行い、各従業員に「今日やろうと思っている新しいこと」を発表してもらうという方法である。

実現したいこと、ワクワクすること、理想、仮説が世界を創る。

 

 

本書を読んでいてU理論や全脳思考を思い出しました。出来そうなことを思い描くのではなく、おもいっきりワクワク出来るイメージ(理想)を描き、逆算して、創造するということ。

 

俗にいう、アントレプレナーにとってのビジョンみたいなものとも近い感覚ですが、本書では、そのような理想、ビジョン、実現したいことを「仮説」と呼び、その「仮説」が世界を創って来たし、これからも創っていくのだ、ということを主題に、佐渡島さんの哲学、思想、スタンス、仕事術などを交えて、語られています。

 

今の僕にとって、非常に共感できる箇所が多く、なんとなく思い描いていたことを、分かりやすく言語化してもらい、喉のつかえが取れたような気がしました。 そして、これからの取組みの中で、どうしても大切にしていきたいこと、すでにフォーカスしてきたつもりですが、より一層、強化していきたいことに、『カスタマーとの親近感を創ること』というものがありました。

 

 

””なぜ人は「練り込まれたプロの文章」よりも「友だちのくだらない投稿」のほうがおもしろいと思うのか? そのことを数ヵ月間くらい考えていたわけですが、ある日ふと「人って『おふくろの味はやっぱり美味しい』なんてことを言うな」と思いました。なぜ、おふくろの味は美味しいのか? これは身近な人のSNSの投稿と同じ理由なのではないか?つまり「美味しさ」というものは絶対値があるわけではなくて、「関係性」の中で決まるのではないか。同じように作品の「おもしろさ」というものも絶対値ではなく、関係性の中で決まるのではないか、という結論に至りました。ぜんぜん知らないプロの文章よりも「おもしろい」と感じるのです。 おもしろさというのは〈親近感×質の絶対値〉の「面積」だったのです。人によって感動の度合いは異なる これからのコンテンツビジネスは、「いかに親近感を持ってもらうか」が課題になってきます。どれだけファンと接点を持つかが大切になってくるのです。””

 

 

すでに先進的なC向けネットサービス事業者の中には、このような戦略(顧客との間に親近感を創る)を確立させ、リソースをしっかり張っている方々もおられるのですが、僕達もまた、今まで培ってきたネット上の顧客サービス(生身感みたいなもの)を、より一層、強化していこうと、年末に誓ったばかりでしたが、改めて、決意新たに、集中していきたいと思います。

 

 

【抜粋】

 

孤独を解消するには、「好きなことを話し合える相手がいる」ということが、少なくともぼくにとっては重要でした。ぼくは、作家と出会って、感情をシェアすることで孤独を解消できたのです。

 

ドイツの詩人シラーは、「友情は喜びを2倍にし、悲しみを半分にする」と言っていますが、この言葉は永遠の真理です。語り合う仲間がいると、おもしろさは2倍、3倍になっていくのです。

 

● 物理的な距離を縮め、効率的にするITサービスは、どんどん開発されている。その一方で、心的な距離を縮めてくれるサービスはまだほとんどないのではないでしょうか。よって、感情をシェアすることもできず、心は満たされません。

 

「ITを使って心的距離を縮め、感情をシェアするサービスを生み出すことで、同じ嗜好を持った人びとが集まるコミュニティが生まれるだろう。そうすれば、作家は、誰にも読まれないのではないかと怯えることなく、作品を作れるようになるはずだ」

 

 

「自分が言ったアイデアについて、まわりの人間が全員『それはないでしょう』と反対したときこそ『このアイデアの素晴らしさに気付いているのは世界で自分だけだ!』と逆に興奮する」と。それを聞いてぼくも深くうなずきましたが、他の経営者も何人かが「自分も同じだ!」と賛成していました。

 

● なにごとも「定義する」訓練を積むことで、自分なりの仮説を生むことができるようになるのです。

 

ぼくの世界の見方はシンプルです。 まずは変わらないもの(本質)を見つけること。そして、日々起きる変化の中で、何が大局の変化で、どれが一時的な文化や習慣にすぎないのかを「宇宙人視点」で見つけることです。長期的な変化が何なのか。それを予測し仮説を立てることです。

 

人々の物欲が減る中で、どうすると心が満たせるのか? ぼくは「共感」がキーワードだと考えます。「背景にあるストーリーに共感するからモノが欲しい」という時代になってきた。

 

● アナログが温かくて、デジタルが冷たいと考えがちですが、実際はその逆だったのです。デジタルの中で、人間的な付き合いが生まれるようになってきていて、その関係性がすごくおもしろい。そう感じているところです。

 

● 自分というものは、他人によって引き出される存在です。だから「本当の自分」というものは存在せず、「子どもと接しているときの自分」も「かしこまっているときの自分」も、すべてが「自分」なんだという考え方が、「分人主義」です。

 

● 平野啓一郎さんは「愛とは何か」ということも分人主義で定義しています。「相手の何か」が愛おしいというよりも、その「相手といるときの自分」「相手によって引き出される分人」が好き、というのが「愛」なのではないか。心地いい自分、落ち着く自分を引き出してくれるから、その相手が愛おしく、それが「人を愛する」ということだ、と定義しているのです。

 

人生における「居場所」の大切さ 人生において「居場所を見つける」ということは、すごく重要です。 会社を探す、仕事を探すというのも、根本的には「居心地のいい場所を探す」ということではないでしょうか。

 

 

● 「アリババ」というECサイトが、ここまで成功している理由のひとつは、サイト上でお店の人とチャットを通じて話せるからです。「これって割引できる?」というような会話を、24時間いつでもお店の人とチャットできる。だから魅力的なのです。

 

ネットでも結局、「対面」が大切になってくる。日本のECサイトだと、問い合わせのメールアドレスをなんとか探し出して、そこへメールを出さないとお店の人とコミュニケーションを取れません。

 

「仮想対面」で、顔はお互いに出さなくても、画面の向こうに「人の温度」を感じると、現実と同じようにECサイトでもモノを買うようになるのです。

 

単発の仕事を延々と繰り返すことで目標に近づくのは、どれだけ精神力があっても足りません。ある仕事をすると、次の仕事につながる。そういう「連鎖を生み出す仕事」であれば、やる気も自然と継続するでしょう。いかに自分がやる気を継続させられるような仕組みを作るか、ということが重要なのです。

 

● 一流のマンガ家、一流の経営者に会っていると、いつも同じ感想を持ちます。 ふとした会話のときに、「そんなところまで見ていたのか!」と思うことがすごく多いのです。ふつうの人が気付かないようなちょっとした「歪み」や、ほとんどの人が見落としてしまうような「美しさ」に一流の人たちは気付きます。

 

● 観察力がある人は、努力すれば必ず表現力を身につけることができます。でも、その逆に、いい観察ができない人は、継続していい表現をすることはできません。

 

● 観察力は基礎力です。語学ならば、語彙みたいなものでしょう。語彙が増えれば増えるほど、文法がいい加減でも話せる話題が広がっていきます。

 

● 観察力が上がっていくと、同じものを見ていても、他の人とは違う、ものすごく濃密な時間が過ごせるようになっていく。風景にしても、世の中の出来事にしても、人の心にしても、目に見えない微妙な変化やおもしろさに気付くようになります。その段階に入った作家は、みるみるうちに一流へと駆け上がっていきます。

 

● ぼくらは普段、ちゃんと見ているように思っても、ほとんど何も見えていないのです。あとで「さっき、何があった?」などと聞いてみても、漠然としか記憶していないでしょう。そのことを意識することから、観察は始まります。 私たちのほとんどは、「見たいものしか見ていない」のです。「現実をほとんど見ていない」ということを理解できたとき、観察力は上がっていくでしょう。

 

 

● 実効性のあるアイデアは、すぐには思いつきません。かといって、まとまった時間をとって集中して考えても思いつかない。ただ、思いつかなくても、問題ないのです。その問いかけを毎日やり続けることが重要です。毎日、考えていると、いろいろな情報が頭の中で急に結びついて、いいアイデアが出てくるときがあるのです。

 

 

 

 

 

 

● 自分を、自分の意志というものを信じないようにすることが大切です。多くの人は「自分だったらできる」とか「自分が本気出せば不可能はない」といった自分の半分しか見ていません。いい面だけを見ようとする。「自分はサボる」「自分は集中できない」「努力が続かない」という弱い部分は見ていないものです。

 

● 努力を続けられるような習慣を保つためには、自分に刺激を与えてくれる環境に身を置き続ける必要がある。ぼくはそう考えます。

 

 

 

 

● アランの『幸福論』の中で、共感した言葉があります。 「悲観主義は気分によるものであり、楽観主義は意志によるものである。気分にまかせて生きている人はみんな、悲しみにとらわれる。否、それだけではすまない。やがていらだち、怒り出す。ほんとうを言えば、上機嫌など存在しないのだ。気分というのは、正確に言えば、いつも悪いものなのだ。だから、幸福とはすべて、意志と自己克服とによるものである」

 

実は、自分が「おもしろい」と思うことは、自分にとって新鮮なだけなのです。自分がおもしろいと思っても、世間には「よくわからない」と思われて終わりです。それよりも、自分では飽きていておもしろくないと思っていること。そういうことは、自分の中で何度も考えられ、熟成されたことなので、世間にとっては発見であることが多いのです。

 

正直に自分が思ったことを言うことは、人間関係をつぶしてしまう「リスク」だと捉えている人も多いでしょう。しかし、他人と率直なコミュニケーションをせずに、自分の心の中でも率直なコミュニケーションが取れなくなることこそが一番の「リスク」です。

 

● 自分にウソをつかないことのメリットはもう一つあります。「記憶のコスト」が低くなるということです。 その場の空気で調子を合わせていると、「自分がどこで何を言ったか」を記憶しておかなければいけません。たくさんの案件を同時進行で動かしていると、自分がどのような基準で、どう判断したかを記憶することは、すごく大変な作業になります。

 

 

● 相手と信頼関係を築き、一緒に同じ目標に向かっていることを確認し合っていれば、正直な感想は、相手が自分を客観視する手助けとなり、感謝されるはずです。

 

●「家族には『仕事だから仕方ないんだよ』って言いたくないんです。自分にとっては、マンガと向き合ってる時間が、もっとも楽しい遊びをしている時間で、仕事ってつもりじゃない。ずっと遊んでいて申し訳ないって感じです」と答えるのです。この答えを聞いたとき「好きを仕事にする」ことの強さを感じました。

 

 

 

 

● マイナスの案件を片付けると、手元には楽しいことだけが残ります。すると、ワクワクすることなので、勝手にのめり込む。「自分が勝手に働くような仕組み」を自分で作っているわけです。 こういう状況にできれば、仕事を仕事と思わないようになる。つねに「手元にやりたい仕事しかない状態」にしておくと、毎日が自然と楽しくなっていくでしょう。

 

 

 

最高に楽しむためには、まわりを楽しませなくてはいけません。「自分が楽しい」をとことん追求すると、結局は「利他」に行きつきます。 だから、使命感をぼくは重視せず、むしろ自分が楽しむことが「結果的に」使命を果たすことにつながるのではないか、と考えているのです。

 

 

 

 

 

 

本音でぶつかることで新たな視座を手に入れる。

堀江さんの考え方やスタンスには、賛否両論あり、そもそも、凡庸な人間が、堀江さんと同じように振る舞ったところで、やっぱり傍若無人と捉えられるだろう。穿った見方をすれば、堀江さんのような努力、才能ある人間だからこそ、許される、許容されるようなことも多い。

しかし、そんなこと言っていたら、変わらないよ、というのが本書。

堀江さん自身のアイデアというより、世の中に、そういう輩が多く、つまり、本音で生きたいのに生きられていない人が多いので、このような本を書いたら、きっとヒットしますよ!みたいな提案があって生まれたであろう書籍。

確かに、この手の本を手に取っている時点で、自分の軸が定まっていない半人前っていうレッテルが張られても仕方がない節がある。分かっちゃいるけど、なかなか行動に移せない、そんな人達のための啓発本。

そして、何より笑ってしまうのが、本書の書き出し部分で、本人から、こんな本音が、御丁寧に付け加えられている点。

“”【堀江貴文の本音】 でもやっぱり、「本音を言えない」「やりたいことができない」と考えている人って「キモッ」って思うところもある。言いたいことは言えばいいし、やりたかったらやればいい。本当にやりたかったり切羽詰まっていたりしたら、もう動いているはずなので、こんな本を読んでいる場合ではないだろう。この本は言葉が過ぎているところもあるし、余計なお世話と思われるかもしれない。まあ、パッと読んで、気づいて、この本は捨ててしまう、くらいが、やっぱり一番いいと思う。””

肝に銘じたい。

 

【抜粋】

● どんな時も「相手に尽くす」ことが重要だと思っているが、それは「馴れ合い」とは違う。馴れ合うために与えるのではなく、目的を持った者同士が目的を達成するために与え合うのだ。

● 「お互いの価値観が異なっていることがわかる」というのは、とても大事なことだ。なんとなくわかったふりをして終わるのと、たとえ自分の価値観と違っていても、しっかり相手の意見を聞くのとでは、どちらが「相手のことを知る」ことになるだろうか。

● 対談だけでなく、ソーシャルメディアでも積極的に人とぶつかり合おうとしている。それは、その人が嫌いだからだとか、人格を否定するためではない。違う意見を持った者同士がぶつかることで、新しい発見があるからだ。

● お金は、信用という複雑な存在を、単純な数値に落とし込んだツールである。信用の一側面ではあるものの、信用そのものではない。何度も言うが、大事なのは信用であって、お金ではないのだ。

● だから、まず貯めるべきはお金ではなく、信用ということになる。人から何か頼まれたら、期待に応えるように尽くす。金欠の知り合いに、飯をおごる。そうした行為の積み重ねが信用を築いていく(しかも、そもそも起業に関する金銭的ハードルは、今では大分下がっている!)。

● プライドをなくそうとすると、慣性がついて、どんどんプライドがなくなる方向に進む。  一方で、プライドの高さに慣性がついて、どんどん、どんどん高くなる人もいる。そうして、すごく気難しいおじいさんや、おばあさんになっていく。

● 人間なんて誰でも一緒。ちっちゃいプライドで、身動きがとれなくなってしまう。本当に「あなたのことなんて、誰も見ていない」のだから、気にせず、言いたいことを言って、やりたいことをやればいい。  プライドを低くすれば、すべてうまくいくのだ。

● 飛びついた結果がどうなるのかなどわからないが、確実にいえることがある。ノリのよい奴には、あちこちから声がかかるようになり、加速度的にいろんな経験ができるようになっていくのだ。

● 情報をインプットし、アウトプットし、「考えること」を繰り返す。ボーッとするのではなく、自分の時間を思考で埋めていくと、ある瞬間に解決策やアイデアがふっと浮かぶようになる。自分の脳を情報と思考で埋めれば、どうでもいいことで悩んでいる暇などなくなってしまうはずだ。

● 僕は人間関係についても新陳代謝を強く心がけている。  毎月新しい知り合いを一人作ろうとか、年齢も性別もバックグラウンドも違う人と仲良くしようとか。  僕もそうだが、たいていの人は、ついつい同じ人とつるんでしまう。安定した人間関係を築いて、その関係をずっと続けていこうとする。

● 今までとはまったく違うタイプの知り合いを毎月一人でも作るようにすればいい。今まで会ったことのない人と知り合いになれば、そこにまた新しい何かが生まれる。

● 新しい出会いの場には必ず行くと「決めて」いる。決めたんだから、行く。これは新しいことをする時に共通するが、決めれば「やる」ものだ。  面倒くさいという気持ちが起こったとしてもそんなものは無視すればいい。場所に出向いて、自己紹介をして……というプロセスを進めていくうちに、いつの間にか面倒くさいという気持ちも忘れてしまっている。

● 僕は昔から、与えられた以上の価値を必ず相手に与えるようにしている。仕事でいえば、無茶に思える依頼であっても、知恵を絞って取り組み、相手の期待以上のものを仕上げてきた。

自分らしく生きていく。シンプルリスト。

 

年始と言えば、あれこれ、抱負を考える絶好の機会。2015年は、変化のための礎を築いた1年でした。そして、今年、鼻息荒く、どんな一年にしてやろうか、と思いを巡らせていた三が日。
けっこうな数の書物に触れたのですが、まず第一弾はこちら。

 

 

決意したのにやらないこと、やり続けることが出来ないことって、本当に多い。
実際、このやろうとしていて、やり続けられていないことがいかに多いか、気付けるかどうか、ということも簡単ではないのかもしれませんが、気付いた後に、自分の行動を修正できるか、というと、もうほとんどの人、全人類の80%以上は、行動を変えられないんじゃないだろうかと思うんですね。
そんな中、幸運にも、いかに習慣化させるか、ということを、けっこうな歳月をかけて、研究してきて、2015年は、ようやく、習慣化能力に花が咲いた一年だったな、という実感があります。
そんなわけで、2016年は、本当に、自分が実現したいことに集中して、とことん続けられるよう、やり抜けるよう、それらをシンプルなリストにまとめ、繰り返し思い返していこうかと思ってます。
自分らしく、自分が信じた道を開拓していく。使い古されたような表現ですが、王道なしだな、と。今年こそ、飛躍の年と信じ、コツコツ、とことん、道なき道を切り開いていきたい。

 

【抜粋】
● 自分が好きではないものを知ることは、自分を知ることでもあるのです。

● 人は年を重ねるにつれ、自分の理想をかたちにしていけるようになりますが、同時に、自分の時間は限りあるものだと自覚させられます。そうすると、したくないことを明確にすることが、いかに大切かおわかりになるでしょう。

● 幸福という観点から考えると、したくないことをしないというのは、好きなことをするというのと同じくらい大切で、したくないことをいくらかでもとり除くことで、今以上の幸福へとつながるのです。

● 人はみな、価値観や信念にしたがって行動することで、人生により深い意味を与えることができます。ですから、自らの価値観をはっきりさせることがなにより重要なのです。

● 確かに、価値観が明確になると、迷ったり後悔したりすることで無駄なエネルギーを使うことがなく、自然と元気がわいてきます。  多くの人が自分の好みをわかっていないということは、暮らしのなかにものがあふれていることからもわかります。

● 自分がなにを目指し、なにを望んでいるのかが明確になると、人生は今よりはるかにわかりやすく、幸せなものとなるのです。

● 物質的にも精神的にも不要なものを、いつまでも手放せないのはなぜなのでしょうか? 私たちはそのせいで、本当に大切なものを見落としたり、十分に使いこなせなかったりしているのです。  ひとつだけあればいいもののリストを作ることで、それが本当に必要なものなのか常に意識することができます。快適さやゆたかさというイメージに、変化が起きることでしょう。

● かけがえのない瞬間  瞬間の積み重ねが永遠の「時」を作っています。そしてその瞬間の「質」は、私たちが一瞬一瞬にどれだけ多くの意識を向けることができるかで決まります。  そのためには、常に自分の心を開いておき、いろいろな刺激を観察し、理解し、感動できるようにするのです。かつて、偉大な哲学者アリストテレスは、「注意深く観察をする能力が発達すればするほど、幸せになる能力が発達する」と述べています。

● 小さな幸せの瞬間を集めたリストは、じつは幸せな人生そのものです。本当の幸せとは、他人に自慢するものでもなければ、他人の期待するイメージに添うことでもありません。それは日々の暮らしのなかにあるのです。

● 自分が味わったものを描写する語彙が豊富になればなるほど、味の微妙なニュアンスを意識できるようになります。シャンパンはラズベリーの味がすることを覚えてはじめて、あらゆる芳香や風味の本当のよさがわかります。自分がこれまでいかに鈍感だったかに驚くことでしょう。

● 五感から得るものをゆたかに描写することで、知性が刺激され、好奇心が旺盛になります。自分の世界が広がり、新しい楽しみの一つひとつが、新しい経験の一つひとつにつながっていくのです。
・舌の上で弾けるイクラ
・ウーロン茶を飲んだあと口のなかに残る苦味
・採れたてのキュウリ
・チャツネ(マンゴーなどの果物を香辛料、砂糖、酢などと煮た甘ずっぱいインドの保存食)の舌触り
・少量のチェダーチーズと合わせるレタスの葉のみずみずしさ
・熱々のトーストに載せたよく冷えたフォアグラ
・新鮮なウニのお寿司

● ハーモニーを奏でる組み合わせを見つけ、三重奏にしてみましょう。  私にとっての「楽しみの三重奏」はこのようなものです。
・マッサージ、お香、心地よい音楽
・コーヒー、ミントチョコレート、タバコ
・ひじ掛け椅子、フロアスタンド、うずたかく積まれた本
・山へのピクニックで、ヤギのチーズ、ブラウンブレッド、ほんの少しのブランデー
組み合わせを考えるだけで、充足感が広がってきます。

● 読書ノートをつけると、気になったアイデアを自分のものにすることができます。読み終わった本をただ本棚に戻すよりもはるかに深く、自分のなかに残ります。

● 自分の成功をひとつずつ書きとめることは非常に重要です。  これまでに収めた成功の記録は、成功する力とあきらめない気持ちを強化するのにとても効果的です。成功を記憶のなかだけにとどめず、はっきりと書きとめて絶えず目にすることのできる状態にしておくことで、はかりしれないほどの力が得られるのです。

● 自らの人生を書きだし、今に至ったさまざまな出来事のつながりを知ることは、自分とまわりの人との関係をよりよく理解することです。それはまた、これまで周囲からどのように愛され、励まされ、あるいは避けられてしまったのかを振り返ることでもあります。